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エキスパートのためのMySQL[運用+管理]トラブルシューティングガイド

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チューニング一般

  • innodb_flush_loag_at_trx_commit

    • ログ書込またずにコミット完了するか
    • マスタで1, スレーブで0,2がよく使われる
  • innodb_flush_method

    • O_DIRECT がシステムバッファを防げておすすめ
    • ext3を用いている場合はgrubでelevator=noopを設定する
  • mysql proxy

    • LBしたり、クエリをluaで解析したりできる
    • connector/J以外を使う場合の__スレーブ負荷分散として使うとよい__
  • バイナリログ

    • log_bin=接頭語を設定すると有効になる
    • 形式は SBR, RBR, MBR
    • sync_binlog=1は絶対にロストしないが遅い
    • expire_logs_days=XXは必ず設定すること
  • クエリキャッシュ

    • 無効で良い
    • query_cache_type=2とかにして、必要なものだけ有効にするのがよい
  • ディスク

    • テーブル別innodbにしておく
    • RAWデバイスを利用するのも手

SHOW STATUS

  • Aborted_clients
    • 異常終了クライアント数。プログラムクラッシュや、NW不調を疑う。
  • Created_tmp_disk_tables
    • インメモリのTempテーブルに収まらず、MyISAMテーブル(Disk)が発生した数
  • Handler_read_first
    • インデックススキャン数
  • Handler_read_rnd
    • テーブルスキャン数
  • Opend_table_definitions
    • 急増はテーブル定義キャッシュが少なすぎる兆候
  • Opend_tables
    • 急増はテーブルキャッシュが少なすぎる兆候
  • Select_full_join
    • インデックスなしJOIN数
  • Select_full_range_join
    • インデックスなし範囲検索JOIN数
  • Select_range_check
    • EXPLAINのExtraがrange checked for each record (index map: N)になるクエリ数
    • Select_full_joinよりは高速だが要改善
  • Select_scan
    • 先頭JOINテーブル、単一テーブルで全件スキャンが発生した数
  • Slow_queries
    • スロークエリ数
  • Sort_maerge_passess
    • ソートバッファが足りてないと増える
  • クエリキャッシュヒット率
    • Qcache_hits / (Qcache_hits + Qcache_inserts + Qcache_not_cached)
    • 7-8割ヒットしていないと意味が無い
  • FLUSH STATUSを使ったあとに特定のクエリを流せば、そのクエリだけの統計情報がわかる

レプリケーション関連コマンド

  • SHOW BINLOG EVENTS [IN log_file] [FROM 開始位置] LIMIT 1

    • レプリケーションに失敗したときに、その前のクエリを調べるときに使う
  • SHOW MASTER STATUS\G

  • SHOW SLAVE STATUS\G

    • Slave_IO_State
      • FailedやReconnectiongだったら問題あり
    • Slave_IO_Running, Slave_SQL_Running
      • どちらがNoならば即刻メンテすべし
    • Seconds_Behind_Master
      • SQLスレッドのみの遅延時間だが、遅すぎるならinnodb_flush_loag_at_trx_commit=2にすべし

便利なコマンド

  • SHOW FULL PROCESSLIST
    • 現在の実行クエリがわかるので、そのクエリをEXPLAINすれば簡単な性能調査ができる
  • SHOW TABLE STATUS WHERE tbl_name;
    • 行数、index数、データサイズ等わかる
  • DESC tbl_name;
    • カラム定義がわかる
  • SHOW INDEX IN tbl_name;
    • UNIQUE以外はカーディナリティが多くないとインデックス使う意味が無い
    • カーディナリティが低いカラムで分けたい場合は、パーティショニングをする

INFORMATION_SCHEMAのみの情報

  • PARTITIONS
  • REFERENTAL_CONSTRAINTS
    • 外部キー制約を一覧できる
  • TABLE_CONSTRAINTS
    • UNIQUEキー制約を一覧できる
  • *_PRIVILEGES
    • 権限一覧

