この記事は、Fujitsu Advent Calenderの 19 日目の記事です。
はじめに
@GORO_Neko です。毎度の挨拶ではありますが、ご存知の方ご無沙汰してます。初めての方お初にお目にかかります。
いつも通り、まずお断りをば一言。
自分、仕事では「未だ」一切 mruby 扱っておりません(まぁ、某フォーラムの研究活動等では利用しておりますが・・・)。
以下は、自分が所属する会社の意向を反映したものでもスタンスを示すものでもなく、単なる一個人の趣味の活動から産まれた記述です。
再質問 GR-CITRUS ってご存知ですか?
昨年も扱ったネタなので、くどくは申しません。組込用途に向け開発された軽量 Ruby こと mruby「も」動くマイコンボードです。
昨年書いた記事の再掲になりますが、以下を参照ください。
- Renesas Electronics Corporation 製マイコンボード
- 組込み向け軽量 Ruby の mruby を搭載したマイコンボード
- ルネサス32ビットマイコン RX631 グループ MCU を搭載
- Arduino 互換(Arduino Pro Miniと互換性のあるピン配置
- mruby 製アプリケーションに加え、Arduino 言語製アプリケーションも動作可能(・・・私はまだ試してません)
- ESP8266 を搭載したボード「WA-MIKAN」(この試行では使っていません)と組み合わせることで WiFi 通信やマイクロ SD カードの使用が可能
- Chrome App の Rubicを使うことで、プログラムの作成から実行までスムーズに実行可能
・・・ Chrome App の Rubic ・・・
開発環境が Chrome App 仕立て?
そう、昨年記事を書いた際には、GR-CITRUS 用 mruby アプリケーションを作成する際、Chrome App 形式の Rubic を使用しました。
・・・で、ですよ。Google さんは、かなり前から Chrome OSを除く、つまりWindows/Mac/Linux版全ての Google Chrome で、Chrome アプリのサポートを段階的に廃止すると言われておりました。
だとするとそろそろ Rubic 動かなくなっちゃうんじゃなかろうかと心配していたのですが、なんと! 新しい開発環境が提供されました!!
Visual Studio Code ベースの新開発環境現る
新しい開発環境は Visual Studio Code ベースです。
Visual Studio Code に拡張機能のRubicを組み込むことで、Visual Studio Code を使って、マイコンボード向け mruby アプリケーションの開発が可能になります。
Visual Studio Code のセットアップ媒体を、マイクロソフトのホームページからダウンロードして、セットアップし、上記の拡張機能のRubicを組み込むだけで、Windows でも Mac でも、わが愛しの Linux でも、あっという間に開発環境を動作させることができます。
Rubic を使いたくなった方、開発元が Web 上でインストール方法を公開しています。早速インストールしてみてください。
作成した mruby アプリケーションを動かしたいマイコンボードの認識させ方や、そもそも mruby を使ったプログラムのビルド方法に関しても、開発元が Web 上で新規 Ruby プログラムの開始と題して詳しい解説記事を公開しています。
私見、新開発環境のイケてる機能
とにかく、マイコンボードに書き込むべき mruby ファームウェアの書き換えが楽ちんです。
これで、mruby のバージョンが上がっても、比較的容易に、マイコンボード上の mruby ファームウェアをバージョンアップできます。
万一最新ファームウェアに問題があっても、楽々バージョンダウンもできます。
アプリケーションを作るための mruby のソースコードは、当然旧開発環境上で作成したものでも新開発環境で作成したものでも、変更の必要はありません。
その証明というわけではありませんが、昨年の記事で紹介した機器構成、ソースコードをまるまる再現して、新開発環境でリビルド→実行した結果を以下にあげておきます。
はい。何の支障もなく、アプリケーションが動作しました。
今後はこっちの環境で、ガシガシ mruby を使っていく予定です。
では、また。