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業務に使用するシステムの判別基準―「個人利用」と「業務利用」

Last updated at Posted at 2026-01-14

はじめに

業務改善や自動化の現場では、次のような流れが非常に多く見られます。

  • 最初は自分用に作った
  • 少し便利だったので共有した
  • いつの間にか業務で使われている

この流れ自体は自然です。
問題は、「個人利用」と「業務利用」の境界を明確にしないまま進むことにあります。

本記事では、
アプリケーション・システム選定以前に必ず確認すべき判断基準として、
「個人利用」と「業務利用」を分ける境界線を整理します。

結論を先に

次のいずれかに当てはまった時点で、それは 個人利用ではありません

  • 他人が使うことを前提にしている
  • 自分が不在でも業務を回す必要がある
  • ミスしても「自分だけが困る」状態ではない
  • 結果が業務判断・金銭・顧客対応に影響する

この時点で、
「とりあえずExcelで作る」「個人ツールだから問題ない」
という判断は成立しません。

個人利用とは何か

個人利用とは、次の条件をすべて満たすものです。

  • 使用者が自分一人
  • 結果の責任を自分だけが負う
  • 壊れても自分が困るだけ
  • 使わなくなっても業務が止まらない

要するに、

失敗しても自己責任で回収できる範囲

これが個人利用です。

業務利用に変わる瞬間

次のいずれかが発生した瞬間、性質は完全に変わります。

① 他人が使い始めた

  • 使い方を聞かれる
  • マニュアルを求められる
  • 「これ動かない」と言われる

この時点で、
ツールはあなたの私物ではありません

② 業務フローの一部になった

  • 使わないと作業が完結しない
  • 定期業務の工程に組み込まれた
  • 「今日はこれを回す日」と認識されている

これはすでに業務システムの一部です。

③ ミスが業務事故になる

  • 数値が違えば報告内容が誤る
  • 処理漏れがあればトラブルになる
  • 顧客・取引先に影響が出る

ここまで来ると、「個人の工夫」で済む話ではありません。

境界を曖昧にすると危険

理由① 責任の所在が消える

個人ツールの延長で作られたものは、

  • 管理者が決まっていない
  • 仕様が定義されていない
  • 想定外の使われ方をする

結果として、問題が起きたとき、誰も責任を取れない状態になります。

理由② 修正・改善ができなくなる

  • 開発者しか分からない
  • 開発者ですら「昔の自分」が分からない
  • 触ると壊れそうで誰も触れない

これは技術力の問題ではありません。
判断基準を誤った結果です。

よくある誤解

❌「最初は個人利用だったから問題ない」

使われ始めた時点で再判断が必要

開始時点の目的は、判断基準になりません。

❌「小規模だから業務利用ではない」

規模は関係ない

影響範囲と責任の有無が基準です。

判断のためのチェックリスト

以下に1つでも当てはまれば、
それは個人利用ではありません。

  • 他人が操作する
  • 手順書が必要
  • 実行忘れが問題になる
  • 結果が記録・報告に使われる
  • 開発者が不在になると業務が止まる

対策

  • 個人利用 → 個人ツールでよい
  • 業務利用 → 業務として設計し直す

ここで初めて、
どのアプリケーション・システムで開発するか
といった選択の議論が意味を持ちます。

まとめ

大前提として 「個人利用」と「業務利用」は明確に分けるべき

  • 境界線は 人数や規模ではなく、責任と影響
  • 境界を越えた瞬間、ツール選定はやり直さなければならない
  • 技術の問題ではなく、判断の問題
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