私は、昨年の4月からデータサイエンティストとして仕事をしています。
昨年は多くのビジネス書や技術書を拝読したので、新卒1年目のデータサイエンティストとして読んで良かった本を紹介したいと思います。
ぜひ、データサイエンティストになったばかりの方だけでなく、社会人1年目の方にも参考にしていただけたら嬉しいです!
ビジネス系
社会人1年目として、いわゆるビジネス本を15冊程度読んだので、その中でのおすすめを紹介します。
イシューからはじめよ
ビジネス書の中で圧倒的おすすめ度1位です。
価値(バリュー)の高い仕事をするには、どのようなことを意識する必要がるのか。
ビジネスにおいて、最も重要な問いであるイシューの見つけ方と、その解き方についてわかりやすく書いてあります。
ビジネスマンとして、仕事をする上で、大切な基礎を学べると思い、社会人になったばかりの人に特におすすめしたいです。
この本を読む前までは、上司からもらった案件を上司から提案してもらった方法で解こうと思っていました。
しかし、この本を読んだ後は、「もらった案件は本当に今解くべきなのか?そもそも解けるのか?解くとしたら、どのような解き方をして、何を解決するべきか?」まで考えて仕事に取り組めるようになりました。
仮設思考
より早く良い解に辿り着き、再現性の高い仕事をする秘訣は仮設思考にあると述べている本です。
本書のナレッジはビジネス全般で使用できると思いますが、特にデータサイエンティストにもおすすめです。
弊社のデータサイエンス部には、他組織から以下のようなEDA(探索的データ分析)系の相談を受けることがよくあります。
これらの仕事は中長期の案件と比較すると重要度が低いため、新卒の私が担当することが多かったです。
- このデータから何かわかりそうなことない?
- xxと結論づけたいんだけど、データからエビデンス示せない?
- yyという仮説があるんだけど、データからそう言えないかな?
本書を読む前までは、がむしゃらにデータを分析・可視化し、データを眺め、結局何も分からないということが多々発生していました。
本書を読んでからは、仮説検証を用いた調査・分析・可視化が必要だと気づきました。
具体的には、「データからzzという傾向が見られれば、xxと言える」と仮説を事前におき、データからzzという傾向が見えるか分析するという進め方を実践しました。
これにより、闇雲にデータ分析をするといった無駄な時間をなくすことができ、早く成果を出せるようになりました。
データドリブン思考
ビッグデータが脚光を浴びた時代が終わり、現在はデータをビジネスに行かせている企業とそうでない企業に分かれています。
では、この両者の違いは何か?
どうすれば、データ分析をビジネスに活かせるのかについて書かれています。
全体的に、経営者の目線で、どのような組織を作っていくかを中心に書かれていますが、一人のデータサイエンティストとして、自分の仕事をどのようにビジネスに繋げるかの解像度を上げることができました。
ザ・ゴール
工場での生産効率・利益改善を例に、企業の目的とは何か?では、それを実現するためには何をするべきか?を学べます。
企業活動の目的がわかれば、自分の仕事はこの目的の達成に関連するものであるべきです。
もし、自分の仕事が企業の目的と関連がないのであれば、それは仕事ではないので、やるべきではありません。
このような考えを持って仕事に取り組むことで、仕事として取り組むべきか否かの判断ができるようになりました。
本書は、物語(小説?)として書かれているので、大変読みやすく、私は楽しく読むことができました。
560ページもあり、大変厚い本ですが、読み始めるとスラスラと読めると思います。
説明の順番
学生から社会人になると、人に説明する機会が圧倒的に増えます。
私自身、大学院生の時は、研究に関して教授とディスカッションをしたり、自身の考えに関して説明する機会がありましたが、教授は研究の背景や目的を理解しています。
しかし、会社の上司や同僚は、プロジェクトの背景など理解してくれていません。
同僚に相談したい時や、上司から承認をもらいたい時は、決められた時間内で、必要な情報を共有し、理解してもらい、承認をもらう必要があります。
私は、この本を読むまでは、うまく説明ができないことに悩んでいました。
設定された会議の時間内で、伝えたいことが伝わらず、承認を得られないまま次回もう一回持ってきてと言われたり、そもそもの背景の説明だけで時間を使い切ってしまうこともありました。
そこで、この本を読んでみて、前提を揃えることや、自分の思考の順番と説明の順番は違うことを知りました。