EXPLAIN

idとSelect Type

  • MySQLクエリは JOIN、UNION、サブクエリに分類できる
JOIN
  • 1つもJOINがないクエリでもこれが該当する
  • select_typeはSIMPLE
  • idは1
    • 1回の処理でデータを取得できることを意味する
UNION
  • それぞれのSELECTが単独実行後、結果が統合される
  • idはSELECTの数だけ存在する
  • select_typeは、最初がPRIMARY、続いてUNION、最後にUNION RESULTになる
  • UNION RESULTはidがつかない
サブクエリ
  • 実行の順番で考えると、FROM句サブクエリ と __それ以外__に分けられる
  • FROM句サブクエリ
    • select_typeにPRIMARYDERIVEDが現れる
    • idとは裏腹に2のDERIVEDから実行される
  • それ以外
    • FROM句以外ではWHERE,HAVING,SELECTで利用される
    • select_typeには下記の4つが現れる
      1. PRIMARY 最外部クエリ
      2. SUBQUERY 外部クエリと相関関係なしサブクエリ
      3. DEPENDENT SUBQUERY 外部クエリと相関関係ありサブクエリ
      4. UNCACHEABLE SUBQUERY 実行毎に結果変わるサブクエリ
    • SUBQUERYは1度だけ取得されるが、DEPENDENT SUBQUERYは最外部クエリ1行ごとに実行される
    • 相関サブクエリにしないためには下記を用いないこと
      • IN (SELECT…)
      • NOT IN (SELECT…)
      • = ANY (SELECT…) 不等号はOK
      • <> ANY (SELECT…) 不等号はOK

Record Access Type

  • const
    • PKEYやUNIQUEキーで等価比較されたため、定数とみなしている
  • ALL
    • テーブルスキャン(インデックス無しアクセス)、要注意
  • index
    • 該当のインデックス内全て読み込む重い処理
    • ORDER BYとLIMITがあれば問題ない
  • eq_ref
    • JOIN時にPKEYかUNIQUEキーが利用された
    • 片方のテーブルにはrefが表示される
  • ref
    • JOIN時に普通のindexが利用された
    • インデックスがUNIQUEでなければ単一SELECTでもこちらになる
  • ref_or_null
    • refの時かつ、OR条件で同じindexに対しIS NULLが指定された場合
  • range
    • インデックスを用いた範囲検索
    • 範囲が大きくても全てrangeになるので、意外と重いことがあるので注意
  • fulltext
    • フルテキストインデックス使用
  • index_merge
    • 2種類のインデックスを個別に利用して取得shた
    • const, ref, rangeのいずれでも可
  • unique_subquery
    • DEPENDENT SUBQUERYにおいて、PKEYやUNIQUEキーが利用された
    • このサブクエリは高速
  • index_subquery
    • DEPENDENT SUBQUERYにおいて、通常indexが利用された
    • このサブクエリはそこそこ高速

possible_keys, key, key_len, ref

いくらpossible_keysがたくさんあっても、keyがNULLだと意味が無い

  • possible_keys
    • オプティマイザが利用可能と判断したキー
  • key
    • 実際に利用されたキー
  • key_len
    • 実際に利用されたキーの長さ
  • ref
    • 検索条件ひ比較されている値やカラムが表示される
    • const 定数が指定されている、select_type=SUBQUERY
    • JOINの時は結合する相手テーブルカラム

rows

  • 取得される行数の見積もり
  • DERIVERDだけは実際に発行されるので正確な行数になる

Extra

  • Using where

    • インデックスが使われない場合、使ったがさらにWHERE句があり絞込みがある
    • マルチカラムインデックスで、左端のみWhereが指定されている
    • インデックスで適切な行数まで絞っていれば悪くないクエリ
    • 注意しなければいけないのは下記の3つ
      1. Record Access TypeがALLまたはindex
      2. rowsが多く、大半がindexでないWHEREで弾かれる
      3. JOINの後から結合される(内部)表で表示されている
  • Using index

    • 1つのインデックスだけで解決できるため高速
    • ただしRecord Access Typeがindexでも表示されるので早とちりしないように
  • Using filesort

