2
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

ChatGPTとの会話を学習資産に変えたい:ChatGPTログを「復習できる学習ノート」に変換する【Obsidian × Cursor】

Last updated at Posted at 2025-12-13

この記事は「女性エンジニア応援」Advent Calendar 2025の13日目の記事です。
アドベントカレンダー初参加に伴い、Qittaに登録しました。よろしくお願いします。

📌 目次

はじめに

ChatGPT を日々使っていて、学んだ内容を後から簡単に復習できない問題 にぶつかります。会話ログは流れて行ってしまうので、なかなか意図した情報に辿り着けず、ChatGPT自身に過去のやり取りを要約をしてもらっても、学習過程が見えない汎用的なまとめになってしまいます。

始めのうちはWordに抜き出したり、ノートを取っていましたが、それがさらに手間になるという悪循環でした。そこで、ChatGPTログを「復習できる学習ノート」に変換するプロンプト用のテンプレートを作ろうと思い立ちました。

🎯解決したい問題

  • 結論だけ確認したい時に、探し出すのに時間がかかる
  • 欲しい情報がどのセッションでの会話だったかが覚えていない
  • 似たようなまとめが沢山あって、どれを参照するか迷う
  • 会話を繰り返し、深堀りし、理解を深めたはずの内容を覚えていない
  • 結果的に 何度も同じような質問をChatGPT にしてしまう

🎯どうせなら更に加えたい内容

  • 自分がどのようなアプローチで理解を深めるのかを知りたい
  • ChatGPT の大量ログを Obsidian で活かせる形に再構築したい

✅解決策:2段階プロンプトの導入

これらを解決するために、ChatGPT エクスポート(conversations.json)を「復習用のMarkdownノート」に自動変換する2段階テンプレート を作りました。

ここでいうテンプレートは、Cursorに投げる汎用プロンプトのことで、テキストファイルに保存して、再利用できるようにしています。この記事では、そのテンプレートの構造と考え方をまとめています。

📝Step0:ChatGPTからデータをエクスポート(JSON)

ここでは、ChatGPTの会話ログをJSONとして取得します。
 アカウント > 設定 > データ コントロール > データをエクスポートする

【図1】ChatGPT アカウント設定画面(データのエクスポート)
ChatGPT の設定画面から会話ログを ZIP 形式でエクスポートします。

image.png

【図2】エクスポート後のファイル構成(Cursor のエクスプローラー)
解凍後、この中の conversations.json を使用します。
image.png

🛠2段階プロセスの全体フロー

Step0でエクスポートしたconversations.jsonを、次の2ステップで処理します。

【図3】2段階プロセスの全体フロー

┌──────────────────────────┐
│   ChatGPT conversations.json(全ログ)      │
└───────────────┬──────────┘
                │
                ▼
     Step1:JSON 抽出テンプレート
     (抽出条件に合うチャットだけを抽出)
                │
                │ @selected_chats.json
                ▼
     Step2:Markdown 変換テンプレート
     (復習しやすい構造でノート化)
                │
                ▼
┌──────────────────────────┐
│     Obsidian 用 学習ノート(Markdown)      │
└──────────────────────────┘

なぜ2段階にしたか

  • Step1:抽出条件に合うチャットだけを抽出(JSON → JSON)
  • Step2:復習しやすい学習ノートに変換(JSON → Markdown)

当初は、全ログから一気に Markdown ファイルを作ろうとしましたが、JSON が大きすぎて Cursor がエラーになりました。そのため、まず Step1 で対象チャットのみを抽出し、処理対象を小さくしたうえで Step2 に進む構成にしています。

なぜ Markdown + Obsidian にしたか

Step2 で Markdown に変換している理由は、AI モデルが構造を把握しやすいとされる軽量テキスト形式で、将来的に学習ノートを AI 処理に再利用する可能性が出てきた場合でも、変換せずに扱いやすそうだと思ったためです。

また、Markdown で保存することを前提にして調べた際に、ナレッジ管理ツールとして最適そうなのが Obsidian でした。そのため、学習ノートの保存先として Obsidian を使用しています。これは、ChatGPT 以外の資料とも組み合わせていきたいと思っています。

📝Step1:JSON抽出テンプレート(概要)

