はじめに
AIコーディングツールの進化が早すぎて、何がどこまでできるのか把握しきれません。私はChatGPT(Codex CLI)、Gemini(Gemini CLI)、Claude Codeの3つに月額課金している状態に一時的になっています😅
流石にどれかに統一しようと思って、改めて比較してみました。業務ではClaude Codeを使っているので、ここでの比較は業務外の個人利用が前提です。主にCLI(ターミナルから使うコーディングエージェント)としての使い勝手を中心に整理します。2026年3月時点の情報です。
3つのツールの概要
Codex CLI(OpenAI) — Rustで書かれたCLIエージェント。ChatGPT Plus($20/月)に含まれます。サンドボックスによる実行安全性が特徴で、権限を段階的に設定できます。クラウド版(Codex cloud)での非同期タスク実行もあります。
Gemini CLI(Google) — オープンソースのCLIエージェント。100万トークンのコンテキストウィンドウと、無料枠(1日1,000リクエスト)が最大の強みです。有料プランなしでも実用的に使えます。非同期コーディングエージェントのJules(無料で1日15タスク)もあり、Codex cloudに近い立ち位置です。
Claude Code(Anthropic) — Pro($20/月)またはMax($100〜200/月)プランに含まれるCLIエージェント。カスタマイズの仕組み(CLAUDE.md、rules、memory、skills、hooks、subagents)が自分の印象では最も充実しています。GitHub ActionsやAgent SDKとの連携もあります。
比較
コーディング性能
3つとも基本的なコーディングタスク(ファイル編集、テスト実行、バグ修正)はこなせます。コーディング性能自体はどれも高く、大きな差は感じません。ただ、コンテキストを汲み取る力はClaude Codeが一歩上だと感じています。指示が曖昧でも文脈から判断して動いてくれることが多い印象です。
それぞれ使っていて「これはいいな」と思った体験があります。Claude Codeはremote-control機能でスマートフォンからターミナルのセッションに指示を出せます。PCの前にいなくてもタスクを進められるのは想像以上に便利でした。Codexは、GitHub integrationのAutomatic reviewsを有効にするとPRのレビューを勝手にやってくれるようになります。一度設定すれば放っておくだけなので楽です。
Gemini CLIはコンテキストウィンドウが広く、大きなコードベースでも一度に読み込めます。ただ、自分の場合は最初に意図と違う出力が出ることが多い印象でした。GEMINI.mdなどの仕組みを使ってしっかりコンテキストを整備すれば十分使えると思いますが、そこまで手をかけるのが少し面倒に感じてしまいました。Claude Codeに比べるとユーザーが少ないのか、活用事例や手法の情報がまだ出揃っていない感覚もあります。
カスタマイズ
| 機能 | Codex CLI | Gemini CLI | Claude Code |
|---|---|---|---|
| プロジェクト指示 | AGENTS.md | GEMINI.md | CLAUDE.md |
| ファイルインポート | - | @path |
@import |
| 永続記憶 | - | saved memories | auto memory |
| イベントフック | あり(experimental) | hooks | hooks |
| スキル | あり | あり | skills |
| サブエージェント | あり | あり(experimental) | subagents |
| 設定ファイル | config.toml | settings.json | settings.json |
| MCP対応 | あり | あり | あり |
3つとも基本的な機能は揃っています。自分の印象ではClaude Codeが先行していましたが、CodexもGeminiもskillsやsubagentsを追加してきていて、差は縮まっています。
料金
| プラン | Codex CLI | Gemini CLI | Claude Code |
|---|---|---|---|
| 無料枠 | 制限付きあり | 1日1,000リクエスト | なし |
| 個人向け | $20/月(Plus) | ¥2,900/月(Google AI Pro) | $20/月(Pro) |
| ヘビーユース | $200/月(Pro) | ¥36,400/月(Google AI Ultra) | $100〜200/月(Max) |
Gemini CLIの無料枠が圧倒的です。お金をかけずに試すならGemini一択です。ヘビーに使うなら、Claude Code MaxかChatGPT Proが候補になります。
