11
6

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【キャリア戦略】技術広報とコミュニティ支援を経て起業。THE BIGLE CEO佐藤祥子氏に聞く、キャリアを飛躍させる「発信」5つのステップ【GIFTech Cross-Talk vol.3 ゲスト:佐藤祥子】

Last updated at Posted at 2025-09-29

Qiita用.png

🔑 この記事で得られること

「自分の市場価値は今後も上がり続けるだろうか?」多くのエンジニアが抱えるこの漠然とした不安に対し、明確な答えを持つ専門家は少ない。

本記事では、フロントエンドエンジニアからキャリアをスタートし、LINE(現・LINEヤフー株式会社)で技術広報を経験。並行してGoogle Developer Group TokyoやWTM Tokyo、OutSystemsの技術コミュニティ運営にも携わり、現在は技術広報・技術コミュニティ・技術カンファレンスの支援を手がける佐藤祥子氏との対談から、変化の激しい時代でもエンジニアが自身の価値を高め続けるために不可欠な「5つのステップ」を抽出・解説する。

この記事を読めば、あなたの明日からの行動を変える具体的な指針が得られるだろう。

対談者プロフィール

NZ8_6468 1.png

佐藤 祥子

THE BIGLE株式会社 代表取締役CEO。ベンチャー企業でフロントエンドエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、LINE(現・LINEヤフー株式会社)にて技術広報や技術カンファレンスの運営に従事し、2024年3月にDeveloper Relationsのサポート事業(技術広報・技術コミュニティ・技術カンファレンスの支援)を行うTHE BIGLE社を設立。Google Developer Group Tokyo・WTM Tokyoのオーガナイザー、OutSystemsのコミュニティマネージャーなども務める。

NZ8_6468 2.png

佐藤 貴子

株式会社レアゾン・ホールディングス GIFTech エンジニア。1年前、まさに「このままでいいのか?」と悩んでいたが、コミュニティと「発信」を始めたことでキャリアが動き出した一人。現在は、伝統工芸の職人と共創するプロジェクトで開発リーダーを務める。

キャリアを飛躍させる5つのステップ

STEP1|孤独から抜け出すために、まずコミュニティに触れてみる

最初のステップは、孤独から抜け出すことです。キャリアの停滞感は、多くの場合、閉じた環境で一人で悩み続けることから生まれます。

佐藤(貴):
本日はありがとうございます!祥子さんのエンジニアから技術広報等を経て起業されるまでのキャリアに、多くの方が勇気をもらえると思います。その大きな「転換点」は、コミュニティへの参加だったと伺いました。
佐藤(祥):
はい。ベンチャー企業でエンジニアをしていた頃、誰にも質問できず、一人で苦しみながら開発していた時期がありました。その時、先輩にPHPのコミュニティへ連れて行ってもらったのが私の転換点です。自分と同じように悩み、でも楽しそうに技術の話をする社外のエンジニアたちと出会い、『自分の世界はここだけじゃないんだ』と視野が大きく広がりました。
佐藤(貴):
私も1年前までは、社外に相談できる相手がいませんでした。でも、GIFTechの活動を通じて初めてコミュニティに触れ、自分の悩みが特別なものではないと知れただけで、すごく気持ちが楽になったのを覚えています。
佐藤(祥):
まさにそれです。自分の会社の中だけが世界のすべてじゃないと知るだけで、気持ちが楽になりますよね。それに、多様なキャリアパスに触れることで『エンジニアとしての正解は一つじゃない』と気づける。その気づきこそが、次の一歩を踏み出すための最大の力になるんです。

STEP2|仲間を作るために、「スタッフ」として参加する

とは言え、いきなりコミュニティに飛び込んで輪に入るのは難しいもの。私も最初は懇親会が苦手で、話せずに帰ってしまうこともありました。
佐藤(祥):
もし仲間が欲しければ、カンファレンスにいきなり一人で参加するのではなく、『スタッフ』として関わるのが一番です。役割があれば、自然と人と話せますから。孤独を感じる暇もありません。
佐藤(貴):
これは私も強く共感します。役割を持つことで、受け身の「参加者」から主体的な「当事者」になることができ、そこから自然なコミュニケーションが生まれるんですよね。
佐藤(祥):
ええ。それに、運営側になることでカンファレンスがどう作られているかという裏側も見えて、それ自体が大きな学びになりますよ。

STEP3|成長を加速させるために、「発信」を始める

コミュニティで得た気づきを本当の力に変える鍵、それが「発信(アウトプット)」です。
佐藤(祥):
アウトプットすることでインプットの質も量も格段に上がります。自分の知識を整理できるし、他者からのフィードバックも得られる。私がキャリアを通じて見てきた中で、輝き続けるエンジニアは皆、このサイクルを高速で回していますね。
佐藤(貴):
この1年で初めて社外での発信を経験して、まさにそれを実感しています。自分の考えを記事にする過程で理解が深まりますし、いただいたコメントから新しい視点を得ることもあります。
佐藤(祥):
素晴らしいですね。その「伝えることで、自分が一番成長させてもらっている」という感覚こそ、発信を続ける上での最大のモチベーションになります。ただ、私が発信する上で一つだけ決めているのは、「自分が深くコミットメントしたものだけを語る」ということです。浅い知識で語っても、誰の心にも響きませんから。

