はじめに
はじめまして、doue です。
これまで約10年間、株式会社うるるにてエンジニアとして仕事をしてきました。
そんな私が、2ヶ月前にエンジニアチームを離れ、社内の 「新規事業担当」 へとジョブチェンジしました。
(しきりにEMの先輩からPRを出せと言われますが笑)
エンジニアとしてのキャリアを積む中で、ビジネスサイドへの転向を考える方は少なくないと思います。
今回は、「実際にエンジニアがビジネスサイドに行くとどうなるのか」「開発経験はそこでどう活きるのか」 というリアルな実体験を、異動後2ヶ月のフレッシュな視点で書き残そうと思います。
🧗 バックグラウンド(経歴)
- 2015年: 学生時代アルバイトで同社にて、コーポレートサイトの開発業務
- 2017年: 新卒入社 バックエンドエンジニア(Laravel)。当時エンジニア2名のチーム
- 2020年: 保守運用ほぼ全て担当(バックエンド + AWS + Vueちょっと)
- 2021年: 開発チーム拡大、数十人の採用 + スクラムマスター
- 2022年: M&Aしたプロダクトの改修プロジェクトPM → EM(エンジニアリングマネージャー)に就任
- 2023年: 事業部長就任(PdM) → 色々あってEMに戻る
- 2024年: 東京 → 福岡に移住(リモートワーク)
- 2025年 9月: 1年で東京に帰還
- 2025年 10月: 新規事業担当へ(代表直下、新規事業+M&Aチームへ異動) 👈 イマココ
※ 間に、副業で飲食店を起業し、6年で年商2億程度の会社にして代表を退任するといった謎経験も挟んでいます。
このように、新卒で入社してから配属されたプロダクトでは、事業成長とチームの拡大とともに自らも成長し、順調に責任ある仕事や役割を任されてきました。
一時期、事業部長も経験し、エンジニアという道からビジネスサイドへ足を突っ込みながら「プロダクト開発」というものに約10年間従事してきました。
🚀 新規事業担当とは / やっていること
当社には『未来創造本部』というチームがあります。
代表直下、「新規事業の創出」と「M&A戦略」の両輪で会社の成長を大きく加速させるミッションを持つ、少数精鋭の部署です。
名前の通り、会社の"未来"を"創る"ための部署です。
その中で、私は2ヶ月前に「新規事業の担当」となり仕事をしています。
新規事業なので、売上は0。
ここから、当社の柱になる事業を創ることが私のミッションです。
エンジニアとして生きてきた私にとっては、まさに社会人第二章の生活が始まりました。
やっている新規事業
新規事業担当になり、最初のミッションは、私がジョインした10月にちょうど正式リリースした『GovTech Bridge』という自治体DXを促進する架け橋となる事業を、事業化させることでした。
売上は0で、これから事業仮説を検証していく段階です。
- 顧客は誰で
- 顧客の課題は何で
- どのようにその課題を解決し
- どこでマネタイズをするのか
まだ何も決まっていません。(笑)
まさに、売上を0→1にするのが私のミッションですが、同時に10や100にするための道筋も立てていくことが、新規事業開発だと私は捉えています。
売り上げを1円でも発生させるのはすごいことですが、大事なのは「数年後に数億、数十億と伸びていく道をしっかりと見つける」こと。それがミッションです。
⚡ 「エンジニアから新規事業担当へ」 2ヶ月で感じた異職種のギャップ
新規事業の仕事を始めて、この2ヶ月を総括すると...
