はじめに
この記事ではテストケースとは何かについて言葉の意味を理解するための情報をまとめています。初心者向きの内容になりますので、有識者向けの内容ではありません。
テストケースとは何か?
ソフトウェアやシステムが期待通りに動作するかを確認するための具体的な手順や条件の集まりです。
開発したソフトウェアに不備がないかをテストすることは、ソフトウェアの品質を確保することに繋がります。ユーザーは常に高品質なソフトウェアを期待しているため、1箇所でも欠点があれば、ユーザーの満足度を著しく低下させます。
テストケースのは表形式で作成される
テストケースは通常、以下のような表形式で作成されます。
その中でもテストケースIDとは、特定のテストケースを探しやすくしたり、他のドキュメントに資料を作成した場合の報告などで使うことができます
テストケースID | 説明 | 前提条件 | テスト手順 | 期待される結果 |
---|---|---|---|---|
TC_Login_001 | 正常なログイン | 有効なユーザー名とパスワードが提供されている | 1. ブラウザでログインページにアクセス 2. 有効なユーザー名を入力 3. 有効なパスワードを入力 4. 「ログイン」ボタンをクリック |
- ログイン後、正常にダッシュボードページにリダイレクト - 不正な入力時はエラーメッセージが表示 |
TC_Login_002 | 不正なログイン | 無効なユーザー名またはパスワードが提供されている | 1. ブラウザでログインページにアクセス 2. 無効なユーザー名を入力 3. 無効なパスワードを入力 4. 「ログイン」ボタンをクリック |
- エラーメッセージが表示され、ログインは拒否される |
TC_Login_003 | ログアウト | ログイン済みである | 1. ログアウトボタンをクリック | - ログアウト後、ログインページにリダイレクト |
テストケース作成の順番について
テストケースを作成するにはいくつかのステップが存在します
1.開発したソフトウェアの要件を理解する
ソフトウェアの要件とは、そのソフトウェアが持つべき機能や性能、制限事項のことです。
例えば、スマートフォンのスケジュール帳アプリを開発する場合、テキスト入力や表示機能の実装が求められます。同時に、アプリがスマートフォンの動作を遅くしないために容量を制限する必要もあります。これらの必要条件をまとめたものが要件であり、それをワードやエクセル、またはホワイトボードやノートなどに整理することを要件定義と言います。
要件を理解するためにはどうすれば良いのか?
要件仕様書や設計文書を熟読することが重要です。また、開発チームへの質問や実際の現場で聞き込みをすることでも、不明な点を解消できます。
2.テストケースの目的と範囲を設定する
テストケースの目的は、ソフトウェアの特定の部分が正しく動くかを確かめること。たとえば、ブログ開発ではログイン機能や記事の保存をチェック。このように範囲を絞り、どこをテストするかを明確にすることで、効率的なテストを行います。
3.テストケースを作成する
入力データ、操作手順、期待される結果などを具体的に上記のような表形式で記述します。
例えば、ログイン機能の場合、有効なユーザー名とパスワードでログインしたら成功するか、失敗したらエラーメッセージが表示されるかなど、具体的な動作を書き出します。これにより、テストを正確に実行し、ソフトウェアが望ましい振る舞いをするかを確認します。
4.テストケースのレビューについて
テストケースを作成した後はチームメンバーや関係者によるテストケースのレビューを行います。これにより不足しているテスト範囲や特定や、テスト方法の改善などを図ることができます
テストケースが実行できるか確認する
レビューを通過したテストケースは、実際のシステムや環境で実行可能かどうかを確認する必要があります
1.実行可能性の確認
レビューを通過したテストケースが、実際のシステムや環境で実行可能かどうかを確認します。必要なテストデータやリソースが利用可能か、テスト実行の準備が整っているかを確認します。
2.テスト計画の作成
テストケースを含むテストの実行計画を立てます。テストケースの実行順序や優先度、実行担当者などを含む計画を作成します。
3.テスト環境の準備
テストを実行するための適切なテスト環境を準備します。これには、必要なハードウェア、ソフトウェア、テストデータ、設定などが含まれます。
4.テストの実行
レビューを通過したテストケースを実際のシステムや環境で実行します。テストケースの実行、結果の記録、問題の特定などを行います。
5.実行結果の報告と分析
テストの実行結果をまとめ、報告書を作成します。成功したテストケース、発見された問題やバグ、不具合の優先度などを報告し、必要な場合は修正のための指示を提供します。
これらの手順は、テストケースのレビューがクリアされた後の一般的な流れです。実際のテストを実行し、その結果を評価・報告していくことで、システムの品質や安定性を確保するための重要なプロセスです。