みなさんPower BI Report Builderを使ってますか? えっ?Power BI Desktop使うから必要ないですって?まあそうかもしれませんが、知っていて損はないのでぜひお付き合いください。
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Power BIで社内の情報なんかをビジュアル化しているけれど、定期的なデータのスナップショットを取ったり、必要な人がそれをメールで受け取れたりする仕組みを簡単に作りたい人向けの記事です。
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職場でPower BIを使ったり困っている人のサポートをしたりしてます。Qiitaの記事 や 個人的なブログ ではPower AutomateクラウドフローについてのTIPSのようなものを作ったりしているので、良かったら読んだり「いいね!」していただけると励みになります。
今回のテーマは改ページレポートのサブスクリプション
Power BI サービスでBIレポートを開いたときに、上のほうに「受信登録する」というボタンがあります。これを開くと「サブスクリプション」が現れます。
通常のレポートでも改ページレポートも、この機能は利用できるのですが、ちょっとだけ違いがありますので、そのあたりの違いと、特にあまりなじみがないと思われるPower BI Report Builderの使い方について紹介できたらなぁというのがこの記事の趣旨です。
この「サブスクリプション」っていう表現は、日本人には「有料月額定額払いのサービス」っていうイメージがあるので、お金を取られるもののように思えて押しづらいですよね。「定期通知の送信設定」みたいな表現にすればいいのに……。
クリックしてみるとわかるのですが、「サブスクリプション」はメールで定期的に通知を送ってくれる機能のことです。
この機能のうれしいポイントは「完全なレポートの添付」という機能がついていることです。Power BI のレポートをPDFやPowerPointのファイル化してメールに添付して送ってくれるのです。
ただし、レポートは Premium容量が適用されたワークスペースに置いておく必要があります。もしくはFabric容量が必要。(F64以上かな?)
お金がない私ですが、Fabric無料期間 でワークスペースにダイヤモンドマークを付けて試してみます。
いちどブラウザを閉じてから再度開くと、レポートの添付を選択できるようになっていました。
表紙ページまでついたかっこいいPPTファイルが届いてびっくりです。
本題はここから。改ページレポートとは?
そういえば、改ページレポートって何なのか説明を何もしていませんでした。
Power BIの普通のレポートは、表などが枠の中に入っていてブラウザ上でスクロールして表示させます。
テーブル右上角の三点リーダーからエクスポートさせることができますが、毎回手作業でエクスポートするのも面倒です。
レポート画面は1ページずつデザインが別で、インタラクティブに操作するには良いですが、単純にデータの続きを次ページでめくるようなことができません。
これに対して、改ページレポートは、長いデータもページめくりをして表示することができます。長い行数を持つようなデータの場合にページめくりができるのは便利ですし、「エクスポート」ボタンを押すだけで様々なデータ形式でファイル出力できるのも魅力的です。
こんなに便利なのにあまり話題に上らないのは、おそらくレポートの作成に「Power BI Report Builder」という別のアプリを使って作らないといけないからだと思います。もったいない。
いよいよ Power BI Report Builderを使ってみる。
試してもらうために、Power BI デスクトップのサンプルデータを使います。
適当にテーブル配置して「発行」し、Power BI サービスのPremium容量が適用されたワークスペースに発行します。(レポートへのテーブル配置などは、とくになくても大丈夫です。目的はPower BI サービス上にデータの入ったセマンティックモデルを置くことだけなので。私はFabric容量が適用されたワークスペースを使ってテストしてます)
ワークスペースにセマンティックモデルが配置されました。
セマンティックモデル自体はPremiumなワークスペースでなくても大丈夫です。後でレポートを配置する場所がPremiumワークスペースだとメール送信に添付が使えます。
Power BI Report Builderを起動して、「空のレポート」をクリックします。
画面右側、「データセット」というフォルダマークの上で右クリックして、「データセットの追加」を選択します。
データソース(D)の右側にある「新規」ボタンをクリックするとダイアログが現れます。
「接続の種類の選択:」では「Power BI セマンティックモデル」を選択し、そのあとで「ビルド」ボタンをクリックします。
アクセスできるワークスペースの一覧が左側に表示されるので、先ほどセマンティックモデルを配置したものを選択し、データを取ってくるセマンティックモデルを選択します。このデータを使って改ページレポートを作るんですね。
セマンティックモデルに接続するための接続文字列が自動でセットされましたので、「データソースのプロパティは「OK」をクリックして閉じます。次にクエリの部分を追加します。
クエリを追加するには「クエリデザイナー」が便利です。クリックするとデザイナーが開きます。テーブルの中の列部分から、必要な列を右側の空白スペースにドラッグします。表にしたい列がそろったら、「クエリを実行するにはここをクリックしてください」の部分をクリックします。
少し待つとデータの中身が表示されました。問題なければ「OK」をクリックします。
データセットの中に、さきほどドラッグアンドドロップした列が表示されて利用できるようになりました。
「挿入」から「テーブルの挿入」をクリックします。
右側の空白部分で箱を描くようにドラッグするとテーブルの枠が作られます。
列の部分を表の上にドラッグアンドドロップすることで設定できます。列が足りなければ右クリックして列追加ができます。
タイトル部分にも入力して体裁を整えたら、「ホーム」>「実行」をクリックしてみましょう。
改ページレポートは、ローカルで使うもよし。
Power BI サービス上のセマンティックから取得したデータをもとに、実際の値が反映されました。「次へ」のボタンがあることでわかるように、ページ送りができます。Power BI Report Builderではこの画面から「印刷」やファイル形式を選択して「エクスポート」も可能です。
ローカルでこのまま使うだけでも、必要な今のデータをすぐにファイル化できて便利ですが、今回のテーマは「サブスクリプション」を使うことなので、改ページレポートもPower BI サービスに公開(アップロード)しましょう。「実行」>「デザイン」をクリックするとテーブルデザインの編集画面に戻ります。
改ページレポートのPower BI サービスへの公開
先ほどの実行結果ではテーブルに少し余白が多かったので、テーブルの行を狭くしてみます。編集ができたら「ホーム」>「公開」ボタンをクリックします。
公開(Power BI Desktopでは「発行」なので、表現を統一すればいいのにね)ボタンを押した後、改ページレポートを置くワークスペースを選択してから、改ページレポートの名前を付けて「公開」をクリックします。あとでPower BI サービス上の操作で変更することもできるので適当で大丈夫です。
ワークスペースに配置されて、WEBブラウザ上で改ページレポートが表示できるようになりました。
ようやくたどり着いた改ページレポートのサブスクリプション
いよいよレポートの購読を試せるようになりました。方法は通常のレポートと同じなのですが、違いは添付できるファイル形式の豊富さです!これだけ多様ならいろいろ使えそうです。
メールの送信タイミングも簡単に設定できるので、わがまま上司の「必ず週明けにはレポートを私にメールするように!」的な指示を、しれっと自動化するなんていかがでしょうか?
ここまで書いていて恐縮ですが、Power Automateを使えばいいじゃない?
実は、同じことはPower BI Desktopから発行したセマンティックモデルに対して、Power Automateの
「データセットに対してクエリを実行する」アクションを使うことで実現できます。以前に記事にしたことがあるので、ぜひ使ってください。
いかがでしたか?
Report Builderはちょっとインターフェイスがいかめしい感じがしますが、今回のように簡単なテーブル配置をした改ページレポートを作るだけならそんなに難しくありません。
よさそう! やってみよう! という方はぜひチャレンジしてみてください。 記事にいいね!やストックをしていただけると嬉しいです。 ではまた。