はじめに
このシリーズでは、
「Excelはダメ」「Accessが正解」「RPAを使うべき」
といった結論を出してきませんでした。
それは、
ツールに正解はなく、判断には前提がある
からです。
最終回では、
これまで扱ってきた観点を
どう使えばよいのか を整理します。
1. 問題はツールではなく「選び方」
業務で起きる多くのトラブルは、
- Excelを使ったこと
- Accessを選ばなかったこと
- RPAを導入したこと
そのものが原因ではありません。
問題になるのは、
なぜそれを選んだのか分からない
という状態です。
判断基準を持たずに選ばれたツールは、
必ずどこかで破綻します。
2. 判断基準は「後から使える」ものでなければならない
良い判断基準とは、
選ぶ瞬間だけ役に立つものではありません。
- 業務が変わったとき
- 人が入れ替わったとき
- 問題が起きたとき
後から振り返って説明できる ことが重要です。
説明できない判断は、
次の判断に使えません。
3. このシリーズで見てきたこと
ここまで、次のような観点を見てきました。
- 業務はどれくらい続くのか
- データは増える前提か
- 失敗したときに戻れるか
- なぜその選択をしたのか説明できるか
- 人が変わっても回る前提か
これらはすべて、
この業務は、
「仕組み」で扱う段階に来ているか?
を見極めるための材料です。
4. 判断基準を持つということ
判断基準を持つとは、
- 正解を覚えること
- ツール名を暗記すること
ではありません。
- 何を優先し
- 何を捨て
- どこで妥協したのか
を 言葉にできる状態 にすることです。
これができていれば、
- 選択は検証でき
- 変更も正当化でき
- 次の人に引き継げます。
5. Excelを使ってもよい場面は、確かに存在する
このシリーズは、Excelの否定ではなく、
また、特定のツールを勧めるものでもありません。
- 個人利用
- 短期的な業務
- 失敗しても影響が小さい処理
こうした場面では、
Excelは今も有効な選択肢です。
重要なのは、
それを分かったうえで選んでいるか
という点です。
6. 「とりあえず」は判断ではない
よくある選択がこれです。
とりあえずExcelで
今はこれで回っている
これは判断ではなく、
判断の先送り です。
先送りされた判断は、
後から必ず利子を付けて返ってきます。
7. 最後に:このシリーズの使い方
このシリーズは、
- 読んで終わるもの
- そのまま当てはめるもの
ではありません。
- 選定で迷ったとき
- 説明を求められたとき
- 作り直しを検討するとき
思考を整理する道具 として使ってください。
結論
Excelを使うな、ではない。
Accessを使え、でもない。
問うべきなのは、これです。
その選択を、今も他人に説明できますか?
YESと言えるなら、
その判断は業務として成立しています。
おわりに
業務に使用するシステムは、 「作ること」よりも 選び続けること の方が難しい。
判断基準を持つとは、未来の自分を守ることです。
このシリーズが、その助けになれば幸いです。