    • indexを用いず、取得してからソートしている
    • 行数が少なければ問題ない
  • Using tempory

    • JOINの結果をソートする場合(下記)
    • ORDER BYとDISTINCTを併用した場合
    • 集計関数を使う場合(SUM, GROUP BY)
  • MySQLのJOINありソート3つ(速い順)

    1. 最初のテーブルでindexを用いてソート(Using index)
    2. 最初のテーブルでファイルソートを用いたあとにJOIN(Using filesort)
    3. JOINを全て実行してからソート(Using temporary; Using filesort)
  • 複数のテーブルに跨ってソートする場合はこれを使うしかないが、頻出する場合は設計を変えるべき

  • Using index for group by

    • MINやMAXをindexだけで算出できるケース
    • INDEX(colA, colB)
      • colA: GROUP BY
      • colB: MIN() or MAX()
  • Range checked for each record (index map: N)

    • 値の範囲によって実行計画がかわるもの
    • 直積よりはマシだがクエリを書き換えたほうが良い
    • index map: Nは使われるかもしれないインデックスの一覧の16進数
  • Not Exists

    • LEFT JOINで右側にレコードがない場合
  • Using join buffer

    • BNLやBKAなどのJOIN最適化で使うbufferを割当てた
    • 正しい用途で利用されているか見極める必要がある
  • Full scan on NULL key

    • INサブクエリでフルスキャンが走る場合があることを示す
    • SELECT col1, col1 IN (SELECT key1 FROM tbl2) FROM tbl1;
    • col1がNULLの時フルスキャンになるので、NOT NULLか確認する
  • index merge最適化

    1. Using intersect: 2つ以上のインデックスを用いた検索がANDで実行。PKEYは範囲、それ以外は等価を利用可
    2. Using union: 2つ以上のインデックスを用いた検索がORで実行。PKEYは範囲、それ以外は等価を利用可
    3. Using sort_union: 2つ以上のインデックスを用いた範囲検索がORで実行。MySQLが内部的にROWIDでソートするのでこう呼ばれている

EXPLAIN PARTITIONS

  • パーティションの刈り込みができているか確認する必須機能

チューニングの心得

  • クエリを書き換えても同じ結果になること
  • 実データを用いてEXPLAINする。カーディナリティが異なると実行計画も異なる
  • EXPLAINが良くなっても、実測値を必ず確認すること
  • テーブルに大量のデータ追加、削除、変更を行ったら、ANALYZE TABLEしたりOPTIMIZE TABLEすること
  • サブクエリは極力避けること。DISTINCTで代用可。
  • 必要なカラムだけをSELECTすること
  • マルチカラムインデックスを適切に貼ること
    • サイズが大きくなり、更新性能も落ちるので__適切__に
  • FORCE INDEX, STRAIGHT_JOIN ヒントを活用する
  • innodbはPKEYとそれ以外のindexに性能差が大きいので、できるだけPKEYを活用する

プロファイリング

  • SET profiling=1; SELECT …; SHOW PROFILE オプション;
  • 現在のセッションのみ有効
  • CPUリソース等の情報は、プロセス単位で計測してしまう
  • オプションのおすすめ
    1. BLOCK IO ディスクブロックのR/W
    2. SOURCE ソースコード情報
  • SHOW PRODILESでデフォルト15件まで過去分を見れる
  • Status 勘所
    • copying to tmp tableが長い
    • テンポラリテーブルが巨大で、MyISAMテーブルに変換するのに時間がかかっている(converting HEAP to MyISAM)
    • Sorting〜が長い
    • Sending dataが長い (JOINの効率が悪い)
    • executingが何度も現れる(サブクエリが何度も発行)

innoDBモニタ

  • innodb-status-file=1を設定しておくと、SHOW ENGINE INNODB STATUSの結果が15秒ごとに書き込まれる

レプリケーション

  • SBRを使うと転送速いが、下記のような結果が不定の処理で不具合が生じる
    1. ユーザー定義関数
    2. UUID(), USER(), LOAD_FILE()など
    3. ORDER BY無しのLIMIT
    4. 不定のストアド
  • READ-COMMITEDの場合は、RBRしか使えない