大量ログから、今回の学習テーマに関係するチャットだけを抜き出します。

【抽出条件】の部分では、その時に抽出したい学習テーマやキーワードを、箇条書きで列挙します。下記は実際に行った例ですが、条件はもう少し絞っても良いかもしれません。

【図4】今回使用した抽出条件(学習テーマの指定例)
対象とする学習テーマを、箇条書きで指定しています。

【抽出条件(ここを書き換えて使用)】
抽出したいチャット:
- 仮想環境
- streamlit
- venv の必要性
- VMWare / Docker の比較
- バージョン衝突
- グローバル環境への影響
- 依存関係・依存パッケージ管理

抽出された JSON ファイルは、selected_chats フォルダに保存します。上記の抽出条件で生成されたのは、2025-11-17virtual_environment_chats.jsonです。

【図5】抽出された JSON ファイル(Cursor のエクスプローラー)
抽出結果は selected_chats フォルダに保存され、Step2(Markdown 変換)の入力として使用します。

image.png

📝Step2:Markdown変換テンプレート(概要)

抽出したチャット内容から、復習用の Markdown 学習ノートを生成します。

📗生成される学習ノートの構成

この記事では、下記を そのまま全文掲載しています。

  • 冒頭の固定文(編集不要・実行内容)
  • 8. 出力仕様(保存候補パス)

それ以外の 1. 学習内容の要約(結果ベース)〜 7. 禁止事項 の各セクションについては、実際に Cursor のチャットに入力しているプロンプトの一部、多くは冒頭部分を記載しています。

箇条書きの「-」のみの行や、「・・」で省略している部分は、いずれも 追記・拡張前提の箇所 です。自分の学習内容や用途、好みに応じて自由に調整してください。

📗冒頭の固定文(編集不要・実行内容)

Step2 のテンプレート冒頭に記載している固定文です。実行内容と出力条件を AI に正確に伝えるためのもので、編集せず、そのまま使用する前提としています。

【図6】Step2 テンプレートの冒頭固定文(基本方針)
この部分は、私の運用では毎回共通で使用する冒頭定義文です。

以下のテンプレートは編集不要です。
レビューしたり提案したりせず、テンプレートをそのまま使用して実行してください。

実行内容:
@selected_chats.json から内容を読み取り、「学習内容の要約」「トピック別メモ」
「思考の変化タイムライン」を含む復習しやすい Markdown ノートを 1 本生成してください。
最後に save_suggestion を付けてください。

--- ここからテンプレート本文 ---

あなたは私の **ChatGPT 学習ノート生成アシスタント** です。 

## 【タスク】 ChatGPT エクスポートから抽出された JSON(会話ログのサブセット)を
読み、 **復習しやすい 1 本の Markdown 学習ノート** にまとめてください。 

このノートは以下を満たすことを目的とします: 

1. 何を学んだかが一目でわかる **内容の要約(結果ベース)** が先頭にあること 
2. 個々の技術・概念・比較を **トピック別に整理** し、あとから探しやすいこと 
3. サブとして、**思考の変化・気づきのタイミング** をタイムライン形式で残すこと 
 
## 【対象ファイル】 

${source_json}  
(実行時:私が @ で selected_chats.json を添付し、この部分が置き換わります)

JSON の構造は概ね次のような形を想定します: 

(ここはJSON構造)

複数の conversation が含まれていても、**今回のテーマに関連する 1 つの
「学習セッション」** とみなし、まとめて1本のノートに統合してください。 

## 【重要な方針】 

-  時系列にダラダラ追うのではなく、 
 - まず「**学んだ内容の要約**」
 - つぎに「**トピック別の整理**」
 - その後に「**思考の変化(気づきログ)**」 
を書いてください。 
- **本文は日本語** で書いてください(コードやエラーメッセージは原文のままでOK)。 
- あとから Obsidian で検索しやすいよう、
 - 見出し 
 - 箇条書き 
 - キーワード列挙
を意識してください。 

## 【出力形式(この構造で Markdown を生成)】
以下のテンプレートをベースに、{{ }} の部分を具体的な内容で埋めてください。

📗0. メタ情報

日付 / セッション名 / タグ / 元チャットタイトル

📗1. 学習内容の要約(結果ベース)