GitHub Actions対応
3つとも GitHub Actions での利用自体は可能ですが、認証方式には違いがあります。Claude Code は API キーに加えて setup token を使う OAuth 認証にも対応しており、サブスクリプションの範囲で動かせます。一方、Codex や Gemini は GitHub Actions 上では API キーやクラウド認証を使う構成が中心です。ここはローカルCLIのログイン方法とは別の話です。
自分にとってはこの差が大きかったです。Claude CodeのProプランは正直limitがかつかつですが、API keyなどを追加で取得せずに、サブスクの範囲内でGitHub Actionsが動かせるのはかなり便利です。
自律型タスク実行
「タスクを投げて放置」という体験ができるかどうかです。
Codexにはクラウド版(Codex cloud)があり、タスクをクラウドのサンドボックスで非同期に実行できます。ローカルのターミナルを閉じていてもバックグラウンドで動き続け、完了したらPRを提案してくれます。複数タスクの並列実行もできます。Codex appの「Automations」では定期的なバックグラウンド実行も設定できます。
GoogleにはJulesがあります。Gemini CLIとは別のツールで、こちらも非同期でタスクを実行してPRを出してくれます。無料で1日15タスクまで使えて、有料プラン(Google AI Pro: 100タスク/日、Ultra: 300タスク/日)で上限が上がります。Codex cloudと同じ立ち位置です。
Claude Codeにもクラウド実行環境があります。claude.ai/codeまたは claude --remote でクラウドVM上にタスクを投げて、ラップトップを閉じてもバックグラウンドで動き続けます。複数タスクの並列実行も可能です。現在リサーチプレビュー段階で、Pro/Max/Teamプランで利用できます。
各社のエコシステム展望
サブスクリプションで得られるのはコーディングツールだけではありません。むしろコーディングツールの方が後発で、各社とも提供するものを統合しながら、コーディング業務を超えた基盤へと拡張しています。その方向性がかなり違います。
OpenAI
OpenAIはChatGPTデスクトップアプリにOperator(コンピュータ操作)やCodexを統合する方向を明確にしています。ChatGPT Atlasのような統合ブラウザも出ていますしね。コーディングは全体の一部で、汎用的なデスクトップエージェントへ向かっている印象です。
GoogleはGeminiをWorkspace全体に統合しています。Gmail、カレンダー、ドキュメント、スプレッドシートの中にGeminiが入っていて、業務ツール全体をAIで底上げする方向です。コーディング面でもGemini CLI、Jules、Gemini Code Assist(IDE拡張)と揃えてきています。Google Cloudとの統合も強みで、企業向けのエコシステムとしては一番広い印象です。
Anthropic
AnthropicはCowork(デスクトップエージェント)、Dispatch(モバイルからの指示)、Gmail・Googleカレンダー・DocuSign等へのConnectors、Agent SDKといった製品を展開しています。Claude Codeで培ったエージェント技術を汎用化している印象で、「エージェントを作るための基盤」という色が強いです。
整理すると、OpenAIは「1つのアプリで全部やる」、Googleは「既存の業務ツールにAIを溶かす」、Anthropicは「エージェントの基盤を提供する」。コーディングツールを選ぶだけなら気にしなくてもいいですが、今後どのエコシステムに乗るかを考えると、この方向性の違いは判断材料になります。
まとめ
3つとも「ターミナルで対話しながらコードを書く」という基本体験は似ています。コーディング性能も、どれを選んでも困らないレベルです。差が出るのは、カスタマイズの深さ、料金体系、エコシステムの方向性です。
自分は結局Claude Codeに統一しました。業務で使い慣れているバイアスはあると思います。それを差し引いても、OAuth認証でGitHub Actionsが使えることや、カスタマイズの仕組みが自分の使い方に合っていたことが決め手でした。コスト面だけ見ればGeminiやCodexの方が余裕があります。
3社ともものすごいスピードで機能を追加しています。今はツールごとに差がある部分も、徐々になくなっていくのかもしれません。どのツールを選ぶかよりも、選んだツールの機能をどこまで使いこなせるかの方が大事な気がしています。この記事は2026年3月時点のスナップショットなので、常に最新の情報を追いかけてください。