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BingのChatモード(無料)があればChatGPT Plus(20USD/月)は不要なのか? 比較検証してみた

Last updated at Posted at 2023-11-05

BingのChatモード(無料)があれば、ChatGPT Plus(20USD/月)は不要なのか? 比較検証してみたお話です。

本記事の情報は、2023年11月5日現在のものになります。
最新情報については、各公式サイトをご確認ください。

BingのChatモード とは

そもそもBingのChatモードとは何なのか? 軽く触れておきます。

BingのChatモードは、Micro Softの提供しているAI搭載のチャットで、コチラのページによれば、

  • Microsoftが検索用にカスタマイズした GPT-4 で動作している
  • 今後、OpenAI が GPT-4 以降のアップデートを行った際にも、Bing はその恩恵を受けられる

とのこと。

平たく言えば、裏ではGPT-4を使っていて、バージョンアップも自動で適用される よ、ということかなと。

ChatGPT Plusだと、GPT-4を使えるので、LLM(大規模言語モデル)は同じということになりますね。

あくまでイメージですが、Yahoo!がGoogleの検索エンジン技術を使っている、みたいな感じでしょうか。

BingのChat機能の使い方

BingのChat機能tの使い方について簡単に説明します。

(1) Bingにアクセスし、「新しいBingとチャットする」をクリック

image.png

(2) チャットモードが起動するので、「より創造的に」/「よりバランスよく」/ 「より厳密に」の3つのモードからお好みのモードを選択して、チャットスタート!
image.png

「より厳密に」は正確な回答、「より創造的に」はクリエイティブな回答、「よりバランスよく」はその中間、といったイメージ。

(3) 「新しいトピック」をクリックすれば、別のチャットを開始することができ、Microsoft Edgeを利用かつMicrosoftアカウントでログインしていれば「最近のアクティビティ」から過去のチャットに戻ることも可能です。
image.png

使用時の注意点

以下、使用時の注意点。

(1) 応答回数は、1チャット当たり30応答(未ログイン状態では10応答)という制限があります。
※プロンプトの入力ミスをした場合、応答が生成される前に取り消せばカウントされません。

(2) Microsoft Edge以外のブラウザだと、最近のアクティビティは表示されないっぽいです。

BingのChatモード vs ChatGPT

BingのChatモードとChatGPTの比較検証結果をまとめてみました。
ChatGPTに関しては、よりイメージしやすくするために、ChatGPT Free(使用LLMはGPT-3.5とする)とChatGPT Plus(使用LLMはGPT-4.0とする)の2つ載せています。

ChatGPT Free ChatGPT Plus Bing Chat
利用料 無料 20USD/月 無料
モード 1種類(GPT-3.5) 5種類(GPT-3.5/GPT-4.0 Default+4種類のBetaモード) 3種類(より創造的に/よりバランスよく/より厳密に)
履歴確認 ○(Microsoft Edgeからのみ)
1チャットあたりの制限 無制限? 無制限? 30応答/チャット
時間に関する制限 無制限? 50応答/3時間(400応答/日) 300応答/日
文字数の制限  ? ? 4,000文字(近々8,000文字になるらしい)
情報鮮度 2021年9月より前 2021年9月(プラグイン Browse With Bingで最新化可能) 最新(検索機能付きのため)
応答速度(速い順に) 1 2 3
プラグイン利用 × ×
画像入力 ×
画像生成 × ○(要プラグインDALL・E-3) ○(Bing Image Creator → DALL・E-3)
WEB検索 × ○(要プラグイン/WebPilot Browse With Bing)
WEBサイト要約 × ○(要プラグイン/WebPilot Browse With Bing)
動画要約 × ○(要プラグイン/VoxScript) ×

※調べた結果、明確な情報が出てこなかったものには?をつけています。

以下、あくまで自分の所感ですが、

(1) 応答速度

  • 単体: BingのChatモード < ChatGPT Plus(GPT-4.0) < ChatGPT Free(GPT-3.5)

といった感じになりました。
ChatGPT Free(GPT-3.5)は学習データ量が少ない分応答が速く、BingのChatモードはGPT-4.0の持てる情報に加えて更に検索もかけにいくのでその分遅くなるのかと。

とはいえ、個人的にはBingのChatモードの応答速度でも許容範囲ではありました。
なおGPT-4.0を選択し、プラグインを使用した場合、BingのChatモードよりも遅いことも多々ありました。

(2) 字数制限

ChatGPT Free(GPT-3.5), ChatGPT Plus(GPT-4.0)については、入力字数の明示的な制限はありませんでしたが、日本語だと、ChatGPT Free(GPT-3.5)は4,000文字程度、ChatGPT Plus(GPT-4.0)は8,000文字を超える入力も受け付けてはくれました。

BingのChatモードは現状、4,000文字が限度ですが、近々8,000文字になるとのことなので、実現されれば少なくともChatGPT Free(GPT-3.5)は超えてきますね。

