【無料ユーザーも使えます!】GitLab 17.11で強化されたWeb IDE/Workspacesの拡張機能マーケットプレイスを使いこなそう
GitLabには本当に多機能で、フリープランでも十分に開発体験を向上させられる仕組みがたくさんあります。今回は GitLab 17.11(2025年4月17日リリース)で発表された新機能の中から、フリーユーザーにも関係が深い「Web IDE/Workspacesの拡張機能マーケットプレイス」について紹介します。
有償プラン限定の機能が多いGitLabですが、この機能は Free / Premium / Ultimate のすべてのプランで利用可能です。「GitLabは無料だと機能が少なくて…」と思っている方にこそ知ってほしい内容です。
そもそもWeb IDE/Workspacesって何?
GitLabのWeb IDEは、ブラウザ上で動くコードエディタです。ローカルにエディタをインストールしなくても、GitLab上でファイルの編集やコミット、ブランチの切り替えなどができます。ちょっとした修正をするときや、外出先からPCを借りて作業するときなどに便利な機能です。
なお、GitLabには「Workspaces」というクラウド上の開発環境の仕組みもあります。これはコンテナ上に用意されたフル機能の開発環境で、Web IDEよりも本格的な開発作業を想定したものです。今回紹介する拡張機能マーケットプレイスは、Web IDEだけでなくこのWorkspacesでも利用できる仕組みになっています。
17.11のアップデート内容
GitLab 17.11で、Web IDEとWorkspacesの「拡張機能マーケットプレイス」が、セルフマネージド環境(自分でサーバーを立ててGitLabを運用している環境)向けに正式リリースされました。GitLab.com(SaaS版)ではすでにこの拡張機能マーケットプレイスの仕組みが使えていましたが、17.11によって、セルフマネージド環境の管理者も自分たちのインスタンスでこの機能を有効化できるようになった、というアップデートです。
拡張機能マーケットプレイスを使うと、サードパーティ製の拡張機能を検索してインストールし、Web IDEやWorkspacesの開発体験を自分好みに強化できます。VS Codeを使っている方であれば、あの拡張機能のエコシステムがブラウザ上のWeb IDEやWorkspacesでも使えるようになる、というイメージを持つとわかりやすいと思います。
デフォルトでは、GitLabのインスタンスは Open VSX という拡張機能レジストリを使う設定になっています。特別な準備をしなくても、まずはこのデフォルト設定で有効化するだけで拡張機能マーケットプレイスが使えるようになります。もちろん、社内ポリシーなどの事情で独自のレジストリを使いたい場合は、カスタムの拡張機能レジストリに接続することも可能です。
有効化までの流れ(管理者向け)
セルフマネージド環境で拡張機能マーケットプレイスを使うには、まず管理者による有効化が必要です。大まかな流れは次のとおりです。
- 管理者権限を持つアカウントでログインする
- 画面右上の「Admin」を選択する
- 左サイドバーから「Settings」→「General」を選択する
- 「VS Code Extension Marketplace」のセクションを展開する
- 「Enable Extension Marketplace」のトグルをオンにする
これでインスタンス全体に対して拡張機能マーケットプレイスが有効になります。デフォルトのままであればOpen VSXレジストリが利用され、追加の設定なしで拡張機能を使い始められます。
独自のレジストリを使いたい場合は、同じ設定画面内の「Extension registry settings」を展開し、「Use Open VSX extension registry」のトグルをオフにしてから、利用したいレジストリのService URL・Item URL・Resource URL Templateをそれぞれ入力して保存します。なお、レジストリを変更しても、既に開いているWeb IDEやWorkspaceのセッションはリフレッシュされるまで元のレジストリを使い続ける点、そして各ユーザーは新しいレジストリと連携する設定を個別に行う必要がある点には注意してください。
ユーザー側でやること
管理者がインスタンス全体で有効化したあとも、実際に拡張機能マーケットプレイスを使うには、ユーザー自身が個人の設定(Preferences)の中のIntegrationsセクションで、マーケットプレイスの利用を許可する設定をオンにする必要があります。管理者が有効化してくれていても、自分の設定がオフのままだと使えないので、うまく動かないときはまずここを確認してみてください。
気をつけたいポイント
- 拡張機能の中には、ローカルのランタイム環境を必要とするものがあり、そうした拡張機能はブラウザだけで動くWeb IDE専用の環境には対応していません。とはいえ、選べる拡張機能は数千種類にもおよぶため、多くのユースケースでは十分に恩恵を受けられるはずです。
- ブラウザから
*.cdn.web-ide.gitlab-static.netというアセットホストにアクセスできる必要があります。これは、拡張機能をあなたのGitLabアカウントから隔離された環境で動作させ、悪意のあるコードがアカウント情報にアクセスできないようにするための安全対策です。社内ネットワークで通信制限がある場合は、ネットワーク管理者にこのホストへのアクセスを確認してもらうとよいでしょう。
まとめ
GitLabのフリープランは「機能が少ない」と思われがちですが、今回紹介したWeb IDE/Workspacesの拡張機能マーケットプレイスのように、無料でも十分に使い応えのある機能が用意されています。特にセルフマネージドで運用している方にとっては、これまでGitLab.com限定だった体験が手元の環境でも味わえるようになった、という点で見逃せないアップデートです。
まずは管理者の方に有効化をお願いしてみて、自分のPreferences設定も忘れずにオンにしてみてください。ちょっとした設定変更で、GitLabのWeb IDEやWorkspacesがぐっと使いやすくなるはずです。せっかく無料で使えるGitLabですから、ぜひこうした機能も積極的に使いこなしていきましょう。
参考: GitLab 17.11 リリースノート(https://about.gitlab.com/ja-jp/blog/gitlab-17-11-release/) 、GitLab公式ドキュメント「Configure VS Code Extension Marketplace」