この記事は Tricentis Advent Calendar 2025 向けのエントリです。
本記事の内容は筆者個人の見解であり、所属組織・企業の公式見解ではありません。また、本記事の原案はAIを用いて作成しており、掲載しているコードおよび手順については筆者自身が検証・確認しています。
はじめに
今回は、Qiita の Tricentis Advent Calendar 2025 への参加をきっかけに、「せっかくなので Tricentis 製品を少しと触ってみようか」という動機で、テスト自動化ツール Tosca をトライしてみました。
「テスト自動化未経験者が Tosca だけで Web ログインの E2E テストをどこまで作れるか?」
結果として、
- ログインフォームの入力とボタンクリックまでは自動化できた
- その後の検証ステップ(Verify)でハマってしまい、きれいなテストケースに仕上げ切れなかった
という中途半端なところで一旦区切ることになりましたが、「Tosca 初心者がハマりやすいポイント」という意味では、逆に面白いログになったのでまとめておきます。
やりたかったこと
題材として、テスト自動化学習用のサイトとして有名なPractice Test Automation のログインページを使いました。

ログイン成功後、
Logged In Successfullyというメッセージが表示される
今回作りたかったテストシナリオは、次の 4 ステップです。
- Chrome でログインページを開く
- Username に
studentを入力 - Password に
Password123を入力してログインボタンをクリック - 遷移先ページで
Logged In Successfullyのメッセージが表示されていることを検証
手順 1: ログインページをスキャンして Module を作る
まずは Tosca の「スキャン」を使ってログイン画面を認識させ、Module を作成しました。
Module には、次のような要素ができあがります。
-
BODY(ページ全体) -
Username(テキストボックス) -
Password(パスワードボックス) -
Submit(ログインボタン)
ここまでは GUI 操作だけで完結します。
手順 2: TestCase を作ってログインまで自動化
| Name | Value | ActionMode | DataType |
|---|---|---|---|
| Username | student |
Input | String |
| Password | Password123 |
Input | Password |
| Submit | {Click} |
Input | String |
手順 3: ログイン成功メッセージの Verify でハマる
本来やりたかったのは、単にログインするだけではなく、遷移先のページで Logged In Successfully というメッセージが表示されていることまで自動で検証することでした。
そのために、ログイン成功ページを再度スキャンし、以下のような流れで進めました。
-
ログイン成功ページを開いた状態で再スキャン
-
Logged In Successfullyのヘッダテキストを選択してSuccessHeaderとして追加 -
TestCase 側に
SuccessHeader行を追加し、- Value:
Logged In Successfully - ActionMode:
Verify
と設定
- Value:
ところが、ここからいくつかのポイントでつまずきました。
エラーの詳細
3-1. 「タブが見つからない」エラー
ログイン直後のタイミングで、以下のようなエラーが発生しました。
No matching tab was found with the following properties:
Title = Logged In Successfully | Practice Test Automation
Module の一番上の階層に設定されている Technical ID の Title が、いつの間にか Logged In Successfully | Practice Test Automation に書き換わっており、
- 実際に開いているタブのタイトル:
Test Login | Practice Test Automation - Tosca が探しにいくタイトル:
Logged In Successfully | Practice Test Automation
というズレが発生していました。![]()
つまり、まだログイン前の画面なのに、ログイン後のタイトルのタブを探そうとして失敗している状態です。
3-2. Title を調整したら「複数マッチ」エラー
そこで、Technical ID の値を削除したら今度は、
More than one matching tab was found.
というエラーが出るようになりました。![]()
3-3. Synchronization まわりの課題
さらに調整を続けて SuccessHeader の Verify 自体は実行されるようになったものの、今度は以下のようなメッセージが出ました。![]()
The server has been reset. Please increase your synchronization settings.
ページ遷移や DOM の更新が完了する前に Verify を実行してしまうと、オブジェクトが安定しておらず、Synchronization エラーにつながることを体感しました。
今回は、ログインまでの自動化は動いたものの、成功メッセージの Verify を含めてきれいに通るところまでは到達できなかったため、このあたりで一旦区切りとしました。
まとめ
今回のチャレンジを一言でまとめると、
「ログインまではすぐできたけれど、きちんとした E2E テストにするには設計と同期の理解が必要」
という印象でした。
これから Tosca を触ってみようという方、特に 普段はテスト専任ではないけれど E2E テストを自動化してみたい人 の参考になればうれしいです。![]()
おまけ: トライアル登録のパスワード入力で感じたこと
Tosca のトライアル登録時には強力なパスワードが求められますが、確認入力欄にペーストができない仕様になっていました。最近はパスワードマネージャで 40〜50 文字程度のランダムなパスワードを生成して使うケースも多く、ペーストが禁止されていると、どうしても手入力できる範囲まで桁数を減らしたり、構成をシンプルにしたりしてしまいます。