Windows用のMicrosoft 365(旧Office 365)の公式インストーラ,Mac用と異なりなぜか勝手に全部インストールしてしまいます.そこでOffice展開ツールを用いて特定アプリのみをインストールする方法を紹介します.
一応公式のOffice 展開ツールの概要のページがありますが,詰まった部分があったのでその備忘録がてら.
構成ファイルの準備
まずは,Office展開ツールをダウンロード,実行します.
すると(現時点では)「configuration-Office365-x64.xml」と「setup.exe」が生成されるはずです.
「configuration-Office365-x64.xml」を編集します(メモ帳で十分です).デフォルトで書いてあるのは英語用なので全て消し,とりあえず以下の内容を書いておきましょう.
<Configuration>
<Add OfficeClientEdition="64" Channel="Current">
<Product ID="">
<Language ID="ja-jp" />
<ExcludeApp ID="Access" />
<ExcludeApp ID="Excel" />
<ExcludeApp ID="Groove" />
<ExcludeApp ID="Lync" />
<ExcludeApp ID="OneDrive" />
<ExcludeApp ID="OneNote" />
<ExcludeApp ID="Outlook" />
<ExcludeApp ID="OutlookForWindows" />
<ExcludeApp ID="PowerPoint" />
<ExcludeApp ID="Publisher" />
<ExcludeApp ID="Teams" />
<ExcludeApp ID="Word" />
</Product>
</Add>
</Configuration>
以下各自の用途等に合わせて多少編集します.
Product ID
これに関しては人によるとしか言えないので,クイック実行用 Office 展開ツールでサポートされている製品 ID の一覧で該当するものを探し,<Product ID="">の部分に書いてください.
参考までに,自分は大学のライセンスでOfficeが使えているのですが,その場合<Product ID="O365ProPlusRetail">でした.
ExcludeApp
特定アプリのみをインストールするのに大事な部分で,その名の通り<ExcludeApp ID="" />に書かれたIDに該当するアプリケーションはインストールされません.
なので必要なアプリケーションについて<ExcludeApp ID="" />の行を消すことでそのアプリケーションのみインストールできます.
他
基本はこれで大丈夫なはずです.
その他気になるオプションがあればOffice 展開ツールのオプションの構成を参照してください.
インストール
適当なターミナルで「setup.exe」を実行するのですが,ターミナルは管理者権限で開きましょう.エラーメッセージがこのことに言及してなかったので,ここでつまづきました.紆余曲折の後,redditで同じ問題が議論されていたので解決しました.上述した公式の概要のページでも言及されてないことはないですが,書いている場所が地味に読み飛ばしやすいんですよね……
例えばPowerShellなら「configuration-Office365-x64.xml」のパスまで移動した後,.\setup.exe /configure .\configuration-Office365-x64.xmlです.
インストールが終わったら,一応欲しいアプリケーションのみがインストールされているか確認しておきましょう.
おまけ:winget
ここでインストールしたMicrosoft 365 Apps,winget listすると出てくるんですが,それに気づかずうっかりwinget upgrade --allしてしまうと,公式インストーラ同様全てのアプリケーションがインストールされてしまうので気を付けましょう(1敗).
ちゃんとwinget pinしましょうねー