はじめに
回路基板でよく見る電子部品について種類と役割を調べてみた備忘録です。
改訂履歴
- 2026/10/05 : 初版公開。
本文
1. 概要
電子部品は、大きく「受動部品」「能動部品」などに分類できます。電気を蓄えたり、流れを制限したり、信号を増幅・制御したりと役割はさまざまです。回路基板では、これらの部品を組み合わせて目的の機能を実現します。
2. 受動部品
受動部品は、基本的に電力を増幅する働きを持たない電子部品です。代表的なものとして、抵抗器・コンデンサ・コイルなどがあります。電圧や電流、信号の状態を調整するために使われます。
2-1. 抵抗器(レジスタ)
電流の流れを制限したり、電圧を分圧したりする部品です。回路の電流値を調整するほか、IC などを適切な電圧状態にする用途でも使われます。
2-2. コンデンサ(キャパシタ)
電気を一時的に蓄えたり、放出したりする部品です。電源の電圧変動を抑えたり、交流信号を通して直流成分を遮断したりする用途があります。ちなみに PC の DRAM の 1 ビットはコンデンサ 1 個と後述のトランジスタ 1 個で構成されています。
2-3. コイル(インダクタ)
電流が流れることで磁界を発生させ、エネルギーを蓄える部品です。電源回路のノイズ除去、電圧変換、直流信号を通して交流成分を遮断したりする用途などに利用されます。
2-4. トランス(変圧器)
電磁誘導(磁界が変化すると、導体に電圧が発生する現象)を利用して、交流の電圧や電流を変換する部品です。入力側と出力側を電気的に絶縁する目的でも使用されます。電源回路や通信回路などで利用されています。
3. 能動部品
能動部品は、電気信号を制御したり、増幅したりする働きを持つ部品です。代表的なものとして、ダイオードやトランジスタがあります。電子回路のスイッチングや信号処理などで重要な役割を担います。
3-1. ダイオード
基本的に電流を一方向に流す性質を持つ半導体部品です。交流を直流に変換する整流や、逆方向の電圧から回路を保護する用途などがあります。発光ダイオード (LED) など、用途に応じてさまざまな種類があります。
3-2. トランジスタ
電流や電圧を利用して、信号を増幅したりスイッチングしたりする部品です。電子回路の基本的な構成要素の一つで、CPU などの内部にも大量に使われています。代表的な種類としてバイポーラトランジスタ (BJT) や MOS 型トランジスタ (MOSFET) があります。前述の通り、PC の DRAM の 1 ビットはコンデンサ 1 個とトランジスタ 1 個で構成されています。また SRAM の場合 1 ビットはトランジスタ 4 個で構成されています。
4. その他
ここでは、単純な受動・能動部品という分類だけでは説明しにくい代表的な部品を紹介します。複数の機能をまとめた IC や、回路を保護するヒューズなどがあります。これらも回路基板では非常によく見かける部品です。
4-1. IC(集積回路)
複数の電子回路やトランジスタなどを、一つの半導体チップに集積した部品です。マイコン、メモリ、電源 IC、アンプなど、さまざまな種類があります。回路を小型化し、多くの機能を実現するために利用されます。
4-2. 水晶デバイス
水晶の圧電効果(電圧を加えると振動し、逆に力を加えると電圧が発生する性質)を利用して、非常に安定した周波数の信号を作る部品です。時計やマイコンなどで、動作タイミングの基準となるクロックを作るために使われます。「水晶振動子」や「水晶発振器」などの種類があります。
4-3. ヒューズ
過大な電流が流れたときに回路を遮断し、機器を保護する部品です。一定以上の電流が流れると内部の導体が溶断して、電流を止めます。一度動作すると基本的には交換が必要になります。
4-4. バリスタ
電圧によって抵抗値が変化する部品です。通常の電圧では高い抵抗値を示しますが、一定以上の電圧が加わると抵抗値が低下します。この性質を利用して、電源ラインなどに発生するサージ電圧を吸収・抑制し、回路を保護するために使われます。
おわりに
仕事柄、回路基板を見かけること自体は多いのですが、これまで部品についてはあまり詳しくありませんでした。いつか電子工作にも手を出してみたいです。