はじめに
業務システムの良し悪しが、
最もはっきり露呈する瞬間があります。
それは 引き継ぎ です。
- 担当者が異動する
- 退職する
- 休職・長期不在になる
このとき、
「これまで問題なく動いていた仕組み」が
突然止まることがあります。
この回では
引き継ぎの観点からシステム選定について整理します。
1. 結論:引き継げない仕組みは、選定の時点で失敗している
引き継ぎは例外的なイベントではありません。
業務が続く限り、
人は必ず入れ替わります。
それにもかかわらず、
- 特定の人しか触れない
- 説明が口頭でしか存在しない
- 「慣れれば分かる」が前提になっている
こうした仕組みは、
選定の段階で無理を抱えています。
2. 引き継ぎで詰むシステム
引き継げない仕組みにはある程度特徴があります。
- 判断が人に委ねられている
- 危険な操作が仕組みとして残っている
- 全体像を短く説明できない
これらはすべて、
人の理解力や経験に依存した選定 の結果です。
3. 引き継ぎを成立させるための、選定時の具体的な判断ポイント
引き継ぎは
「丁寧に教えるかどうか」で決まりません。
選定時に、次の3点を満たしているかを見ます。
① 判断が「選択」になっているか
引き継ぎで最も困るのは、
- どこで判断が必要なのか分からない
- 何を基準に判断すればいいのか分からない
という状態です。
選定時には、
- 自由入力が多くないか
- 人の裁量で決める場面が多すぎないか
を確認します。
判断が選択肢や分岐に落ちていない仕組みは、引き継げません。
② 危険な操作が「仕組みとして」制限されているか
引き継ぎで一番怖いのは、
知らずに致命的な操作をしてしまうことです。
- 触ってはいけない場所が存在しないか
- 間違えると致命的になる操作が残っていないか
を見ます。
「注意すれば大丈夫」は設計ではありません。
危険操作が残る仕組みは、引き継ぎに向いていません。
③ 全体像を「短く」説明できるか
引き継げる仕組みほど、説明は短く済みます。
- 業務の流れが1枚で説明できる
- 例外が大量にぶら下がっていない
逆に、
- 分厚いマニュアルが必要
- 注意書きが延々と続く
場合、
仕組みが人の理解力に依存しています。
選定時には、
初見の人に、5分で説明できるか?
と自問するのが有効です。
③ 全体像を「短く」説明できるか
引き継げる仕組みほど、説明は短く済みます。
- 業務の流れが1枚で説明できる
- 例外が大量にぶら下がっていない
逆に、
- 分厚いマニュアルが必要
- 注意書きが延々と続く
場合、
仕組みが人の理解力に依存しています。
選定時には、
初見の人に、5分で説明できるか?
という観点が必要です。
4. 結論:引き継ぎは「努力」ではなく「選定」で決まる
引き継ぎが大変なのは、
担当者の説明不足ではありません。
- 判断が人に残っている
- 危険操作を人が避ける前提になっている
- 理解力に依存する設計になっている
こうした状態で選ばれたシステムは、
誰が引き継いでも苦労します。
引き継ぎを楽にしたいなら、
人ではなく仕組みに仕事をさせる選定
が必要です。