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Railsジェネレーターのconflictで上書きしてしまった件 -大切なコードを失わないために -

Last updated at Posted at 2025-12-10

目次

自己紹介
あれ?さっきまで書いていたコード、どこいった?
conflictとは?
各オプションの意味
ジェネレーター実行時に表示される他のステータス
失敗例
正しい対処法
予防策
まとめ

自己紹介

こんにちは。RUNTEQで未経験からプログラミングを学習中のElu(エリュ)です。

「詰まった部分は自分だけわかるようにしといたらええわ」と思ってましたが、それではうまくまとめられないことに入学後4ヶ月目にして漸く気が付きました。
他の人から見てわかるようにまとめることは必ず自分のためになるはずなので、利己的なのは重々承知ですが未来の自分のために書いていこうと思います。

初学者につき、間違いもあるかと思いますがその際はご指摘いただけますと幸いです。

あれ?さっきまで書いていたコード、どこいった?

Railsのジェネレーターを使って新しいファイルを生成しようとしたとき、こんな経験をしたことはありませんか?

私は開発中、rails generateコマンドを実行したところ、以下のようなメッセージが表示されました。

bash $ rails generate controller Users index conflict app/controllers/users_controller.rb Overwrite /myapp/app/controllers/users_controller.rb? (enter "h" for help) [Ynaqdhm] ​

このとき、conflictの意味を理解せずに何となくEnterキーを押してしまった結果、冒頭の通り書き加えたコードが消え、新たなファイルに上書きされてしまいました。

この記事では、同じような失敗を防ぐために、conflict時に表示される各オプションの意味と、実務での注意点を解説します。

conflictとは?

Railsのジェネレーターは、ファイルを生成する際に既存のファイルとの衝突(conflict)を検出すると、以下のようなメッセージを表示します。

    conflict  app/controllers/users_controller.rb
Overwrite /myapp/app/controllers/users_controller.rb? (enter "h" for help) [Ynaqdhm]

このメッセージが表示されたとき、ユーザーは次のいずれかの操作を選択する必要があります。

各オプションの意味

[Ynaqdhm]の各文字が、それぞれ異なる操作に対応しています。以下の表で詳しく見ていきましょう。

オプション 意味 動作 使用場面
Y (Yes) 上書きする 既存のファイルを削除し、新しいファイルで置き換える 既存のファイルが不要な場合のみ使用
n (no) スキップする 既存のファイルを保持し、新しいファイルは生成しない 既存のファイルを残したい場合(推奨)
a (all) すべて上書き 以降のすべてのconflictで自動的に上書きする ⚠️ 危険:複数ファイルが失われる可能性
q (quit) 中断する ジェネレーターの実行を中止する 判断に迷ったときや、確認が必要な場合
d (diff) 差分を表示 既存ファイルと新規ファイルの違いを表示する 既存の内容を確認してから判断したい場合
h (help) ヘルプ表示 各オプションの説明を表示する 選択肢の意味を確認したい場合
m (merge) マージする 既存ファイルと新規ファイルを統合する 両方の内容を組み合わせたい場合

特に注意すべきオプション

a (all) は非常に危険です。

このオプションを選択すると、以降のすべてのconflictで自動的に上書きが実行されます。つまり、コントローラーだけでなく、関連するビューファイル、テストファイル、ルーティングなど、すべてのファイルが上書きされてしまいます

デフォルトでYが選択されているため、焦って Enter キーを押してしまうと、既存のファイルが上書きされてしまいます。

ジェネレーター実行時に表示される他のステータス

conflict以外にも、ジェネレーター実行時には以下のようなステータスが表示されることがあります。

ステータス 意味 動作
create 新規作成 新しいファイルが生成される
force 強制上書き 確認なしでファイルを上書き
skip スキップ ファイル生成をスキップ
identical 同一 既存ファイルと内容が同じため何もしない
exist 存在確認 ディレクトリが既に存在する

これらのステータスを理解しておくと、ジェネレーターの動作をより正確に把握できます。

失敗例

ここからは、失敗例を作ってみたので紹介します。

シチュエーション:個人開発での誤操作
状況:
個人開発でログイン機能を実装していたとき、UsersControllerに以下のような認証機能を実装していました。

class UsersController < ApplicationController
  before_action :require_login, only: [:edit, :update, :destroy]
  
  def show
    @user = User.find(params[:id])
    @posts = @user.posts.order(created_at: :desc)
  end
  
  def edit
    @user = current_user
  end
  
  def update
    @user = current_user
    if @user.update(user_params)
      redirect_to @user, notice: 'プロフィールを更新しました'
    else
      render :edit, status: :unprocessable_entity
    end
  end
  
  private
  
  def user_params
    params.require(:user).permit(:name, :email, :bio)
  end
  
  def require_login
    redirect_to login_path, alert: 'ログインしてください' unless logged_in?
  end
end

