はじめに
2020年5月26日、「MRTKExamplesHub」 の Microsoft Store での提供が開始となりました!
「MRTKExamplesHub」 は元々、GitHub上で公開されているMRTKの一部 ( MRTKに含まれているサンプルシーンを一度に試せる検証用アプリ ) として位置づけられており、GitHub からアプリケーションファイルをクローンし、端末にインストールすることで使用することができました。( 当時の内容については、こちらの記事をご覧ください。 )
MRTK Examples Hub より画像引用
今回のアップデートでは、誰でも気軽に Microsoft Store からインストールできるようになったので、非エンジニアの方でも手軽にMRTKのサンプルシーンを試せるようになったのではないかと思います。個人的には、来月7月に予定されている一般消費者向けの Microsoft HoloLens 2 の発売も開始 ( Microsoft Build 2020 で発表 ) に向けたリリースだと推測しています。という訳で、今回は一足先に「MRTKExamplesHub」のインストール手順、試せるサンプルシーンの内容についてご紹介したいと思います。
MRTK とは!?
そもそも MRTK ( Mixed Reality Toolkit for Unity ) とはという方に向けて、簡単にMRTKのご紹介をしたいと思います。

MRTK とは、米・Microsoft 社が主導するオープンソースプロジェクトの1つです。
このプロジェクトでは、クロスプラットフォーム向けのMRアプリケーション開発を加速させるUXコンポーネントや各種機能、そしてMRアプリケーション開発に役立つツール群などが提供されています。また、HoloLens や Windows Mixed Reality ヘッドセット、そして OpenVR ヘッドセット ( HTC Vive / Oculus Rift ) など、MS以外のxRプラットフォームにも対応しており、誰もが手軽にプロトタイプを行える Building Block ( UXコンポーネントやスクリプト ) など様々な機能を試すことができます。
MRTKExamplesHubとは、このMRTKに含まれているUXコンポーネントや機能を手軽に、より実践的なカタチで試すために作られた複数のサンプルシーンをまとめたアプリケーションとなります。
Microsoft Store 版 MRTKExampleHub で試せること
MRTKExamplesHub では、MRTKに含まれている14種類のサンプルシーンを試すことができます。
ずらっとリストにして並べてみましたが、数が多いですね。これだけだとどんな内容が試せるのか分かりづらいので、1つずつ動画を撮影してみました。初めて HoloLens 2 を試される方のご参考になれば幸いです。
- Hand Interaction Examples
- Clipping Examples
- Tooltip Examples
- MRTK Standard Shader Gallery
- Bounding Box Examples
- Button Examples
- Hand Menu Examples
- Near Menu Examples
- Slate Examples
- Slider Examples
- Eye Tracking Target Selection
- Eye Tracking Navigation
- Eye Tracking Target Positioning
- Eye Tracking Heat Map
Twitter で1つずつ動画を挙げて紹介したので、Qiita ではそれらをまとめたいと思います。
MRTK Examples Hub
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
Microsoft Store 版が公開されたので、
復習も兼ねてサンプルシーンを
1つずつ解説したいと思います🎉
このアプリではMRTKに含まれている
14種類のサンプルシーンを
手軽に試すことができます!
Microsoft ストア (URL)https://t.co/o9yussCTcl pic.twitter.com/AkN49ir8wo
1. Hand Interaction Examples
1.Hand Interaction Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
MRTK内で提供されている
さまざまなハンドインタラクション
ピアノやスライダー、キーボード etc..
を一気に試すことができます。
HoloLens 2 を手に入れたら、
真っ先に試したいシーンの1つ😎#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/yonkTKbPse
2. Clipping Examples
2.Clipping Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
Clipping Shader を使って、
CGオブジェクトを輪切りにし、
内部構造を確認できるサンプル
サンプルでは臓器(心臓)の内部を
確認することができます!#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/Tzg3OE5sRP
3. Tooltip Examples
3.Tooltip Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
Tooltip はオブジェクトに対して
補足説明をする際に使える
UXコンポーネント
表示のタイミングやユーザー追従など、
細かなカスタマイズが可能!
(背景が青色の説明部分)#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/jfPgwVsTIj
4. MRTK Standard Shader Gallery
4.MRTK Standard Shader Gallery
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
MRデバイス向けに最適化(軽量化)
されたシェーダー(描画スクリプト)
を試せるサンプルシーン
→ 公式ドキュメント(GitHub)https://t.co/tAyX6XnBUA#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/QZrU1jaFeC