「しんどい!」
これにつきます。笑(ネガティブな意味ではないです)
① そもそも仕事の仕方が違う
エンジニアをしていた頃は、プロジェクトのスケジュールが明確に決まっていて、チケットがリストで整理され、担当が細かく決められ、それに沿って毎日を過ごしていました。
しかし、新規事業には綺麗な計画なんてありません。
「何から進めればいいか」わからないし、何なら「何をしたらいいか」もわからない。
新規事業では、課題のセンターピンが全く明らかになっていない状態からのスタートなので、アイディアを出し、それが市場に刺さるかを実験する日々。この試行回数、つまり失敗の多さが全てです。
エンジニアをしていた頃は、「いいプロダクトを素早く開発すること」と、「テストカバレッジや障害といったリスクを抑え安全に運用すること」が大切でした。
ですが、新規事業では全くの逆で、「とにかく試して失敗する」ことが成功への唯一の道です。
(語弊を恐れず言えば)リスクをとって、どんどんチャレンジし、失敗することでようやく一歩進むのです。
今まで「リスク」に目を向けて仕事をしてきた私としては、ここは大きなギャップです。
② そもそも業務そのものが違う
たくさんチャレンジしていきたいので、試したいことは実はいっぱいあります。
ただ問題は、その全部を "自分でやらないといけない" ことです。
今やっている業務はこんなものです:
- 顧客(となり得る人)へ、問い合わせをする
- そもそもエンジニア時代メールなんてほぼ使っていなかったのに、毎日メールする
- 何なら顧客に電話もする
- 顧客にインタビューを行う
- インタビュー記事を書く
- ヒアリングした課題をまとめ、顧客課題を整理し
- 事業方針を考える(毎日頭の中でアプデ)
- Xを運用
- メルマガを考える、HTMLメールを作る、配信する
- ウェビナーを企画する(ウェビナー運営もする予定)
- 営業資料や、マニュアルみたいな資料も作る
- 問い合わせ対応も受ける、対応する
- ==それ以外==
- 社外のネットワーク作り、地方ビジネスイベントに出張
- わけわからん交流会に行く(だいたい「早く帰りてー」ってなる)
- 知り合いの経営者と飲む
「マジで、時間が足りん。そして俺は何屋だ。」
普通のチームなら、ざっと4人くらいで得意な人たちで手分けしますが、得意とか、やったことないとかは関係ないです。全部やります。
そして当然、エンジニア時代はこれらの業務はほとんどやったことがありません。
しかも、もっと酷いのが日々仕事が増えていくことです。
だって、「思い至ったらとにかく試す」が大事なんだもの...。
③ 投資のマインドセット
既存事業でも「投資」は普通にありますが、軌道に乗っている事業の場合は、予算と計画が決まっていてその中で業務を進める形が一般的だと思います。「投資」をする際は、投資対効果を慎重に判断して実行します。
例えば、有償開発ツールを導入する際には「それによる生産性の向上がxx時間程度で、お金に換算するとxx円で〜」と説明をし、投資判断をします。
一方で(ニュアンスが伝わる自信がないのですが...)
新規事業を進める中で「無駄になりそうだな」という投資機会は多々あります。
もちろん事業を営む人間として、投資対効果はいつでも大事ですが、失敗を前提にしてチャレンジを積み重ねるという特性上、精緻な投資対効果の説明をしきれない、ということがよくおきます。
ただ、そこで投資を渋っていては、いつまで経っても事業を作れません。
なので、「一回10万円」で見るのではなく、「10回で100万円」 という大きな目線で考える必要があるように思います。
「10万円だけで見れば失敗する可能性があるけど、100万円かけて一個上手くいけば勝ちだよね」
という目線です。もっと広く見れば「1000万円を一年で使って、事業開発が上手くいけばいいよね」という視点です。
当然、湯水のようにお金を使うというわけではないですが、この考え方に切り替えないと新規事業を進めていくのは本当にしんどいなと、最近気づきました。
❤️🔥 「エンジニアがビジネスサイドへチャレンジ」大事なマインドセット的な話
1. チャレンジを恐れない、ベンチャースピリット
これは僕の癖でしたが、エンジニア時代は役回り上、施策を行う上でのリスクや障害をまず考える癖がありました。
大事と言えば大事な視点ですが、新規事業ではチャレンジが最優先事項だと、常に自分に言い聞かせています。
そもそもそれ自体が実現不可能かもしれないし、やっても失敗するかもしれない。
けど、「できないこと」がわかることこそ、「できることを見つけるための一歩」だと考えています。
なので、ダメかもって思っても、「本当にダメか?」「なんとかなる手段はないか?」を考える癖を少しずつ付けていこうとしています。
2. 「しんどい」は"前提"。大事なのは「気持ち」
前提として、新規事業はしんどいです。これは弱音ではありません(と信じたい)。
世の中の新規事業家を色々と調べ、学びを得ていますが、その人たちがたいてい言うのがこれです。
「しんどいこと」自体を解決するのは不可能だと、実際にやってみて思います。
まず「失敗をたくさんしよう」と言うのは簡単ですが、普通に精神衛生面に悪いです。笑
失敗すると傷つきます。だって人間だもの。
そして、売上もないし、ゴールテープも見えていない状態で全力疾走し続けています。何キロ走ればいいかわからないのに全力でマラソンやるのはしんどいですよね? それと同じです。
だから大事なのは 「気持ち」。
- 自分がなぜ新規事業をやりたいのか
- その先に自分が得られるものや、人生は何なのか
この気持ちがないと必ず心が折れます。
自分自身でも、この気持ちが欠けるとポキっと逝きそうな感覚と毎日向き合って仕事をしている、というのが正直なところです。
3. 仲間を作る必要がある
「しんどい」の続きですが、だからこそ仲間作りが非常に大事だと考えています。
特に社内です。
- まだ事業できないの?
