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Chrome 拡張機能を作って公開しよう⑥ 〜コンテキストメニューを作る〜

Last updated at Posted at 2021-08-09

この記事は、先日ブログに投稿したものと同じ内容です。ぜひ、ブログの方もご覧ください。


1回15分で拡張機能を作るシリーズ、第6弾!

拡張機能も完成に近づいてきました!今回は、更に利便性を向上させるため、コンテキストメニュー(右クリックで開けるメニュー)からも拡張機能を起動できるようにします。

background.js の作成

開発用フォルダの一番上の階層に、background.js を作成してください。

これは、バックグラウンドで動く JavaScript ファイルで、ここからコンテキストメニューを作成することができます。

また、これを使用するにあたって、manifest.json の変更が必要になります。

manifest.json の書き換え

manifest.jsonpermissions を以下のように書き換えてください。

manifest.json
"permissions": ["activeTab","scripting","contextMenus"],

scripting は、background.js が、表示しているページに対してスクリプトを実行するために必要な権限です。通常、background.js は DOM にアクセスできないのですが、この権限を追加することにより、多少不便ではありますが、DOM にアクセスすることが可能になります。

contextMenus は、コンテキストメニューを使用するために必要な権限です。

また、以下の内容を追記してください。background.js を使用することを明示します。

manifest.json
"background": {
  "service_worker": "background.js"
}

全体で以下のようになります。

manifest.json
{
  "name": "タイトルとURLをコピー",
  "description": "ページのタイトルとURLを簡単にコピーできます。",
  "version": "1.0",
  "manifest_version": 3,
  "icons": {
    "16": "icon_16x16.png",
    "48": "icon_48x48.png",
    "128": "icon_128x128.png"
  },
  "permissions": ["activeTab","scripting","contextMenus"],
  "action": {
    "default_title": "タイトルとURLをコピー",
    "default_icon": "icon_48x48.png",
    "default_popup": "popup.html"
  },
  "background": {
    "service_worker": "background.js"
  }
}

コンテキストメニューの作成

background.js に以下の内容を記述してください。

background.js
/* コンテキストメニューを作成 */
const parent = chrome.contextMenus.create({
  id: "share",
  title: "ページを共有",
  contexts: ["all"],
});

ここまでできたら、コードを保存して、chrome://extensions を開き、更新ボタンをクリックしてください。

※以下、この操作を「拡張機能を更新する」と表現します。

更新

下の画像のように、コンテキストメニューに「ページを共有」という項目が現れたでしょうか。

コンテキストメニュー

もしも現れない場合は、

  • chrome://extensions の更新ボタンを押したか
  • 書いたプログラムを保存したか
  • manifest.json の記述は正しいか

を確認してみてください。

コードの解説

chrome.contextMenus.create でコンテキストメニューを作成することができます。また、この時にコンテキストメニューの設定をオブジェクト形式で行います。

項目 説明
id 後で参照する時に用いる ID
title コンテキストメニューに表示する文字列
contexts どこを右クリックした際のコンテキストメニューに追加するか。
詳細情報

子コンテキストメニューを作成する

それでは、コンテキストメニューの一つ下の階層を作っていきましょう。

やり方は簡単。先程のコードに parentId プロパティを追加して、親コンテキストメニューを指定するだけです。

以下のコードを追加してください。

background.js
chrome.contextMenus.create({
  parentId: parent,
  id: "title",
  title: "ページタイトルをコピー",
  contexts: ["all"],
});
chrome.contextMenus.create({
  parentId: parent,
  id: "URL",
  title: "URL をコピー",
  contexts: ["all"],
});
chrome.contextMenus.create({
  parentId: parent,
  id: "both",
  title: "ページタイトルと URL をコピー",
  contexts: ["all"],
});
chrome.contextMenus.create({
  parentId: parent,
  id: "FB",
  title: "Facebook でシェア",
  contexts: ["all"],
});
chrome.contextMenus.create({
  parentId: parent,
  id: "tweet",
  title: "ツイート",
  contexts: ["all"],
});
chrome.contextMenus.create({
  parentId: parent,
  id: "LINE",
  title: "LINE で送る",
  contexts: ["all"],
});

インストール・更新時にのみ実行する

(2021/08/28追記) インストール・更新時にのみ実行するようにしないとエラーが発生し、動作しなくなることが判明したため、このセクションを追加しました。記述するべきコードが抜けてしまっていたことをお詫び申し上げます。

コンテキストメニューを作成する処理を何度も行ってしまうと、エラーを引き起こすため、拡張機能をインストール / 更新したときのみ実行されるようにします。

background.js を以下のように変更してください。

chrome.runtime.onInstalled.addListener(function (details) {
    /* コンテキストメニューを作成 */
    const parent = chrome.contextMenus.create({
      id: "share",
      title: "ページを共有",
      contexts: ["all"],
    });
    