その結果、以前のように背景部分で時間を使い切ってしまったり、上司から何が言いたいのかよく分からないと言われることがなくなりました。
社会人、特に新卒1年目の多くの方が、うまく説明できないという悩みを持っていると思うので、そのような方にかなりおすすめの本です。
就活や転職の時にも使える知識だと思います。
技術系
推薦システム実践入門
仕事で、推薦ロジック開発を担当した際に読みました。
基礎から丁寧に解説してくれるので、推薦ロジックを初めて学ぶデータサイエンティストの方にはおすすめです。
推薦システムの基本概念、プロジェクトの進め方、UI/UX設計、代表的なアルゴリズム、運用や評価のポイントまで一通り学べる入門書になっています。
集中演習 SQL入門
学生の時に書いたことないけど、社会人になったら書くことになる言語ランキング1位がSQLだと個人的に思っています。
本書は、基本的な書き方とよく使う関数について学べるので、SQLを書いたことがない人に特におすすめです。
ノンエンジニア向けの本と、本書の説明欄には書かれていますが、データサイエンティストもこの1冊で十分だと思います。
私は、SQLに関して初心者でしたが、本書を勉強し、生成AIによるコーディングを駆使することで、1年目はSQLを使用した業務で困るようなことはありませんでした。
働き方系
エンジニア・データサイエンティストとして、どのように技術を習得し、どのような働き方をしたら良いか。
そのような疑問に対するヒントを提供してくれる2冊を紹介します。
世界一流エンジニアの思考
私が所属しているグループでは、Slackで勤務開始と終了を共有するのですが、長時間労働がデフォルトになっています。
私も入社当時は定時で退勤していましたが、みんなが深夜まで勤務する中、17時に退勤しますと報告することに後ろめたさを感じ、遅くまで仕事をするようになっていました。
その中で、出会ったのがこの本でした。
筆者は、より少ない労力、短い時間で成果を上げる方が良いと主張しており、長時間労働を美徳とする日本のサラリーマン的な価値観を根本から否定しています。
どうすれば、少ない労力で高い成果を上げることができるか。
エンジニアとしての仕事の進め方やプライベートに関することまで、多岐にわたって解説してあります。
新卒の早めの段階で読んでおけば、専門人材としてどのように価値を出していくかの具体的な方法が、早い段階で確立できると思います。
なぜあなたの仕事は終わらないのか
こちらの本も簡単にいうと、「残業はやめよう。残業をしないで済む方法を身につければ、残業しなくても成果が出せるようになるよ」という主張の本です。
筆者が試行錯誤して確立した方法を、具体的に解説してあります。
簡単にいうと、締切よりもかなり前倒しで、自分の中の8割を完成させようという方法です。
私もこの方法を実践しておりますが、締切直前で焦って作業をし、クオリティの低いものを作ってしまうといった事態を回避できるようになりました。
新卒の段階で、残業時間が長くなってしまうと、一生そのような状況が続いてしまうかもしれません。
仕事の量・責任が少ない新卒の段階から、効率的な仕事の進め方を習得するために、この本の一読をお勧めします。
感想
入社時に人事の方からいただいた「新卒におすすめ書籍リスト」の中にあった書籍の中から、私が読み、良かったと感じたものを中心に紹介しました。
新卒1年目で、どのような本を読めば良いかわからないという方は、とりあえず、「イシューからはじめよ」と「説明の順番」を読んでほしいなと思っております。
あと、メンターや直属の上司がおすすめの本は必ず読むようにし、感想などを共有するようにすることをお勧めします。
上司からすると、なんで読んでないの?と疑問に思うのと、単純にその会社・職種で働く上で役に立つ本である可能性が高いからです。
今回まとめた本が、少しでも皆様のお役に立てば嬉しいです。
番外編
本を読む時間をどのように書く確保するか
私は幼少期から本を読むのが嫌いだったので、自分が家にいる自由な時間に本を読むことがあまり好きではありません。
なので、私は通勤時間で本を読むようにしています。
主に、朝の通勤の際に読書をしていますが、3~4週間で1冊読めるぐらいのペースを維持できています。
そもそも社会人は本を読むべきか
私個人としては、読むべきだと思います。
仕事ができる先輩は本を読んでいると感じているからです。
特に、有名なビジネス系の本は多くの人が読んでおり、一種の一般常識のように会話に出てくるので、有名どころを押さえていないと、こいつ分かってないな感が出ると思います。
技術系の本も、専門性を高める意味でデータサイエンティストなら定期的に読んでおくべきとも思っています。
