日本では当たり前のように通じる”インプット”と”アウトプット”という捉え方(=概念、切り口)について
私が調べた範囲ではあるけども、この概念が英語圏では一般的ではなかったというお話です
Summary
- 「その情報はどこで使えるか」を意識して情報収集すると自然とアウトプットに繋がる
- (Qiitaのアドベントカレンダーの趣旨を否定するわけではないが)なにか記事を書いたりとかTwitterで情報発信することこそが”アウトプット”というのは間違いではないけども、解釈が狭く勿体ないのでは
- 「日記をつける、混乱してきたらメモに書き出す」程度のアウトプットはを日常的にできるようにしておくなど、言語化する=日常的に情報を使う、習慣化することをおすすめしたい。
きっかけ
以前に1年ほどオンラインで通える海外の大学に在籍していたことがあり、とある講義のカリキュラムの中で「”学習する上で重要なことはなにか”を各自で考えて発表し合う」という課題が出たことがありました。
その大学では英語で授業が行われていているのだけども、英語スキルの高くなかった私は、早く課題を終わらせようとして「インプットとアウトプットのバランスが大事」という何のひねりもない内容で発表しようと課題を進めていました。
違和感
大学の課題ということもあり評価指標の中に「適切なエビデンス(=根拠)となる資料を探し出させるか」、「その資料を盗作にならないように適切なフォーマットで引用できるか」という指標が含まれていまして、まぁ無難な題材を選んだ私はノリノリで資料を探し始めたんですね。
「”インプット”、”アウトプット”だなんてジャパングリッシュっぽくなってるだけで似たような概念は英語圏でもあるでしょー」
「インプットとアウトプットのバランスが大事だよーみたいな論調でズバリ書いてくれてたらいいなー」
そんなことを考えながらググりはじめるわけなんですが、予想に反してヒット件数が少ないんですねぇ。
少し言葉を加えて調べてみても思うような資料は出てこない。
なんかそれっぽい資料が出てきたとしても言語学習の文脈で書かれていていて、汎用的な学習方法という文脈ではないんですね…
気づき?
ちゃんとネイティブの人に聞いたわけではないので(在学中に質問しておけばよかった…)、私の推測の域を出ないのだけども、これはもうジャパングリッシュがどうのこうのではなくて、そもそも考え方として「インプット vs アウトプット」なんていうのは英語圏では一般的ではないよなと。
とは言え切り口が違うだけで、日本語の文脈のインプット・アウトプットに該当するニュアンスって、英語圏でもどこかしらの表現が補ってくれていると思ってて、それに該当するのが"use"なんじゃないかなと思いました。平たく言うと「情報っては使ってなんぼ」であって、"使った"ことこそがアウトプットなのではないかと思ったんですね。
これは肌感レベルのもので明確な根拠があるわけではないので、もしこの記事をここまで読んでくれている人がいれば、ぜひ自らの経験を通して検証してみてほしいです。
締め
昨今の「アウトプットしなきゃ!!」みたいな風潮ってどうなの?という問題提起をして締めたいと思います。
QiitaやZenn、noteに自分が収集した情報をいくら読みやすくキャッチーにまとめてみたところで、その行為自体がインプレッション増加など直接的に目標達成に結びつくようなSNSインフルエンサー(とその予備軍)でない限り、将来的に使われなかったとしたらどうでしょうか?
使われなかったとしたら、という表現は正しくないかもしれないですね。
その情報を自分が使う気が無いのに、周囲に流されて言われるがままに取りまとめた情報というのは、果たして本来目指していた「インプット&アウトプット」なのでしょうか?
このことは今回のアドベントカレンダーの趣旨に反していないと思っていて、今は腹落ちしなくてももがき苦しみ”アウトプット”している人は、将来きっと何かしらの気付きが得られると思います。
ただ、こういうアドベントカレンダーのようなイベントを目にしたり、周囲の人が勧めているからというだけで「やらなきゃ」と焦っている方は一度立ち止まってほしいと思います。きっと、そのような焦りを日記などを通して、習慣的に言語化していくほうが情報を”使う”ことにつながり、それはつまりアウトプットということにならないでしょうか。
Summaryから書いていったので、締めの部分がきれいにつながらなかったですが、私がまとめたかった(言語化したかった、使いたかった、アウトプットしたかった)内容というのは書けたと思います。
ご意見あればぜひコメント、もしくはコメントだと周囲の反応が、、、という方はぜひTwitterのDMへご連絡いただければと思います。
おまけ : 周囲の反応
自分のこの話を補強する意図はほぼないのだけど、課題を発表した時の周囲の反応は「んー、そうなんだ」くらいの温度感だった気がします。発表すると同じ講義を受けている生徒と、その講義を担当している先生からレビューをもらえる仕組みになっていて、そこでも資料が引用できてるかどうかとか、全体の構成についてのレビューがほとんどで、内容に関してはほとんどフィードバックがなかったはず。
そういった苦くもないけど、甘いわけでもない過去を思い出してこの話を書こうと思いました。
おまけ : 海外の大学って?
「University of the People」という大学です。
https://www.uopeople.edu/
2年制・4年制の両方あり、コースはBusiness Administration, Computer Science, Health Scienceの3つ。
教育を受けることへの障害を取り除くことに重きをおいていて、完全オンラインで通える、学費が安い、サポートが手厚いのが強みですね。私はエンジニアを目指した時にComputer Scienceコースに在籍していたのですが、本業が忙しくなって退学しました。
ある程度の読み書きができる&挑戦心があれば卒業できるのではと思います。もし、興味を持たれた方でちょっと話聞いてみたいみたいなということがあれば、TwitterのDMまでご連絡いただければと思います。私のあまり広くない知識でよければお答えいたします。