手順1. マスターからmysqldump

  • すでにマスターがあり、マスターを停止しないでスレーブを用意できるが時間がかかる

  • マスターで必要な設定を行う

[mysqld]
server_id=1
log_bin=mysql-bin
binlog_format=MIXED
max_binlog_size=100M
expire_logs_days=30
sycn_binlog=1
innodb_support_xa=1
innodb_flush_loag_at_trx_commit=1
  • マスターにレプリ用ユーザーを作成
GRANT REPLICATION SLAVE ON *.* TO 'ユーザー名'@'スレーブのホスト名' IDENTIFIED BY 'パスワード';
  • マスターデータをダンプする
mysqldump -u ユーザー名 -pパスワード --all-databases --master-data=2 --single-transaction --dump-slave --flush-logs > dumpfile.sql
  • スレーブのオプションファイルを設定する
    • 下記以外は全てマスターと同じ設定にする
[mysqld]
server_id=1000
report_host=slave1000
sync_binlog=0 # バイナリログを同期しない
innodb_flush_log_at_trx_commit=0 # ログをコミット毎にフラッシュしない
#skip_innodb_doblewrite # ダブルライトバッファの停止
  • スレーブサーバーを起動

    • --skip-slaveをつける
  • mysqldumpデータをリストア

  • スレーブでレプリケーション設定を行う

    • head -100 dumpfile.sql | grep CHANGE ログファイル名と開始位置を取得
    • CHANGE MASTER TO …
  • レプリケーション開始

    • START SLAVE;
    • 確認 SHOW SLAVE STATUS;

手順2 他のスレーブから直接コピー

  • すでにレプリケーション済みで、マスター停止せずに行う方法
  • 1台停止させて、ディレクトリ毎scpする
  • 手順1と同様

手順3 スナップショットを利用

  • データが大きく、マスター止めず。素早くセットアップする方法

  • スナップショットをとる

  • スナップショットをマウントし、スレーブサーバーにscp

  • 手順1と同様

よく起きる問題

  • SQLスレッドの停止 (Slave_SQL_Running: No)

  • メモリ不足

  • スレーブ上のテーブルを更新してしまった

  • バイナリログ欠損

  • バグ

  • IOスレッドの停止 (Slave_IO_Running: No)

    • ネットワークエラー
    • 設定の問題
      • max_allowed_packetがスレーブで小さい
    • レプリケーションユーザーがマスターにログイン出来ない
  • SQLスレッド遅延 (Seconds_Behind_Master)

  • IOスレッド遅延 (Master_Log_FileとRead_Master_Log_Posが違う)

    • 長時間かかるクエリはないか
      • マスタークエリ完了後にスレーブに転送されるため、実行時間がそのままスレーブ遅延になる
    • スレーブとマスターのスペックに差が大きい
    • スレーブリソース不足
      • 参照系が多いのでCPUが不足しがち
    • ネットワーク帯域不足
  • マスターの更新を止められるなら、pt-table-syncを使って同期するのがよい

堅牢にするには

  • マルチマスターレプリケーションにしない
    • 互いに更新しあわない
    • 同一行更新なりかねない
    • ホストの台数が増えるので逆効果
  • スレーブを更新しない
    • read_onlyを有効にしておく
    • SUPER権限があるrootでないと更新できなくなる
  • バイナリログを同期する (sync_binlog=1)
    • ディスクの負荷が高くなるので、IOPSが高いディスクのみ
  • HWや設定をあわせる
    • 特にInnodbバッファプール等のバッファ設定
    • 理想はserver_id以外は全て同じ
    • 性能のためにスレーブだけinnodb_flush_loag_at_trx_commit=0もあり
      • ただし復旧しなくてならない可能性が上がる
  • スレーブを複数用意する
    • ファイルコピーで復旧できるので
  • 一度に大量の更新をしない
  • 堅牢なNWを使う
    • バイナリログ破損のまま転送を防ぐために、SSLやSSHポートフォワーディングでマスタと接続する
  • テンポラリテーブルを使わない
  • スレーブ監視する
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