はじめに
備忘録です。経験と勘に頼った工数見積しか知らなかったため、システム開発における見積手法について、ざっくりと調べてまとめました。中小 SIer の PM / PL 目線です。
改訂履歴
- 2026/05/30 : 初版公開。
本文
1. KKD 法
実は経験と勘に頼った工数見積には名前があり、KKD 法といいます。勘・経験・度胸の頭文字を取った言葉で、論理的なデータや数値の裏付けではなく、人の感覚や過去のキャリアに基づいて意思決定や見積を行うことを指します。
100% KKD 法での見積は、再現性がなく外れのリスクもありますが、全てのパラメーターを用意して完全に論理的な見積を行うことも、現実的には困難です。
実際には、直感と論理のバランスをどこに置くかが見積の肝だと考えています。
2. 類推見積法
過去に扱った類似のシステム開発の実績をベースに、今回のシステムの規模やコストを推測する手法です。中小 SIer では比較的採用しやすいアプローチだと思います。
僕は普段 KKD 法の経験部分に、類推見積法を採用したスタイルで見積しています。
3. FP 法 (ファンクションポイント法)
機能の数や種類を基準にシステム規模を定量化し、工数を算出する手法です。標準化されているため、客観性が高いとされています。
4. LOC 法 (ラインオブコード法)
過去の統計データから、今回開発するシステムのソースコードの行数を予想し、そこから工数を算出する手法です。現代のシステム開発では、開発言語やプログラマーの書き方によって行数が大きく変わるため、実戦では使えないと思います。
5. ボトムアップ見積法
先に WBS を作成し、そこからプロジェクトのコストや期間を算出する手法です。要件定義がガチガチに固まっていないと使えないため、実際に採用するのは難しいんじゃないかと思います。
6. 三点見積法
楽観値・最頻値・悲観値をベースに PERT 公式を用いて期待値を計算します。この手法は他と比べて、中小 SIer でも導入しやすいのかなと思いました。
冷戦期にロッキード社が、アメリカ海軍の潜水艦のミサイル「ポラリス」を開発するプロジェクトで三点見積法を導入して有名になったそうです。
7. COCOMO / COCOMO Ⅱ
ソースコードの行数や FP など、ソフトウェアの規模を入力とし、開発環境・エンジニアの能力・信頼性の要求度など、多数の補正係数を掛け合わせて工数を算出する数理モデルです。
大手 SIer などの大規模開発なら有りかもしれませんが、中小 SIer の案件ではやりすぎ感が否めないと思いました。
おわりに
気付きがあれば、随時追記します。