    // (中略)
});

ここまでできたら、拡張機能を更新してください。

下の画像のようなコンテキストメニューになったでしょうか。

階層化したコンテキストメニュー

動作をつける

background.js に以下のコードを追加してください。

background.js
/* コンテキストメニューがクリックされた時の処理 */
chrome.contextMenus.onClicked.addListener((info, tab) => {
  switch (info.menuItemId) {
    case "title":
      chrome.scripting.executeScript({
        target: { tabId: tab.id },
        function: title,
      });
      break;

    case "URL":
      chrome.scripting.executeScript({
        target: { tabId: tab.id },
        function: URL,
      });
      break;

    case "both":
      chrome.scripting.executeScript({
        target: { tabId: tab.id },
        function: both,
      });
      break;

    case "FB":
      chrome.scripting.executeScript({
        target: { tabId: tab.id },
        function: FB,
      });
      break;

    case "tweet":
      chrome.scripting.executeScript({
        target: { tabId: tab.id },
        function: tweet,
      });
      break;

    case "LINE":
      chrome.scripting.executeScript({
        target: { tabId: tab.id },
        function: LINE,
      });
      break;
  }
});
function title() {
  const element = document.createElement("textarea");
  element.value = document.title;
  document.body.append(element);
  element.select();
  document.execCommand("copy");
  element.remove();
}

function URL() {
  const element = document.createElement("textarea");
  element.value = location.href;
  document.body.append(element);
  element.select();
  document.execCommand("copy");
  element.remove();
}

function both() {
  const element = document.createElement("textarea");
  element.value = document.title + "\n" + location.href;
  document.body.append(element);
  element.select();
  document.execCommand("copy");
  element.remove();
}

function FB() {
  window.open(
    "https://www.facebook.com/share.php?u=" + encodeURIComponent(location.href),
    "tweetwindow",
    "width=650, height=470, personalbar=0, toolbar=0, scrollbars=1, sizable=1"
  );
}
function tweet() {
  window.open(
    "https://twitter.com/intent/tweet?text=" +
      encodeURIComponent(document.title) +
      "%0a&url=" +
      encodeURIComponent(location.href),
    "tweetwindow",
    "width=650, height=470, personalbar=0, toolbar=0, scrollbars=1, sizable=1"
  );
}
function LINE() {
  window.open(
    "https://social-plugins.line.me/lineit/share?url=" +
      encodeURIComponent(location.href),
    "tweetwindow",
    "width=650, height=470, personalbar=0, toolbar=0, scrollbars=1, sizable=1"
  );
}

コードの解説

chrome.contextMenus.onClicked.addListener((info, tab) => {}) で、コンテキストメニューがクリックされた際の処理を指定できます。

引数の info にクリックされたコンテキストメニューの情報が、tab に現在のタブの情報が格納されています。

info.menuItemId に、先程コンテキストメニューを作成した際に指定した ID が格納されているので、それで処理を分けます。

switch 文は if ... else if ... else if ... else ... と同じような処理が簡単に行える文です。
詳細情報

chrome.scripting.executeScript で、指定したタブに指定した JavaScript のコードを挿入できます。

これを用いることで、background.js から DOM を操作することができます。

タブを指定する際にはタブの ID を用いるのですが、これは chrome.contextMenus.onClicked.addListener((info, tab) => {}) の引数 tab 内に格納されているため、tab.id で参照できます。

これが target: { tabId: tab.id } の部分に当たります。

function: で、挿入する JavaScript の関数を指定します。

これで、拡張機能を更新すると、コンテキストメニューからも各種操作が行えるようになります。

まとめ

  • background.js でコンテキストメニューを作成できる。
  • background.js から DOM を操作するには、scripting 権限が必要である。chrome.contextMenus.onClicked.addListener((info, tab) => {}) で JavaScript コードを指定のタブに挿入できる。

今回扱ったコードは こちら から見られます。ぜひ参考にしてみてください。

次回予告

次回はいよいよ、作成した拡張機能を Web ストアに出品していきます。

以下のものが必要になるので、次回までに用意しておいてください。

  • Google アカウント(できれば開発用に新しく作ったほうが良い1)
  • 5ドル(Web ストアに開発者登録をする際に必要)
  • クレジットカードまたはデビットカード 本人確認を済ませた LINE プリペイドカードでも可

お疲れさまでした!




【連載一覧】

  1. 環境構築
  2. ポップアップ作成
  3. 仕様に沿って開発
  4. コピー機能実装
  5. 権限を減らす
  6. コンテキストメニューの作成 (←今ココ)
  7. Webストアに公開
  1. 問い合わせ用のメールアドレスが必要になります。これは公開されるので、本名を隠したい人は匿名の Google アカウントを用意しておいてください。

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