最初に、何を学んだかが一目で分かる要約を記載します。復習時にここだけ読めば全体像を思い出せるよう、結論・使い方・ポイントに絞って書かせる構成です。

【図7】学習内容の要約(結果ベース)のテンプレート
復習時に最初に確認するための、結論重視の要約セクションです。

## 1. 学習内容の要約(結果ベース)

> 復習のときにここだけ読めば「何がわかったか」が思い出せるように書く。  
> 思考プロセスではなく、**結論・仕様・やり方** を中心に。

- {{学んだこと1:○○の基本的な使い方/考え方}}
-
-

📗2. トピック一覧(ナビゲーション)

後から必要な情報をすぐ探せるよう、トピック一覧を用意しています。この一覧は、学習ノート内のナビゲーション(目次) として機能します。

【図8】トピック一覧(ナビゲーション)のテンプレート
後で見返す際に、調べたい内容へすぐ移動できる索引です。

## 2. トピック一覧(ナビゲーション)

> 復習のときに「何を調べればいいか」がすぐわかるインデックス。

- [{{トピック1名}}](#{{トピック1用のアンカー}}) – {{一言説明(例:環境構築、変数の扱いなど)}}
-
-

※この記事の執筆時点では、まだ目次としての機能が使えていないので、CursorとObsidianの使い方を学びながら、活用していく予定です。

📗3. トピック別メモ(復習の本体)

ここが復習用ノートの中心となる部分です。会話ログをトピックごとに再構成し、定義 → 手順 → 比較 → つまずき → 自分への質問の流れで整理します。

【図9】トピック別メモのテンプレート(復習の本体)
会話ログを再構成し、理解を深めるための中心セクションです。

## 3. トピック別メモ(復習用の本体)

> 会話ログをトピックごとに再構成し、  
> 「定義 → 手順・書き方 → 比較 → 落とし穴 → 自分への質問」  
> の順で整理してください。

### 3-1. {{トピック1名}} {#{{トピック1用のアンカー}}}

#### ▷ 概要・定義
- {{このトピックの定義・何をするものか}}
- {{前提知識があれば書く}}

#### ▷ 具体的な手順・書き方
1. {{手順1}}
  ・
  ・
#### ▷ 関係性・比較
{{関連する技術Aとの違い・使い分け}}
  ・
  ・
#### ▷ よく出るエラー / 落とし穴
{{よくハマったポイントと原因}}
  ・
  ・
▷ 復習クイックチェック(自分への質問)
{{Q1: ○○は何のために使う?}}
  ・
  ・
  

📗4. 思考の変化ログ(サブ)

内容そのものではなく、「どこで詰まったか」、「どこで理解が変わったか」などの思考の変化だけを残します。思考プロセスをダラダラ書かないことを前提にしています。

【図10】思考の変化ログ(サブ)のテンプレート
理解の転換点や気づきを、最小限で記録するためのセクションです。

内容の復習より一段あと。
「どこで詰まったか」「どこで視点が変わったか」を残しておく。

{{ステップ or 時刻}}: 最初は {{こう考えていた/ここで勘違いしていた}}。
  ・
  ・

📗5. 次にやること・保留事項

学習中に出てきた「まだ試していないこと」や「後回しにしたこと」を忘れないようにまとめておくための項目です。

【図11】次にやること・保留事項のテンプレート
次回の学習や検証につなげるためのメモ欄です。

 5. 次にやること・保留事項

 {{すぐ試したいこと(例:別のデータセットで試す、似た機能をもう一度実装する)}}
 

📗6. 検索キーワード(Obsidian向け)

Obsidian で後から検索しやすくするため、用語名・エラー文・関連キーワードをまとめて列挙します。

【図12】検索キーワード(Obsidian向け)のテンプレート
後から検索することを前提にしたキーワード一覧です。

6. 検索用キーワード(Obsidian用)

将来の自分が検索窓に入れそうな単語をそのまま列挙する。
{{キーワード1}} ・・・

📗7. 禁止事項

AI に勝手なことをさせないための注意書きです。ファイルを保存したり、設定を変えたりといった操作は行わず、あくまでも提案や文章生成までに留めるようにします。

【図13】禁止事項のテンプレート
AI の動作範囲を制限するための注意事項です。

【禁止事項】

AI がファイル保存してはいけない
  ・
  ・

📗8. 出力仕様(保存候補パス)

最後に、生成された Markdown を保存するための保存候補パスを提示させます。ここでは保存先の候補を出力するだけで、実際のファイル保存は行いません。生成結果を確認して、自分で保存します。

