無料版からはじめよう!GitLab を好きになるための制限ガイドと段階的な活用術
対象バージョン:GitLab.com(GitLab 18.7〜19.0時点の情報)
対象ティア:Free(一部 Premium / Ultimate にも言及あり)
GitLab は Free プランだけでも、リポジトリ管理・CI/CD・イシュートラッキングなど、開発に必要な機能を一通り体験できるプラットフォームです。まずは Free 版で GitLab を使ってみて、ぜひその便利さを実感してください。
Free プランにはいくつかの制限がありますが、シート数(メンバー数)を増やさなくても、ストレージの追加購入・コンピュートミニッツの追加購入・GitLab Credits の購入といった従量課金オプションを使うことで、開発レベルをステップアップしていくことができます。 チームの規模を変えずに、できることを広げていけるのが GitLab の魅力のひとつです。
この記事では、Free プランで知っておくべき制限と、それぞれの乗り越え方をまとめます。
- ファイルサイズのプッシュ制限
- ネームスペースの読み取り専用状態
- ユーザー数・グループ数の上限
- ストレージの制限
- GitLab Credits(AI機能の利用)
- コンピュートミニッツ(CI/CD パイプライン)
1. ファイルサイズのプッシュ制限(100 MiB)
対象:GitLab.com / Free のみ
Free プランでは、1ファイルあたり 100 MiB 以上のファイルはプッシュできません。
エラー例
100 MiB 以上のファイルをプッシュしようとすると、以下のようなエラーが表示されます。
remote: GitLab: You are attempting to check in one or more files which exceed the 100MiB limit:
- 257cc5642cb1a054f08cc83f2d943e56fd3ebe99 (123 MiB)
- 5716ca5987cbf97d6bb54920bea6adde242d87e6 (396 MiB)
Please refer to https://docs.gitlab.com/user/free_user_limit/ for further information.
! [remote rejected] main -> main (pre-receive hook declined)
error: failed to push some refs to 'https://gitlab.com/group/my-project.git'
エラーメッセージにはファイル名ではなく Git オブジェクトのユニーク ID が表示されます。
ファイル名を調べるには次のコマンドを使います。
tree -r | grep <id>
解決策:Git LFS を使おう
Git はもともと大きなバイナリファイルの管理には向いていません。
画像・動画・モデルファイルなどの大容量ファイルは Git LFS(Large File Storage) を使いましょう。
Git LFS は大きなファイルを Git と連携して効率よく管理するために設計されています。
トラブルシューティング:大きなファイルを削除してもエラーが出る場合
ローカルでファイルを削除しても、コミット履歴にそのファイルが残っていると エラーが続きます。
該当のコミット自体を削除・書き換える必要があります。詳細は GitLab の コミットの取り消しとヒストリの変更 を参照してください。
2. 読み取り専用(Read-only)状態とは
ネームスペースが読み取り専用になる場合
対象:GitLab.com / Free
プライベートなネームスペース(グループ)で 5人を超えるユーザーが参加している 場合、そのネームスペースは読み取り専用になります。
読み取り専用の解除方法は以下のとおりです。
- ネームスペース内のメンバー数を 5 人以下に減らす
- 無料トライアル(Ultimate)を開始する(メンバー数無制限)
- 有料プランに移行する
読み取り専用時に制限される操作一覧
| 機能 | 制限される操作 |
|---|---|
| コンテナレジストリ | クリーンアップポリシーの作成・編集・削除、イメージのプッシュ |
| マージリクエスト | 作成・更新 |
| パッケージレジストリ | パッケージの公開 |
| CI/CD | パイプライン・ビルド・環境・デプロイ・クラスター・リリースの作成・編集・管理・実行 |
| ネームスペース | 新しいユーザーの招待 |
404 エラーが表示される操作もあるので注意しましょう。
プロジェクトが読み取り専用になる場合
対象:GitLab.com / Free・Premium・Ultimate
ストレージの上限を超えると、プロジェクトも読み取り専用になります。
- Free プラン:プロジェクトが 10 GiB を超えた場合
- Premium / Ultimate プラン:プロジェクトが 500 GiB を超えた場合
読み取り専用状態のプロジェクトでは、リポジトリへのプッシュや LFS ファイルの追加ができません。
プロジェクトやネームスペースのページ上部にバナーが表示されます。
3. ユーザー数・グループ数の上限
対象:GitLab.com / Free
ユーザー数の上限(5人)
プライベートな可視性のトップレベルグループには、最大 5 人までしかメンバーを追加できません。
5人を超えると前述のとおり読み取り専用状態になります。
ユーザー数のカウントは、サブグループやプロジェクトのメンバーも含めた ユニークユーザー数 で計算されます。
ユーザー数の制限が適用されないケースもあります。
- パブリックなトップレベルグループ
- 個人ネームスペース(デフォルトでパブリック)
- 有料プラン(Premium / Ultimate)
- コミュニティプログラム(オープンソース・教育・スタートアップ向け)
グループ数の上限(3つ)
2026年1月27日以降に作成されたアカウントでは、Free プランのトップレベルグループ(グループネームスペース)は 最大 3 つまで作成できます。個人ネームスペースはこの制限に含まれません。
Ultimate トライアル中のアカウントにもこの制限が適用されます。
グループ数を増やすには有料プランへのアップグレードが必要です。
4. ストレージの制限
対象:GitLab.com / Free
Free プランでは、各プロジェクトのリポジトリと LFS に対して 10 GiB の無料ストレージが提供されます。
コンテナレジストリ・パッケージレジストリ・ビルドアーティファクトはこの制限に含まれません。
10 GiB を超えたプロジェクトは読み取り専用状態になります。解除するには追加ストレージの購入が必要です。追加ストレージの価格は 月 $5 / 10 GiB(年払い) です。
追加ストレージの購入方法(グループの場合)
- GitLab.com にサインイン