認証機能、エラーハンドリング、リダイレクト処理など実装しました。

ここで誤操作:

別の機能を追加しようと思い、何も考えずに以下のコマンドを実行してしまいました。

$ rails generate controller Users profile settings
すると、以下のメッセージが表示されました。

    conflict  app/controllers/users_controller.rb
Overwrite /myapp/app/controllers/users_controller.rb? (enter "h" for help) [Ynaqdhm]

ここでなにも考えずEnterキーを押してしまいました(大馬鹿)

結果:

# 上書き後のファイル
class UsersController < ApplicationController
  def profile
  end
  
# この部分ゴッソリ元通り😇

  def settings
  end
end

それまで実装していたshow、edit、updateアクション、before_action、プライベートメソッドなど、すべてのコードが消えてしまいました。

幸い、今回はGitでコミットしていたため、以下のコマンドで復旧できました。

$ git checkout HEAD -- app/controllers/users_controller.rb
しかし、もしコミットしていなかったら、すべてを最初から書き直すことになっていました。

正しい対処法

1. 【予防策】 まずd(diff)で差分を確認する

ターミナルにconflictメッセージが表示されたら、焦らずにdを入力して差分を確認しましょう。

conflict  app/controllers/users_controller.rb
Overwrite? (enter "h" for help) [Ynaqdhm] d

これにより、既存のファイルと新しく生成されるファイルの違いが表示されます。

- def show
-   @user = User.find(params[:id])
-   @posts = @user.posts.order(created_at: :desc)
- end
-
- def edit
-   @user = current_user
- end

+ def profile
+ end
+
+ def settings
+ end

この差分を見て、既存のコードが重要だと判断したら、nを選択してスキップしましょう。

Overwrite? (enter "h" for help) [Ynaqdhm] n
      skip  app/controllers/users_controller.rb

2. 【復旧手段】 もし誤って上書きしてしまった場合の復旧方法

⚠️ 注意:この方法が使えるのは、事前にGitでコミットしていた場合のみです。

もし焦ってYを押してしまい、既存のファイルを上書きしてしまった場合は、Gitから復元できます。

直前のコミットに戻す場合

bash $ git checkout HEAD -- app/controllers/users_controller.rb ​

このコマンドで、最後にコミットした時点の状態に戻すことができます。

特定のコミットから復元する場合
# コミット履歴を確認
$ git log --oneline

# 特定のコミットから復元
$ git checkout <コミットハッシュ> -- app/controllers/users_controller.rb

⚠️ 注意:この方法が使えるのは、事前にGitでコミットしていた場合のみです。
コミットしていない変更は復元できないため、こまめなコミットが重要です。

3.チームプロジェクトならメンバーに報告

影響範囲を共有
復旧作業を協力して行う

予防策:

作業前に必ず最新のmainブランチをpull

$ git checkout main
$ git pull origin main
$ git checkout -b feature/add-user-actions

Gitのブランチ運用ルールを徹底

  • 機能追加は必ず新しいブランチで行う
  • main/masterブランチで直接作業しない
  • ジェネレーター実行前に状態確認
$ git status
$ ls -la app/controllers/users_controller.rb

重要なファイルを触る前にコミット

$ git add .
$ git commit -m "WIP: 作業前の状態を保存"

.gitignoreの確認

意図しないファイルがコミットされていないか確認

チーム内でのコミュニケーション

  • 同じファイルを複数人が編集する場合は事前に相談
  • Slackなどで「○○のファイルを編集します」と宣言

まとめ

この記事では、Railsのrails generateコマンドでconflictが発生した際の対処法について解説しました。

この記事のポイント

conflictが出たら焦らずdで差分確認

  • Enterを押す前に、必ず既存ファイルとの違いを確認しましょう

迷ったらn(スキップ)またはq(中断)

  • 既存のコードを守ることを最優先に

a(all)は絶対に選ばない

  • すべてのファイルが上書きされる危険があります

こまめなGitコミットが最強の保険

  • 誤って上書きしても、コミットしていれば復旧できます

最後に

私自身、この失敗を経験して「conflictメッセージの意味を理解することの重要性」を痛感しました。

最初は「エラーが出た = 何か間違っている」と焦ってしまいがちですが、conflictはエラーではなく、Railsからの親切な確認メッセージです。

この記事が、同じような失敗を防ぐ一助になれば幸いです。

また、実務ではジェネレーターをあまり使わず、必要なファイルを手動で作成することが多いようです。
学習段階では便利なジェネレーターですが、徐々に手動での実装にも慣れていきたいですね。


参考リンク

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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