スペック
2015年~新卒SIer入社
2020年~事業会社(不動産会社)所属の情シス
文系出身
Azure All Cert の定義
MSの資格は50くらいあるのですが、それらすべてを取ったわけではありません。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/browse/
こちらのサイトで、
左のフィルターの製品をAzure、[資格証明の種類]を認定資格にチェックして、出てきた22個の資格をすべて取ることを、Azure All Certとして定義しました。それでもPowerplatformの資格とか出ますが、泣く泣く取得しました。
軌跡
AWS…2017年10月-2020年11月
GoogleCloud…2020年2月-2022年4月
Azure…以下の通り
受験月 | 受験試験 |
---|---|
2020年7月 | AZ900 |
2024年6月 | SC900、DP900 |
2024年7月 | AI900、AI102、DP204 |
2024年8月 | DP100、AZ104、AZ500、SC300 |
2024年9月 | SC100、SC200 |
2024年10月 | AZ204、AZ305 |
2024年11月 | AZ400、AZ700、AZ800 |
2024年12月 | DP420、PL600、DP300、AZ120、AZ140 |
Azureの試験について、データ系(AI、DP)とセキュリティ系(SC、AZ500など)を固め打ちして受験したのが非常に良かったと思います。特にセキュリティ系は、後述しますがほぼすべてのAzure試験に4-5問出題されるため、ALL Certを狙うなら初めのほうに固めておくことをお勧めします。
強いて言えば、以下のような順序にしていればもっと楽だったんだろうなと思います。
- DP420(CosmosDBの試験)…AZ204(Developer)、AZ400(DevOps)の前に受ける。AZ204やAZ400でCosmosDBがかなり出題された(気がする)ため
- AIやDP系よりも先にSC系を受ける…SC系は先に取った方がいい
勉強法
AWS
すでに世間でいろんな人が書いているので、割愛
GoogleCloud
2年前の記事ですが、今年の更新も↓の勉強法で乗り切ったのでまだまだいけるはず
https://qiita.com/Eine_Iris/items/e62ef0f845a46abb266a
Azure
だいたい以下の流れで取得しています
- 公式模擬試験を受けて、試験内容や傾向を確認
- MS Learnを受講
- 不安であればWhizlabを受講
MSの試験は、AWSのように最適なアーキテクチャを選ぶだけでいい試験もあれば、詳細なコマンドやAPIの名前まで覚えておく必要がある試験もあります。まずは公式模擬試験を受けて、受験しようとしている試験がどちらの出題傾向が強いのかを把握しておく必要があります。
出題傾向を把握したら、MS Learnを受講します。大体5-6時間で終わります。詳細なコマンドやAPIの名前の名前が出る試験であれば、MS Learnで出てきたコマンドやAPI、エンドポイントURIの形式など、すべてメモします。大体これで合格します。つまりは、1試験当たり8-10時間が確保できれば必ず合格できる試験と言えます。
Azure All Certで役に立ったものは以下の通りです
-
AZ 104、AZ 500の本
Azureの資格試験ではどんな試験でも必ずセキュリティに関する問題が出てきます。したがって、AZ104やAZ500、SC100のような試験をまず受験して完璧にしておき、他の試験でも4-5問出題されるセキュリティ問題をとれるようにしておくことが重要だと思いました。AZ 104、AZ 500の試験はそういった意味でAzure All Certを狙う人にとっては一番勉強しておくべき内容であり、2024年現在日本語で書かれた対策本も出ているため、十分に勉強するには重要なリソースと言えるでしょう。
https://www.amazon.co.jp/dp/4815621594/
https://www.amazon.co.jp/dp/4297129523/ -
英語
Azureの試験は試験中にMS Learnをカンニングすることができます。ただし、日本語で検索するよりも英語で検索したほうが、検索精度が高いと思います。また、Azureは学習ソースがMS Learn以外ほとんど英語なので、ALL Certを狙うには英語力は必須でしょう。
