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基幹システムのクラウドリフトの現場から -クラウドリフトサービス(OCLS)事初め-

Last updated at Posted at 2022-12-05

この記事はクラウドリフトのユースケース記事を今後紹介していくにあたっての序文です

1.背景 - 『脱オラクル』の行き先が変わった

私は日本IBMやデロイトトーマツコンサルティングを経て、現在は日本オラクルに参画し、プリセールスエンジニアチームを担っています。商談中のユーザー企業から開示された資料の中に 『脱オラクルデータベース』と書いてあるのを初めてみたとき、(おぉマジか)と内心驚くと共に、(材料を一つずつ説明していけばなんとかなるだろう)と気を取り直し、事例を深く紹介するところから開始しました。クラウド時代の現在、技術の進歩が非常に速くなり、(そして誰もが忙しいので)知識の更新が後追いになるものです。

振り返ると、日本国内において「脱オラクルデータベース」であれこれ論じていた時期がありました。2016年頃から積極的にクラウドを利用しはじめた先駆的企業がやむにやまれず(あるいは清々しい気持ちで?)、見直しをしていました。当時としては、特にオラクルクラウド(OCI)の東京リージョン開設の2019年頃までは選択肢が限られていました。

数年経ち、オンプレミスExadataユーザーがパブリッククラウドを使い始めたものの性能が出ずにクラウド版ExadataであるExaDB-D(Exadata Database Dedicated)に乗り換えるケースが増えています。

性能以外にも、クラウド移行費用がアプリケーション修正などで膨れあがるケースや、リフトしてまもなくインスタンスの拡張性の限界と費用負担に悩むケース、性能や可用性の要求水準を満たさないためリフトを慎重に検討しているケースなどがあります。

こうした課題や出戻り事例は表面化しづらいため、知る人ぞ知る情報であり、今「脱オラクルデータベース」を検討中のユーザー企業にとっては先行者の経験は参考になるはずです。一方で、私も業界にいたので気持ちはわかるのですが、コンサルティングやシステムインテグレータ業界も類似の過去案件/実績があればとても安心ですので、こうした情報共有はあらゆる関係者にとって大切だと思います。

先述の商談では、ユーザー企業とシステムインテグレータ向けに場を設けて事例を紹介したところ、「もっと早く教えて欲しかった。ポスグレ(PostgreSQL)移行を見合わせる」・「ExaDB-Dの性能検証をしたい」という反応でした。(結果、採用いただきました)

現在では、「脱オラクルデータベース」検討後の行き先は「オラクルクラウドのデータベース」が候補となっています。


2.背景 - かつての『クラウド抵抗勢力?』が『ビジョナリー』に

ミッションクリティカルシステムの一部は現在もオンプレミス上で運用されています。移行の工数やコスト負担が重かったり、パブリッククラウドが可用性等の非機能要件を満たせなかったという背景があります。日本国内において2019年にOCIの東京リージョンが開設されてから急速に克服されつつあります。

OCIは後発ゆえに、先行者のクラウドデータセンターのアーキテクチャが、ミッションクリティカルシステムの要件からみたときに遅延やセキュリティ・拡張性の制約を抱えていることに気づくことができ、それらを克服したアーキテクチャでクラウドを再構築しました。これを第二世代と呼んでいます。

一度作って作り直したので、日本では他社に出遅れること8年!
ひとことで振り返ると「それしか提供できるサービスがなかった時代」が長かったといえます。

image.png

OCIは、独自の戦略と実行スピードが認められ、従来のニッチから今や『ビジョナリー』の一つへ、世間(ガートナー2022年10月発表)からの評価が前進しました。

リンク:GartnerによるPaaS/IaaS各社の強みや考慮点まとめ(英語)

ユーザー企業がクラウドを選択するときに、性能、セキュリティ、運用の省人化や機器調達の容易性、拡張性と柔軟性、そしてコスト効率が、経営にどのように貢献するのかが問われます。これらの点でOCIがいかに特長のある選択肢になっているかは本当によく問い合わせを受けます。

リンク:Gartner発表を受けてオラクルクラウドの現在地についての公式Blog


3.技術動向 - シングルよりも『マルチクラウド』

各社のパブリッククラウドサービスは目覚ましく進化しつづけており、特長がはっきりしてくると、先進的なユーザー企業から、いいとこ取り/使い分けをし始めています。(グローバルなコンサルティングファームやシステムインテグレータもその変化に敏感です。)その動きを下支えしているのは、最近ではマルチクラウド運用のためのサービスが整ってきたことがあげられます。大きくは3つの変化が同時に進んでいるといえます。

(1)日本国内の相互接続サービスの実績が増えた
  • Equinix Cloud Exchange (EQUINIX)
  • Megaport Cloud Router (MEGAPORT)
  • FIexibleInterConnect (NTTコミュニケーション)
  • Coltクラウド接続サービス など
(2)パブリッククラウド事業者同士が協調しはじめた
(3)マルチクラウド統合管理のサードパーティツールが増えている

(順不同です)

つまり、クラウドサービス間の遅延や使い勝手が向上し、運用負荷や学習コストが低減しつつあります。


4.机上検討と実機検証からの気づきを紹介していきます!

このように実現手段や環境が整ってきた中で、ユーザー企業から「OCIが当社の要件を満たすのかどうか机上だけではなく実機で検証してみたい」・「OCIを標準クラウドに加えたいので社内で合意形成するのに様々な事実や評価を知りたい」という声が今とても増えています。

そこで、コンサルティングサービスやシステムインテグレータがカバーしきれない局面にある個別案件の相談を、「クラウドリフト」の切り口からワークショップや環境プロビジョニング等でご支援しています。(サービス名称は「クラウドリフトサービス」のアタマに「オラクル」をくっつけただけのシンプルな名前です)

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案件を手掛ける中で、ユースケースや構成、プロジェクトの考慮点等のノウハウがたまってきているので今後紹介していきたいと思います。(宣伝目的にならないように留意していきます)

どうぞよろしくお願いします

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