はじめに
業務システム選定で、最も軽視されがちなのが
「この業務、いつまで続くのか?」 という問いです。
- とりあえず作る
- 一旦これで回す
- 後で考える
この判断が、Excelを「業務システム化」させる最大の原因になります。
今回は 業務の寿命(時間軸) に絞って判断基準を整理します。
※本記事での「業務の寿命」とは、
その業務を支える仕組みが、改修・引き継ぎ・延命で使われ続ける期間 を指します。
1. 業務の寿命は、事前にはほぼ当たらない
実務では、こうなりがちです。
- 今年だけの対応 → 来年も使う
- 暫定対応 → 恒久化
- 担当者限定 → 部署標準
だからこそ
最初に寿命で分類する 必要があります。
2. 業務寿命の3分類(本記事での定義)
① 一時業務(寿命が明確)
- 期間・終了条件が決まっている(年度に縛られない)
- 再利用しない
- 担当者も限定
→
Excel・手作業・簡易自動化で問題になりにくい。
② 期間業務(終わるはずだが延びやすい)
- 年度・プロジェクト単位
- 制度変更・状況次第で延命
- 引き継ぎが発生しやすい
→
最も事故が起きやすいゾーン。
「軽く作ったExcel」が、そのまま残り続ける。
③ 恒久業務(終わらない前提)
- 定常業務
- 担当交代が前提
- 改修・追加が必ず発生
→
Excelを“業務システム”として使うと、いずれ人・責任・保守で破綻。
3. Excelが問題になるのは「寿命②→③」への変化
Excelが壊れるのは、
データ量が増えたときだけではありません。
- 業務が終わらなかった
- 担当が変わった
- 仕様が増えた
この 時間の経過 が、Excelを「危険な業務基盤」に変えます。
4. 寿命の判断基準
- 終了条件が曖昧
- 来年も使う可能性がある
- 制度・ルール変更の影響を受ける
- 担当者が変わる可能性がある
これらに当てはまるのが延命前提で考えるべき業務 です。
5. よくある誤判断
誤判断1:短期だから設計は不要
短期でも 延びた瞬間に負債化 します。
誤判断2:延びたら作り直せばいい
現実には、
- データが溜まる
- 業務が止められない
- 作り直す時間がない
で、作り直されません。
誤判断3:Excelでも長く使っている例がある
それは
「使えている」のではなく「まだ破綻していないだけ」 だけです。
6. 実務的な結論
- 延長の可能性がある → 延命前提(業務システム化を念頭に置く)で作る
- 終わらない → 最初から業務システムとして考える
この業務が続いたらどうなるか?
この問いに耐えない仕組みは、時間とともに歪みます。