- 上部バーから対象グループを選択
- 左サイドバーの「Settings(設定)」→「Usage quotas(使用量クォータ)」を開く
- 「Storage(ストレージ)」タブを選択
- 「Buy storage(ストレージを購入)」を選択し、Customers Portal で手続き
追加ストレージは毎年自動更新されます(自動更新の無効化も可能)。
フォークのストレージ消費に注意
プロジェクトをフォークした場合、通常はコストファクター(割引係数)が適用され、実際のサイズよりも少ないネームスペースストレージとしてカウントされます。
ただし、Free プランのプライベートフォークにはこのコストファクターが適用されません。 フォーク元と同じサイズがそのままストレージとしてカウントされるため、フォークを多用するとストレージを想定以上に消費する可能性があります。注意しましょう。
5. GitLab Credits(AI 機能)
対象:GitLab.com・Self-Managed / Free(GitLab 18.10〜)
GitLab Credits は、GitLab Duo Agent Platform(AI 機能)の利用に使われる消費型の通貨です。
Free プランのユーザーも、Monthly Commitment Pool(月次コミットメントプール)を購入することで AI 機能を利用できます。 On-Demand クレジットの価格は $1 / 1 クレジットで、年次コミットメントではボリューム割引が適用されます。
GitLab 18.10 以降(GitLab.com)、GitLab 19.0 以降(Self-Managed)で利用可能です。
Credit の消費順序
通常(Premium / Ultimate プラン)では以下の順で消費されます。
- Included credits(個人に毎月付与されるクレジット)
- Monthly Commitment Pool(個人クレジット消費後に共有プールから)
- On-Demand credits(すべて使い切った後、利用規約に同意している場合)
Free プランには Included credits は付与されません。
そのため Free プランでは、Monthly Commitment Pool → On-Demand credits の順に消費されます。
Free プランでの On-Demand 上限
Free ネームスペースの On-Demand 利用は 月 $25,000 までに制限されています。上限に達すると自動的に停止し、翌月初にリセットされます。
まずは試してみたい場合
AI 機能を試してみたい場合は、Sales チームへの問い合わせで一時的な評価用クレジットをリクエストできます。また、Ultimate トライアルを開始することでも試すことができます。
6. コンピュートミニッツ(CI/CD)
対象:GitLab.com / Free・Premium・Ultimate
CI/CD パイプラインを GitLab.com のインスタンスランナーで実行すると、コンピュートミニッツが消費されます。
Free プランには月 400 分のコンピュートミニッツが含まれています。月次クォータを使い切った場合は、追加のコンピュートミニッツを購入できます。
特徴
- 月次クォータを使い切った後にのみ追加分が使われる
- 使いきれなかった分は翌月に繰り越し可能
- 購入日から 12 ヶ月間有効(期限切れ後の保証なし)
- トライアル中に購入した分はトライアル終了後も有効
- プランを変更しても購入済みの分は引き続き利用可能
- 追加購入の価格:$10 / 1,000 分(買い切り)
追加コンピュートミニッツの購入方法(グループ)
- GitLab.com にサインイン
- 上部バーから対象グループを選択
- 左サイドバーの「Settings(設定)」→「Usage quotas(使用量クォータ)」を開く
- 「Pipelines」を選択
- 「Buy additional compute minutes(コンピュートミニッツを追加購入)」を選択
まとめ:Free プランから GitLab を好きになろう
| 制限項目 | 上限 | 乗り越え方 |
|---|---|---|
| 1ファイルのプッシュサイズ | 100 MiB | Git LFS を使う |
| プライベートグループのメンバー数 | 5人 | 有料プランへ移行 |
| トップレベルグループ数(2026年1月27日以降作成アカウント) | 3つ | 有料プランへ移行 |
| プロジェクトのストレージ | 10 GiB | 追加ストレージを購入・月$5/10 GiB(シート数不要) |
| CI/CD パイプラインの実行時間 | 月 400 分 | 追加コンピュートミニッツを購入・$10/1,000分(シート数不要) |
| AI 機能(Duo Agent Platform) | Credits 購入が必要 | GitLab Credits を購入・$1/クレジット〜(シート数不要) |
Free プランはあくまでスタート地点です。GitLab を使い始めて、「もっとストレージが欲しい」「CI/CD をもっと回したい」「AI 機能も試してみたい」と感じたときに、メンバー数はそのままで、必要な機能だけ追加購入して開発レベルを上げていけるのが GitLab の良いところです。
まずは Free 版で GitLab を体験して、ぜひ GitLab を好きになってください!
Self-Managed 版を使っているなら、さらにお得な情報があります
GitLab.com(SaaS 版)ではなく、自社サーバーに GitLab をインストールして使っている方には、もうひとつ嬉しい情報があります。
GitLab Self-Managed の EE(Enterprise Edition) を Free プランで使っている場合、「Registration Features Program」 を有効にすることで、通常は有料プランが必要な機能の一部を追加費用なしで使えるようになります。
注意:CE(Community Edition)ユーザーはこのプログラムの対象外です。 Self-Managed を使うなら、ぜひ EE に切り替えることをおすすめします。ライセンスなしの EE は機能的に CE とほぼ差がなく、切り替えのデメリットはありません。
Advanced Search・Group Webhooks・DevOps Adoption・Group Wikis など、チームの生産性を上げる機能が一気に解放されます。設定は数分で完了し、費用は一切かかりません。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
無料ユーザも使えます!GitLab Self-Managed EEで有料機能を無料で使い倒す「Registration Features Program」完全ガイド
Free 版からはじめて、GitLab をどんどん好きになっていきましょう!