STEPファイルの差分比較、毎回目視でやってませんか
設備設計10年以上やってきて、Inventor、CATIA、SolidWorks、ProE、AutoCAD、一通り触った。
CADは変わっても、ずっと同じことで困ってた。
設変後のSTEP、どこが変わったかわからない。
2次受けに出したSTEPが戻ってくる。「修正しました」とだけ書いてある。
……どこを?
旧版と新版をCADで両方開いて、部品を一個ずつ見比べて、「たぶんここかな」と目視。
部品10個ならまだいい。50個、100個のアセンブリだともう無理。
しかもCADの比較機能ってネイティブ形式同士じゃないと使えなかったりする。STEP同士の比較?対応してないことが多い。
自分で作った
Pythonを少し書けたので、STEPを直接読んで比較するツールを作ってみた。
STEPファイルってBREP(境界表現)形式なので、面・エッジ・頂点の情報を持ってる。
つまり2つのSTEPを読み込んで、部品ごとにバウンディングボックス・体積・面数を比べれば、どこが変わったか特定できるはず — と思って試したら、わりとちゃんと動いた。
解析にはOpenCascadeのPythonラッパー(CadQuery)を使った。
UIはStreamlitで雑に作ったんだけど、ブラウザで動くのでこれで十分だった。
絶対に外せなかった要件
- CADライセンス不要 — 現場のPCにCADが入ってないこともある
- ネット接続なし — 設計データをクラウドに送るのは論外。社外秘ファイルなので
- インストール不要 — ポータブルPython同梱でexeにした。USBで渡せる
製造業で使うツールが「データをクラウドに送ります」は現場で使えない。ここは妥協しなかった。
最初は差分チェックだけのつもりだった
作り始めたら「ついでにこれも」が増えた。
- STEP差分チェック — 変更前後の部品を自動比較。変更・追加・削除をテーブル表示
- 3Dビューア — 部品クリックでハイライト、回転・ズームできる
- DfM警告 — 薄壁・深穴・鋭角を自動検出。加工で困りそうな箇所の事前チェック
- 仕様チェック — STEPの寸法とPDF仕様書の記載を突き合わせ
- CSV/Excel出力 — そのまま設変記録に使える
自分の業務で使ってみて
設変後のデータ確認、目視で30分かかってたのが数秒になった。
「どこ変わったか」をテーブルで見せられるので、レビューの説明も楽。
部品数が多いアセンブリでも漏れがない。
正直、もう目視に戻れない。
公開してます
もともと自分用に作ったけど、同じ悩みの人は絶対多い。
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ダウンロード: ドコカワ v1.0(Windows用・無料)
ダメ出し・改善要望は歓迎。
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