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「センス」とは何なのか

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ここ数日、「AIを使う上で最も重要なのはセンスだ」という意見をまた目にしました。今年に入ってから、この手の話題は数え切れないほど見かけています。

では、そもそもその「センス」とは一体何なのでしょうか。

この問題を考えた時、昔ハマっていたゲームの記憶が蘇りました。当時、私たちはよくプレイヤーの「立ち回り」や「状況判断力」について議論していましたが、当時の私はそれが具体的に何を指すのかよくわかっていませんでした。

その能力の正体は、何年も経ってからようやく言語化されました。それは、相手が何をしているのかを予測し、現在の戦況から自分が今一番すべき行動を判断する能力のことだったのです。

このように定義づけることで、それは単なる天性の才能から、学習や練習が可能で、定量化できるスキルへと変わりました。

「センス」も、これと同じように分解して考えられるはずです。 以下は、私が考えるセンスについての考察です。

センスとは何か

結論から言うと、センスとは物事の良し悪しを見極める能力だと考えています。

創作のプロセスに落とし込むなら、山のようにある選択肢の中から、何をすべきか、そして何をすべきでないかを判断する能力です。

例えば文章を書く時、センスとは自分の表現欲をグッとこらえ、要点だけを的確に伝えることに現れます。

コードを書く時であれば、起こるかわからない未来の要件のために過剰な設計(オーバーエンジニアリング)をせず、最も読みやすい構文を選び、無駄な抽象化を避けることです。

プロダクト開発においては、一見便利そうでも、実のところ「何か作った感を出したい」という作り手のエゴに過ぎない機能を削ぎ落とすことです。

今、多くの人が「AIとの協業で最も重要なのはセンスだ」と語るのは、AIのデフォルトの出力がどうしても無難なものに寄ってしまうからです。AIはすべての文章を隙なく完結させ、あらゆる可能性を網羅しようとします。その結果、アウトプットはどうしても冗長で、テンプレート化され、過度な防衛線を張ったような内容になりがちです。

AIは何事も丸く収めようとしますが、人間のセンスが介入することで、最も重要な部分にAIのフォーカスを絞り込むことができるのです。

センスは鍛えられるのか?どうやって磨くのか?

ゲームの立ち回りと同じように、センスも後天的に鍛えられると私は信じています。

なぜなら、優れたものをたくさん知っていれば、質の低いものに出会った時、無意識のうちに違和感を覚えるようになるからです。

1. 意図的に「良いもの」に触れる

AIのおかげで浮いた時間を、私は休息だけでなく、優れたプロダクトや文章、美しいコードの探求に充てています。自分に吸収できる長所はないか、解像度を上げて観察するのです。

2. アウトプットを増やす

良いものをたくさん見ていると、どうしても「目が肥えているのに腕が伴わない」状態に陥ります。他人の粗は見えるのに、自分ではそれ以上のものを作れない状態です。楽器を習ったことがある人ならわかると思いますが、手よりも先に耳が肥えてしまい、自分のミスはわかるのに指がついてこない、あの感覚です。

これを打破するには、とにかく手を動かしてアウトプットを増やすしかありません。ここで一つ個人的な経験則があります。それは、手を動かしている最中は自分にダメ出しをしないことです。

以前の私は、文章を書いては消し、コードを書いてはリファクタリングの沼にハマっていました。「ここがイマイチだ」と見えてしまうからです。しかし、これでは全く作業が進みません。

そこで私は、まずは質を問わずにとにかく形にし、修正はその後に行うというやり方を覚えました。こうすることで、センスは自分の足かせではなく、推敲のための強力なパートナーになります。

3. まずは達人を模倣し、それから独自性を追求する

何かを作り上げた時、私は自分にこう問いかけます。「もしこの分野の第一人者である〇〇さんなら、これを世に出すだろうか?彼ならどこを削るだろうか?どんな評価基準を持っているだろうか?」と。

この方法は非常に効果的です。「だいたいできたからいいや」で妥協するのではなく、より高い基準で自分の成果物を客観視できるようになります。

これを続けていくうちに、徐々に自分独自のスタイルが確立されていくことに気づきました。最終的には誰かを模倣する必要すらなくなり、純粋に「より良いものを作る」ことだけに集中できるようになりました。

4. AIと協業する時は、自分の直感を信じる

AIは確かに優秀ですが、「なんだか少し違う気がする」と判断する役割は、私たち人間が決して手放してはいけない領域だと思います。

現在の私のルールはこうです。AIの提案に少しでも違和感を覚えたら、面倒くさがらずに立ち止まる。そして、どこに問題があるのかを明確に言語化できるまで、その違和感の正体をAIと一緒に深掘りします。


では、自分のセンスが磨かれているかどうかは、どうやって測ればよいのでしょうか。

私は以下の2点で判断できると考えています。

一つ目は、過去の自分を振り返ること。エンジニア界隈ではよく「半年前に書いたコードは他人のコード」と言いますが、半年前の自分の作品や考えを見て「なんだこれ、ひどいな」と赤面するレベルなら、それは確実にセンスが向上している証拠です。

二つ目は、今の自分の解像度を見ること。以前は質の低いものを見ても「なんか微妙」としか言えなかったのが、今は「具体的にどこが悪くて、なぜ悪いのか、どうすれば改善できるのか」を明確に言語化できるようになったか。 これが、センスが磨かれた何よりの証です。

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