最近、やたらと不安を煽るAI製品(Clawdbot/Moltbot)の広告を見かけませんか?
「Mac miniが売り切れになるぞ!」と連呼する、あの一見変わったプロモーションです。肝心の中身については触れず、とにかく「急げ」と急かしてくるやつです。
でも、注文ボタンを押す前に、ちょっと冷静になりましょう。
常識で考えればわかりますが、ネットにさえ繋がれば、古いスマホだろうが、クラウド上のサーバーだろうが、ルーターだろうが、そのプログラムは動くはずです。わざわざ特定のパソコンとセットにする必要なんて、どこにもないんです。
要するに、これって一種の「見せかけ」なんですよね。
Macという「実物」の力を借りて、本来は形のないソフトを、あたかも「自分専用のすごいロボット」みたいに見せかけているだけなんです。
売る側はそうやって、私たちの冷静な頭を麻痺させようとしています。単なる便利ツールじゃなくて、SF映画に出てくるような「相棒」を手に入れたい!という所有欲を、うまく刺激してきているわけです。
正直、こういう中身をごまかして雰囲気で売るやり方は好きじゃありません。
もちろん、開発者が必死になる気持ちもわかります。今のAI業界は競争が激しすぎますから。「技術的にここがすごい」と真面目に説明しても、誰も聞いてくれません。だから、「売り切れ寸前!」とか「AIに仕事を奪われるぞ」とか、あるいは「自分だけが特別な相棒を持っている」みたいな優越感をくすぐるしか、注目を集める方法がないんでしょう。
残念ながら、この騒がしい環境を変えることはできません。でも、耳を塞いで無視することなら、私たちにもできます。
私のルールはシンプルです。
「仕事で使うなら、開発元の公式ツールと、一番賢い最新モデルしか使わない」
理由は単純。パソコンの計算代よりも、私の時間と労力のほうがずっと高いからです。
今、世の中には既存のAIをちょっと加工しただけのツールや、二番煎じの格安サービスが溢れています。
確かに、2割のコストで8割くらいの成果が出せる優秀なものもあります。趣味でいじる分には楽しいでしょう。でも、仕事の現場では私は絶対に使いません。
「80点のツール」と「95点のツール」の差は、数字以上に大きいからです。
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95点の体験(公式の最新版など):
指示を出す。仕事が終わる。すぐ次に取り掛かる。これだけ。 -
80点の体験(格安の代用品):
指示を出す。AIがちょっとおバカだから、微妙に話が通じない。言い方を変えてみる。数日使うとエラーで止まる。調べたらバグだった。直るのを待つ……。
安く済ませたつもりが、ツールのダメな部分を補うために、「自分の時間」を切り売りしていることに気づくはずです。
もし今、ツールを使って楽をする時間よりも、設定や調整に費やす時間のほうが長いなら、すぐにやめるべきです。
その貴重な時間を、もっと意味のあることに使いましょう。仕事をさっさと終わらせて、家族とゆっくり過ごすほうが、よっぽど価値があるはずですから。