はじめに
産業用ロボット専用プログラミング言語の書き味をざっくりと比較してみます。もちろん実機は手元にないので、動作検証はできませんし、触ったことのない言語もあります。うろ覚えの記憶を頼りに書いているため、雰囲気だけ味わう感じです。
改訂履歴
- 2026/07/20 : 初版公開。
本文
1. シーケンス
以下のシンプルなものを想定しています。
- 処理開始
- センサーでワークを検知する
- ワークの位置に移動する
- ワークを掴む
- 搬送先に移動する
- ワークを離す
- 処理終了
2. 比較
2-1. FANUC / TP (Teach Pendant)
世界 4 大ロボットメーカーの一角で、日本を代表する FA 企業のひとつです。本社は山梨県にあり、黄色のボディが有名ですね。
/PROG TEST
/ATTR
/MN
1: ! センサーが ON になるまで待機する;
2: WAIT DI[1]=ON;
3: ! 掴み位置へ関節移動する;
4: J P[1] 100% CNT50;
5: ! 掴み位置へ直線移動し、位置決め停止する;
6: L P[2] 500mm/sec FINE;
7: ! ワークを掴む;
8: DO[1]=ON;
9: ! 待機;
10: WAIT 0.50(sec);
11: ! 搬送先へ直線移動し、位置決め停止する;
12: L P[3] 500mm/sec FINE;
13: ! ワークを離す;
14: DO[1]=OFF;
/END
2-2. 安川電機 (YASKAWA) / INFORM 言語
世界 4 大ロボットメーカーの一角で、こちらも日本を代表する FA 企業のひとつです。本社は福岡県北九州市にあり、高度なモーション制御技術に強みがあります。
NOP
' センサーが ON になるまで待機する
WAIT IN#(1)=ON
' 掴み位置まで軸移動する
MOVJ P001 VJ=50.00
' 掴み位置まで直線移動し、位置決め停止する
MOVL P002 V=500 PL=0
' ワークを掴む
DOUT OT#(1) ON
' 待機
TIMER T=0.50
' 搬送先まで直線移動し、位置決め停止する
MOVL P003 V=500 PL=0
' ワークを離す
DOUT OT#(1) OFF
END
2-3. 川崎重工業 (Kawasaki) / AS 言語
世界的に展開する日本の産業用ロボットメーカーのひとつで、国内ロボット産業の草創期から活躍しています。
.PROGRAM TEST()
; センサーが ON になるまで待機する
WAIT SIG(1)
; 掴み位置まで軸移動する
JMOVE P001
; 掴み位置まで直線移動し、位置決め停止する
LMOVE P002
; ワークを掴む
SIGNAL 1 ON
; 待機
DELAY 0.5
; 搬送先まで直線移動し、位置決め停止する
LMOVE P003
; ワークを離す
SIGNAL 1 OFF
.END
2-4. ABB / RAPID 言語
世界 4 大ロボットメーカーの一角で、スイスを代表する産業用ロボットメーカーのひとつです。前身企業の ASEA は 1974 年に世界初の商用電動産業用ロボットを開発したことで知られています。
PROC PickPlace()
! センサーが ON になるまで待機する
WaitDI sensor,1;
! 掴み位置まで軸移動する
MoveJ pPick,v100,z10,tool1;
! 掴み位置まで直線移動し、位置決め停止する
MoveL pGrip,v500,fine,tool1;
! ワークを掴む
SetDO gripper,1;
! 待機
WaitTime 0.5;
! 搬送先まで直線移動し、位置決め停止する
MoveL pPlace,v500,fine,tool1;
! ワークを離す
ResetDO gripper;
ENDPROC
2-5. KUKA / KRL 言語
世界 4 大ロボットメーカーの一角で、ドイツ発祥の産業用ロボットメーカーのひとつです。オレンジ色のボディが有名ですね。2016 年に中国の家電大手、美的集団 (Midea Group) に買収され、2026 年現在は Midea グループの一員になっています。
DEF PICK_PLACE()
; センサーが ON になるまで待機する
WAIT FOR SENSOR==TRUE
; 掴み位置まで軸移動する
PTP P_PICK
; 掴み位置まで直線移動し、位置決め停止する
LIN P_GRIP
; ワークを掴む
$OUT[1]=TRUE
; 待機
WAIT SEC 0.5
; 搬送先まで直線移動し、位置決め停止する
LIN P_PLACE
; ワークを離す
$OUT[1]=FALSE
END
おわりに
ネットに記事が無さすぎますよね。