はじめに
電子工作で電源を選択するとき、USB-PDを使用する人もいるだろう。USB-PDでは部品点数が多くなるという欠点がある一方、大きな電力を取り出せることが魅力である。
本記事はUSB PDシンクコントローラとしてCH22xシリーズを使う際に気を付けるべき点を簡単にまとめた。CH22xシリーズの使用を検討している人はぜひ参考にしてほしい。
CH221Kの良いところ&仕様
CH221Kは秋月電子で入手可能なUSB-PDシンクコントローラである
他シリーズ(CH224Kなど)と異なりCFGピンにつなぐ抵抗値の値で要求する電圧(電力)を変換するため、基本的に電圧は固定であり、CH224Kのように電気的に電圧を変更することは難しい。
しかしながら、
1. Exposed Padが無いため手はんだ可能
2. DATAピンを必要としないため、USB端子は6ピンのものが使用可能(=手はんだのハードルが低い)
3. ICが小さいので小型化に貢献
というメリットがある。
仕様はいろいろあるのだが、本記事に関わる内容は以下のよう
| ピン名 | 説明 | Min | Max | 単位 |
|---|---|---|---|---|
| VDD | 供給電圧 | -0.5 | 5.8 | V |
| Resistance on CFG to VDD | Request-voltage |
|---|---|
| 10kΩ | 5V |
| 20kΩ | 9V |
| 47kΩ | 12V |
| 100kΩ | 15V |
| 200kΩ | 20V |
CH221Kを使う際の注意点
今回は要求電圧(VBUS)を20Vとして設計した。以下はその回路図である。

問題はR1である。
このR1の両端にかかる電圧を計測すると16.5Vであった。
では、この抵抗で消費している電力Pはいくらだろうか。
\begin{align*}
P &= \frac{V^2}{R} \\
&= \frac{16.5^2}{1000} \\
&= 272.25\ \mathrm{[mW]}
\end{align*}
お気付きだろうか。
1/4Wを超えているのである。
したがって、許容損失が1/2W以上のものを使用する必要がある。
ちなみに1/4Wの抵抗でも一応動作するが、火傷するくらい発熱していたのでやはり1/2W以上のものをオススメする。
私が回路図に「M1k」と書いているのは「ここは必ず金属皮膜抵抗 1kΩ 1/2W のものを使って!」という自分なりの警告である。

抵抗値を変えてみたら良いのでは?
R1に2kΩを付けてみた。5Vしか来なくなった。
よってここは1kΩにしておくのが無難であろう。
まとめ
VBUSとVDDの間につける抵抗の許容損失には気を付けよう
今回はCH221Kを参考に記したが、他のCH22xシリーズを使用する際も同様に気を付けるなければならない。おそらく15Vまでは1/4Wタイプでも問題ないが、20Vにする際はぜひ部品選定には細心の注意を払って設計する必要がある。