【図14】出力仕様(保存候補パス)のテンプレート
保存先の候補を提示するだけで、実際の保存は自動では行いません。

【出力仕様】

上記フォーマットに従った Markdown 本文 を出力すること

その直後の行に、次の形式で保存候補パスを書くこと:

save_suggestion:

ai_chat_summaries/YYYY-MM-DD_topic.md

※ 実際の保存は行わない。
※ 日付と topic 部分は、ノート内容にふさわしいものに置き換えてよい。

--- テンプレートここまで ---

📚出力結果(Obsidianでの表示例)

Step2 のテンプレートを実行すると、抽出したチャット内容から復習しやすい Markdown 学習ノート が生成されます。ここでは、生成された Markdown 学習ノートを、Obsidian で開いた状態のスクリーンショットの一部を紹介します。

📒「0. メタ情報」 ~ 「1. 学習内容の要約(結果ベース)」について

【図15】「0. メタ情報」 ~ 「1. 学習内容の要約(結果ベース)」の冒頭部分
(生成された Markdown 学習ノートを Obsidian で開いた表示例)

image.png

📒「3. トピック別メモ」について

今回、色々と抽出条件を入れたため、実際には、以下のトピックに分かれてまとめられました。

  • Cursorとクラウド型AIの違い
  • 仮想環境の種類と比較
  • Python仮想環境の実践
  • Whisperと依存関係管理
  • Markdown形式の理解

📖「3. トピック別メモ」生成完了時の Cursor チャット画面

Step2 のテンプレートを実行し、抽出されたチャット内容から、トピック別に Markdown 学習ノートが生成された直後の状態です。

【図16】「3. トピック別メモ」生成時の Cursor チャット画面
image.png
※ChatGPTに聞いたところによると、画面下部に表示されている「保存しました」という表示は、実際にファイルが保存されたことを意味するものではなく、生成結果が確定し、保存先候補(save_suggestion)が提示された状態を示しているそうです。


📖生成された「3. トピック別メモ」(Obsidianでの表示例)

「3. トピック別メモ(復習の本体)」のテンプレートに沿って生成された内容を、Obsidianで開いた表示例です。1トピックを「概要・定義 → 具体的な手順 → 比較 → 注意点 → 自分への質問」の流れで整理することを想定していて、そのように出力されています。

※ 使用しているテンプレートの詳細は
→「【図9】トピック別メモのテンプレート(復習の本体)」を参照してください。

【図17】生成された「3-1. Cursorとクラウド型AIの違い」
トピック別メモの部分抜粋(Obsidian表示例)
image.png

トピック別メモの部分抜粋(同一トピック・表示範囲の続き)
image.png


📖プロンプトに追加した工夫:比較表としてまとめる指定

以下は、生成された5つの主要トピックのうち「3-2. 仮想環境の種類と比較」に対応するトピック別メモの一部です。

ChatGPTとの会話で、venvとDockerとVMの比較を表形式で作ってもらったことを覚えていたので、プロンプト側で、「venv/Docker/VM の比較を表形式でまとめる」指示を追加していたのですが、その結果が、「▷ 具体的な手順・書き方」セクション内に反映されています。

【図18】生成された「3-2. 仮想環境の種類と比較」
比較表セクションの抜粋(Obsidian表示例)
image.png

📒「4. 思考の変化ログ(サブ)」について

ここは、記事の冒頭で挙げた「どうせなら更に加えたい内容」に対応するセクションです。

このテンプレートを設計した時点では、学習内容そのものの整理だけでなく、「理解がどこで変わったのか」「何が腑に落ちたのか」も残せる形にしたいと考えていました。その意識が強くプロンプトに反映されてしまったのか、最初の出力では、思考の変化ログがメインの学習ノートになってしまいました。

設計を見直し、学習内容の整理とは切り分けて、あくまで「サブ(補助的なログ)」として残す構成に変更したことで、現在はこの構成に落ち着いています。

【図19】生成された「4. 思考の変化ログ(サブ)」
(生成された Markdown 学習ノートを Obsidian で開いた表示例)
image.png

現状、学習ノートとしてはまだ改良の余地がありますが、これをベースに改良を進めていこうと思っています。同じように「ChatGPTのログが流れてしまう」ことに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

2
2
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2
2

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?