STEP4|熱源になるために、身近な「やりたい」を支援する

個人の「発信」は、やがて組織全体を動かす力になります。
佐藤(貴):
祥子さんは、企業の内部からカルチャーを醸成する活動もされていますが、大きな組織だと全員の熱量を高く保つのは難しいと感じます。
佐藤(祥):
大きな会社でも、熱量が高いのは一部のエンジニアだけということが多いんです。私の仕事は、その熱量を社内外に広げていくための火付け役ですね。熱量のある人を見つけたら、まず『何がやりたいか』を丁寧にヒアリングし、彼らが輝けるように全力でサポートするんです。
佐藤(貴):
これはGIFTechが目指す『才能が開花する環境』そのものだと感じます。「みんなでやろう」と大きな声を出すのではなく、一人ひとりの「やってみたい」という小さな炎を見つけて、それを大きくしていく。そのサポート役に徹することが、結果的にチーム全体の熱量を高めるんですね。
佐藤(祥):
その通りです。業務では叶えられない理想を実現するための「セカンドプレイス」をコミュニティに求める人もいます。そういう場があることが、エンジニアのキャリアをより豊かにします。大切なのは、トップダウンで何かを強制するのではなく、ボトムアップで生まれた熱意を組織が拾い上げ、支援する文化を作ること。貴子さんのような方がその『火付け役』になることが、組織を本当に変えていくんです。

STEP5|視座を高めるために、「越境経験」に飛び込む

最後のステップは、普段の業務領域を越えた経験に挑戦することです。
佐藤(貴):
まさにその「越境経験」の実践として、私たちが今最も力を入れているのが伝統工芸プロジェクトです。魂と技術を持つ職人さんが『次に何を作れば世界で売れるのか分からない』という切実な課題を抱えています。私たちはその課題を、AIエージェントで解決しようとしています。
佐藤(祥):
それはめちゃくちゃ面白い、価値のある取り組みですね。日本の伝統工芸は、海外で戦える数少ない独自の強みです。ただ、おっしゃる通り、職人さんは『作ること』には特化しているけれど、『売ること』は専門外。そのギャップをテクノロジーで埋めるという発想は素晴らしいと思います。
佐藤(貴):
ありがとうございます。ただ、実際にプロジェクトを進める中で、祥子さんがおっしゃるように「熱量」や「自分ごと化」が重要だと改めて感じています。
佐藤(祥):
ええ、「課題を自分にとって身近に感じさせる」ことが何よりも重要です。エンジニアが技術力だけでプロダクトを作る時代は終わりました。何を解決したいのか、そのために技術をどう使うのか。その順番が大切です。
佐藤(貴):
私がリーダーを務めるこのプロジェクトでは、まさにそれを目の当たりにしています。エンジニアもデザイナーも、全員が職人さんとのヒアリングに直接参加するんです。そこで職人さんの情熱や「良いものを作っても、次に繋がらない」というリアルな悩みに触れることで、メンバーの目の色が変わるんです。「この人のために」と自分ごととして課題に取り組む姿は、ただ仕様書通りに開発していた頃とは比べものにならない熱量です。
佐藤(祥):
エンジニアが直接ですか!それは最高の学びの場ですね。クライアントの声を直接聞く機会は本当に貴重です。一方で、私がこのプロジェクトで最も重要だと感じるのは、そのバランス感覚です。
佐藤(貴):
バランス、ですか?
佐藤(祥):
はい。テクノロジーが職人さんの感性を『侵食』しすぎないように、昔ながらの良さを尊重し、調和させることが何より重要です。私自身も、AIに思考が乗っ取られないように、意識的にゴルフをしたり自然に触れたりして、フィジカルな感覚を大切にしているんです。AIがどれだけ進化しても、その最後の匙加減は人間の感性に宿る。その部分をリスペクトできるかどうかが、プロジェクトの成否を分けると思います。
佐藤(貴):
「侵食しない」という視点は、私たちも最も大切にしている部分です。だからこそAIはあくまで職人さんの「手足」であり、最終的な意思決定は必ず職人さんが行います。祥子さんのお話を聞いて、私たちの進む道が間違っていないと確信できました。
佐藤(祥):
その経験は間違いなく、貴子さんやチームメンバーの皆さんを唯一無二のエンジニアにしますよ。技術だけでは解決できない課題に触れること、それこそが本質的な問題解決能力を鍛える最高の訓練ですから。

NZ8_6468 3.png

あなたの「転換点」は、次の一歩から始まる

祥子さんとの対話を通じて、キャリアの停滞を打ち破る鍵は、いつも「伝える」という小さな一歩から始まるのだと確信しました。
本記事で解説した「キャリアを飛躍させる5つのステップ」は、祥子さんの豊富な経験に裏打ちされた、普遍的かつ実践的な戦略です。

孤独から抜け出す、まずは技術コミュニティに触れてみる

  • 仲間を作る: カンファレンス等に「スタッフ」として参加する
  • 発信を始める: ブログでもGitHubでも、得意な形でアウトプットする
  • 熱源になる: 身近な「やりたい」という想いを支援する
  • 越境する: 普段の業務領域を越え、異分野の課題に飛び込む

まずは明日、この中の一つでも意識して行動に移すことが、あなたの市場価値を高める第一歩となるでしょう。
あなたが自身のキャリアで最も大切にしていることは何ですか?ぜひコメント欄で教えてください。

私たちの挑戦の裏側は、今後ドキュメンタリー映像として公開予定です。ぜひ、GIFTechのXアカウント(@GifTech_ch)をフォローして、私たちの冒険の続きを見守ってください。

11
6
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
11
6

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?