その他雑記
自分が支払ったお金
AWSとGoogleCloudは所属していた会社の補助が作られる前に全部取ったので、全自腹です。Azureは合格したら受験料が出る制度ができたため、1回だけ落ちた試験代が自腹です。
また、書籍(大体Amazonで購入したので購入履歴から算出)、Whizlab(年間サブスクの領収書から算出)、Udemy、AWSやGoogleCloudのハンズオン代などなどの学習ソースを含みます。
2017-2024なので、1ドル140円とします。
- AWS…460,200円
- GoogleCloud…440,430円
- Azure…22,330円
計…922,960円
(軽く車が買えましたね…)
モチベーション
2020年までSIerにおりましたがAWSやGoogleCloudのパートナー登録は未済のまま転職し、2020年から現在まで、事業会社で働いています。つまり、AWSやGoogleCloudのパートナーでないため、表彰などをモチベーションとして資格を取得したわけではありません。
ただ唯一のモチベーションは、『仕事をしやすくするため』です。
SIerで資格を取る意味
いまだとパートナー認定を得る、という意味もまりますが、当時の一番の理由としては『発言権を得る』にあります。SIerにいると、社内で高評価を得ている中年の方がいて、その人の発言がすべて、という場合があります。SIerにいた2017-2020年当時は社内でクラウドの利活用が進んでおらず、有識者がいなかったため、その方の発言如何でクラウドの利用方針が左右されるような状況がありました。当然その方が発する正しいと思われる発言も、誤っていると思われる発言も、すべて社内の人が信用し、自分のような若輩者の発言は信用しません。役員に説明しても『きみは5-6年目だからほかの人の意見も聞きたい』と言われたこともあります。お前のような奴なんか信用できるかよ、と同義ですね。そのような状況で、発言権を得るために資格を取得しました。
事業会社で資格を取る意味
事業会社のIT部門の偉い人は大体IT未経験です。それにも関わらずトップからは『DXをやって会社を変えてくれ!』と特命された出世頭・エリートが就任しているため、リスクヘッジムーブが非常にお上手です。
彼らはたいていの場合、ITのバックグラウンドを持って入社した中途よりも、SIerやコンサルが言うことを信用します。その方が一定のリスク移転にもなるためです。そのため、いかに正しいことを言っても、「コンサルに第三者レビューをしてみよう」「Gartnerにインクワイアリしてみよう」という話になります。
Gartnerはともかく、コンサルやSIerはポジショントークしかしないので、「○○さんの計画はダメっすね。うちにはXXの事例があり、△△の企業さんにご採用いただいています!」みたいなセールストークをかまされ、法外な値段と時間を浪費することになります。法外の値段の例は以下の通りです。(すべて誇張ナシの数字となっています)
- AWSのアカウント作成に160万円(7分で終わる)
- S3バケット1つ作成に90万円(S3バケット作成に要件定義とかPJ管理費ってなんやねん)
- Auroraの切り替え試験に300万円(Auroraの切替はAWSの責任範囲だしエンドポイント経由の接続だし)
- GoogleAnalyticsのタグ(デフォルト)払い出しに200万円(1分で終わる)
- クラウドへの単なるデータ移行(約50TB)に4000万円(Snowball使え)
ようは、こういう輩に対して真っ向から対抗するための武器を持ち、社内で信用スコアを保持するために資格を維持し続けます。今やクラウド分野に関して自分に反論してくる人は、同じクラウド担当チームの人間以外誰一人いません。
ちなみに、これらの提案をしてきたクソ企業の中にはAWSのプレミアムパートナー認定されている企業もあります。剥奪してほしいですね。心から。
今後について
ググった感じ、AWS、GoogleCloud、Azureの3大クラウド資格をALL Certした人は世界にも両手で数えられるくらいしかいないっぽいので、まずはそれに酔いしれて年末年始はたくさんお酒を飲みたいと思います。
シンプルに目標を失ったので、ゆっくりと資格を更新しつつ、適当にIPAの試験でも受けながら簿記などにも手を出して、余生を過ごしたいと思います。