5. Bounding Box Examples
5.Bouding Box Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
オブジェクトとの境界面を表す
Bounding Box (7種類)
回転軸の固定、境界面の種類、
アクティベーションのトリガーなど、
用途に応じた使い分けが必要。#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/32CRC3gHFW
6. Button Examples
6.Button Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
MRTKに含まれている
Button Prefab たち
MRTK v2.4 で追加された
Radio/Switch/Checkbox も
試すことができます!#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/wKoiFRhWvf
7. Hand Menu Examples
7.Hand Menu Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
手を裏返すとメニューを表示
MRTK v2.4 アップデート
・Gaze Activation
視線が手を向いてる時のみ有効化
・新しいハンドメニュー2種類
(1) つまみ操作で固定
(2) 手を下げた場所で固定
追加されていました🎉#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/g3Di1SZvyY
8. Near Menu Examples
8.Near Menu Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
近距離向けのメニュープレハブ#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/MkEznLVpNk
9. Slate Examples
9.Slate Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
2D画面のスクロール設定を
検証できるサンプルシーン
拡大やスクロール時の軸を
固定することもできる。#MRTK #HoloLens2 #MRTKExamplesHub pic.twitter.com/Sh2LgO3pwj
10. Slider Examples
10.Slider Examples
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
スライダー活用サンプル2種類
(1) RGB変更
(2) オブジェクト状態遷移
操作した時の音が気持ち良い✨#MRTK #HoloLens2 #MRTKExamplesHub pic.twitter.com/XX670BO0sC
11. Eye Tracking Target Selection
11.Eye Tracking Target Selection
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
アイトラッキングでオブジェクト選択
Eye Gaze != Head Gaze
使用場面によっては、誤操作や
ユーザー負荷が高まるので注意!
→ ガイドライン📄https://t.co/kWH7bk8jbl#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/XgPYWOq3c8
12. Eye Tracking Navigation
12.Eye Tracking Navigation
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
アイトラッキングを使って
オブジェクトを操作するサンプル
(1)CGオブジェクトの回転、選択
(2)2Dコンテンツのスクロール etc..#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/2r2N1ZQwL3
13. Eye Tracking Target Positioning
13.Eye Tracking Target Positioning
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
オブジェクトへのポインター移動、
選択後のオブジェクト位置を
アイトラッキングで操作可能!
頭で分かっていても
ついつい手を動かしてしまう...#MRTK #HoloLens2 #MRTKExamplesHub pic.twitter.com/YfTk60QWEM
14. Eye Tracking Heat Map
14.Eye Tracking Heat Map
— Futo Horio (@Futo_Horio) June 11, 2020
アイトラッキングデータを
ヒートマップとして可視化できる🎉
(1)リアルタイムでの可視化
(2)リプレイでの可視化
リプレイ機能凄い!
デジタルツイン実現できそう✨#MRTK #HoloLens2#MRTKExamplesHub pic.twitter.com/QAtXUvj4jW
MRTKExamplesHub インストール方法について
1. HoloLens 上で ホームメニュー を開き、Microsoft Store アプリを起動します。

2. 検索バーに「MRTK」と入力し、サジェストの「MRTK Example Hub」を選択します。

3. 「MRTK Examples Hub」ページへ移動したら、「入手」ボタンを押下します。

これでインストールが開始するので、処理を行っている間少し待ちましょう。
4. アプリのインストールが完了すると、「起動」ボタンが表示されます。

以上にて、アプリケーションのインストール作業は完了です。
Windows 10 PC と同じ手順なので、分かりやすいですね!
最後に
Microsoft HoloLens 2 を手にされた方のお役に少しでも立てれば幸いです。2017年頃に HoloLens の開発を始めた当初は、他の方の開発メモや技術ブログに救われたので、これから Microsoft HoloLens 2 の開発や運用を考えられている方のお役に立てれば幸いです。質問等あれば、お気軽にコメントください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。