1. はじめに
この記事は Qualcomm が2025年末に発売し、日本では2026年1月に技適取得版が流通した Arduino UNO Q の初回セットアップから各種サンプルアプリの導入までを記した内容となります。
解説と言うほど噛み砕く内容はないですが、購入前にどんなことをする?/どんなことができそう?のイメージができればと思います。
※ ただし、セットアップを終えた時点で記事を書いているため、まだ応用を書けるほど使い込んでいません。その辺は追々。
2. スペック
現時点で2種類の製品があり、性能差は RAM とストレージの容量と、それによる値段です。
| 項目 | スペック等 |
|---|---|
| CPU | Qualcomm QRB2210 (Cortex-A53) 2.0GHz 4コア |
| MCU | STM32U585 (Cortex-M33) 160MHz 1コア |
| RAM | LPDDR4 2GB/4GB |
| ストレージ | eMMC 16GB/32GB |
| WiFi | 2.4/5GHz |
| Bluetooth | BLE 5 |
| 値段 | 9,900 円 / 13,200 円 |
ラズパイと比べると、Linux を動かす環境だけ見ても少し安め。SDカード内蔵(eMMC)で MCU も付いていて、ラズパイの出荷台数に対しての値段を考えるとかなり頑張っている方、でしょうか。
ただ、今どきの Linux 環境としては RAM が 2GB / 4GB は少々心許ない、かも?
3. 必要なもの
最低限、Type-C の USB ケーブルさえあればOKです(要データ通信、充電用は不可)。ただしネットワークにつなげる場合は WiFi が必須です。
ラズパイでは、マイクロ SD カードの他、機種や用途によってはACアダプターや(mini)HDMIケーブルが必要になりますが、この辺はかなりシンプルですね。
4. セットアップ
基本的に公式のツールを使って初回セットアップを行います。
4.1. Linux 系のみ
Linux では USB デバイスとして検出できるように事前に udev の設定が必要です。
SUBSYSTEM=="usb", ATTR{idVendor}=="2341", ATTR{idProduct}=="0078", MODE="0666", GROUP="plugdev"
4.2. ツールのダウンロード
以下が公式のツールです。OSに合わせてダウンロードしてください。
4.3. ツールの実行
ツールを起動すると以下のような画面になります。Arduino UNO Q をUSBで接続しておくと対象デバイスが表示されますので、それをクリックして先に進めます。
4.4. ファームアップデート
出荷時のファームは基本的に古くなっているため、諸設定の前にアップデートを促されます。アップデート作業用に PC 側に 10GB の空き容量を求めてくるので受け入れます。
データがすべて消えますよ、の確認が出るので許容するなら Start flashing をクリック
ダウンロード進捗画面
ダウンロードなどが一通り終わると以下の画面が出て来ます。
Arduino UNO Q を一旦 PC から切断した上で、図示されている箇所にジャンパーピン挿して改めて PC に USB 接続します。
ジャンパーが有効になっていて、USB 接続で検知したら以下のように自動的に書き込みが進みます。
アップデートの成否結果の画面が表示されるので、OK, done で先に進みます。
4.5. WiFi の設定
WiFi の SSID / Passphrase の設定を促されます。
4.6. UNO Q 自体のアップデート
ツール自身と、ツールと連携するアプリのアップデートも行われるようで、受け入れます。
進捗画面
アップデートが完了すると、このツールの再起動を促されます。
4.7. 初回設定
Arudino UNO Q を接続した状態でツールを起動すると初回と同じくデバイスが一覧に表示されて選択できるようになっています。
4.7.1. Board Configuration
初回時はホスト名を設定します。
4.7.2. Linux Credentials
同じく初回時はログインアカウントの設定が必要になります。
アカウント名は arduino 固定っぽいので、パスワードを設定してください。
ここまでで、基本的な設定は完了となります。
5. サンプルアプリの導入
以降は、このツールを使ってサンプルアプリをインストールするなどの機能も使えます。
6. 自作アプリの作成
一応、このアプリを python のコードエディターとしても使えるようです。
使い勝手は正直悪そうですが、Arduino IDE も使い勝手悪いので、それを踏襲した…?
6.1. 新規アプリの作成
6.2. プロジェクト名の決定
6.3. エディター画面
6. 最終的なデータ量
Weather forecast on LED を入れただけのほぼ素の状態で、ストレージ消費量は 13.31 GB 中 6.84 GB。
実際の容量/消費量
arduino@Qorgi:~$ df -m
Filesystem 1M-blocks Used Available Use% Mounted on
udev 845 0 845 0% /dev
tmpfs 175 2 173 1% /run
/dev/mmcblk0p68 9959 6402 3060 68% /
tmpfs 871 1 871 1% /dev/shm
efivarfs 1 1 1 2% /sys/firmware/efi/efivars
tmpfs 5 0 5 0% /run/lock
tmpfs 871 1 871 1% /tmp
tmpfs 1 0 1 0% /run/credentials/systemd-journald.service
/dev/mmcblk0p69 3666 600 2896 18% /home/arduino
/dev/mmcblk0p67 488 113 375 24% /boot/efi
tmpfs 175 1 175 1% /run/user/103
tmpfs 1 0 1 0% /run/credentials/getty@tty1.service
tmpfs 1 0 1 0% /run/credentials/serial-getty@ttyMSM0.service
tmpfs 175 1 175 1% /run/user/1000
7. まとめ
現時点では意外(?)と Arduino Uno Q の記事が少なく、少し盛り上がりに欠ける印象ですね。
しかし、MMU 付きの CPU + MCU という構成は、家電製品に於いてもよく採用される組み合わせであり、その試作や教材として期待しているところです。
これまで投稿してきた Zephyr もサポートしているため、より実践的な構成のテンプレートも作っていけたらと思っています。