- まだ売上ないの?
- あの人たち何してんの?
- 無駄な投資ばっかしてるんじゃないの?
- 給料泥棒?
...みたいな幻聴が聞こえてきます。(!!弊社でそんなこと言う人はいませんが!!)
でも厳しい話をすれば、それは普通にあり得る感覚だと自分は思っています。
我々のような、社内で新規事業をする人間は、既存の利益が出ている事業のおかげで仕事ができています。
もちろんそんな次元で会話をしていないのは承知ですが、あり得るよね、という話です。
こういった状況下だからこそ、社内で応援してくれる人を増やしていかないといけないと感じています。
そもそも新規事業のセオリーとして、既存事業のノウハウや事業領域を活かした事業を作っていこうとする中で、シンプルに協力してもらえる関係性は大事ですが、それだけでなく 「関係ない部署の人からも応援してくれる状態」 を作ることも大事な仕事の一部です。
私は幸いお酒が好きで、ちょうど年末の時期ということもありますので、他部署の忘年会に参加させてもらったり、社内の人を誘っていろんな人と会話して仲良くなることを意識しています。
まずはそこから、頑張っていこうと思っています。
🤔 なぜエンジニアを辞め、新規事業へ行ったのか
1. 10年、エンジニアとして走ってきて「限界」を感じた
入社から10年。貴重な経験をたくさんいただき、未熟なままキャリアを駆け上がってきましたが、同時に「拾い忘れたものも多かったな」と、実はこの1,2年ずっと考えていました。
自分の仕事のパフォーマンスに限界を感じ、10年も会社にいてしまったが故にマンネリ化してしまい、自分自身に大きな変革をもたらせず、ダラダラと毎日を過ごしてしまっているような感覚でした。
いろいろな責任を持って仕事をしていましたが、「このままではその役目を果たせないし、会社へさらなる貢献ももたらせられないな」と悩み、
「このままでいいんだろうか...」と自問自答していました。
2. 10年先、20年先の人生を見据えた
そんなマンネリ状態の中、40歳、50歳になった自分を想像していました(現在32歳)。
このまま年収そこそこで、結婚し、子供ができ、なんとか生活していく...
みたいな人生でいいのか?と考えました。
以前Qiitaでもポストしたのですが、僕の働くモチベーションは「稼いでたくさん遊ぶこと」です。
これは今でも変わらず、10年後も存分に好きなことができる人生を獲得したいと本気で思っています。
しかし、今の状況では絶対に得られないと考え、キャリアビジョンを 「起業」 と決めました。(まだ上司に言っていません笑)
そこから逆算した時に、今の年齢・タイミングで「死ぬ気で本当のスキルを身につける最後のチャンスかもしれない」と思い至りました。それを得られる環境こそが、死ぬ気で事業を作るべき環境、つまり新規事業だと気づいたことが、ジョブチェンジのきっかけです。
そういう覚悟で来た新規事業チーム。異動当日、社長からこんなことを言われました。
今日からがお前の社会人人生の第二章だな
本当にそう思います。
最後に
起業や新規事業 をやりたいと思っているエンジニアは多いと思います。
記事では表現できなかったですが、エンジニアだからこそできることも多いです。
「まあ、困ったら自分で作れるしな」とか思って、心に余裕を持つこともできます。(今開発してくれているチームには大感謝!!)
なんて冗談はさておき
エンジニアだろうがなんだろうが、ビジネスマンであることには変わりはないので、そんなに思い詰めることはないでしょう、とも思います。
そして実際、私はこの決断に至るまでには時間を要しましたし、数人の先輩からの檄もいただいていました。それを経ての決断です。
エンジニアは創造的に0からものづくりをできる仕事ですから、ぜひ、事業開発や起業をしたいと思っている人は挑戦してほしいですし
そんな人たちのヒントになればと思います。