(3) 総合的な精度

  • 単体: ChatGPT Free(GPT-3.5) < ChatGPT Plus(GPT-4.0) <= BingのChatモード
  • プラグインあり: ChatGPT-3.5 < BingのChatモード < ChatGPT Plus(GPT-4.0) となるケースあり(割と高確率で)

といった印象でした。

もう少し、具体的にできること/できないことの比較をしてみましょう。

BingのChatモードでもChatGPT Plusでもできること

  • 指定URLのWEBサイトを要約する(ChatGPT Plusは、要プラグイン Browse With Bing で可能)
  • 用途に応じたオススメ商品を提案してもらう
  • 指定した言語でコーディングさせる
  • AWS構成図からCloudFormationのコードを生成させる
  • 文章からイラストや画像を生成させる(要プラグイン DALL・E-3で可能)

BingのChatモードでのみできること

  • 特になし(?)

ChatGPT Plusでは様々なプラグインを使えるので、それらを使うのであれば、BingのChatモードにしかできないことは特になさそうな感じでした。

ただし、プラグインなしでも、Browse With BingによるWEB検索が、DALL・E-3による画像生成が可能ですが(現状Beta機能)、これらは併用はできません。

▼ChatGPT のBetaモード
image.png

単体で、

  • 検索した条件をもとに画像生成させる
  • 添付した画像ファイルをもとに画像生成させる

といったことができるのは現状BingのChatモードのみでしょう。

ChatGPT Plusでのみできること

  • Youtubeなど動画の要約(プラグイン利用で可)
  • 食べログ、Expediaなど特定の外部機能との連携(プラグイン利用で可 )
  • 長文への対応

結論どうすればいいのか

上記も踏まえて、 BingのChatモードで十分なケースと ChatGPT Plus(GPT-4)が必要なケースを考えてみます。

BingのChatモードで十分なケース

主に、WEB検索/画像生成など、BingのChatモード TOPに記載の用途で使うならBingのChatモードで必要十分な印象。

▼ BingのChatモード TOP
image.png

ChatGPT Plus(GPT-4)が必要なケース

加えて、動画の要約をしたい、外部機能と連携したいなど、WEB検索や画像生成以外の用途で使用したい場合はChatGPT Plus(GPT-4)が必要になるのかな、と思いました。
この差に20USD/月を支払う価値を見出せるか? が決め手となるでしょうか?

商用利用について

プライベート利用や趣味レベルの個人開発なら特に気にしなくてよいですが、ビジネスでの利用を考えている場合、商用利用についてもチェックも忘れずに。

2023年11月5日現在では、以下の通りとなっていました。

BingのChatモード

  • 商用利用の場合は、Bing Chat Enterpriseを使う必要あり。
  • Bing Chat Enterpriseは2023年11月現在、プレビュー版でMicrosoft E3, E5, Business Standard, Business Standard利用者の場合は追加費用なしで利用可能。
  • 検索履歴の表示は現時点ではサポートなし。
  • 将来的には、5USD /月で一般公開予定。

将来的に、ということなので、Enterprise版の一般公開はまだっぽいですね。
プライバシー面の考慮とは思いますが、検索履歴の表示ができないのは地味に辛い。。

ChatGPT

  • 商用利用であっても、GPT-3.5版は無料で、GPT-4.0版は20USD/月。
    他にEnterprise版がある。それぞれの違いは、公式サイト参照。
    なお、コチラのページによれば、DALL・E-3で生成した画像も商用利用可能のようです。

まとめ

  • あくまで個人利用かつ用途がWEB検索メインなら、BingのChatモードで必要十分
  • 商用利用の場合は、ビジネス向けのMicrosoftサービスの利用状況や検索履歴の保持の要否も含めて要検討

ってところでしょうか。

自分の場合、プライベートでの利用については、WEBサイト検索/要約やコード生成くらいでしか使わないので、、BingのChatモードで事足りそうな感じでした。

好みや要件との兼ね合いもあるかと思いますので、、実際に両方触って比較してみることをオススメします。

その他

今更かもですが、AI Chatサービスには、今回取り上げたBingのChatモードやChatGPT以外にも、Google BardやPerplexity AIなどもあるんですね。

などに情報まとまっているので、用途に応じて使い分けるのもいいかも。
BingのChatモード = Microsoft Bing AIは前者のWEB検索向けのところに名前が挙がっているので、今回の検証結果は間違ってはなさそう。

・・ChatGPTがTOPで、それに次ぐポジションはGoogle Bardですか。
こちらも近々使ってみたいと思います。

(2023/11/06 追記)あくまで、5チャットほど試してみての自身の所感ですが、Google Bardは残念ながらまだ実運用には程遠そうな感じでした。ChatGPT Free(GPT-3.5)のほうが全然ハイレベル。
試験運転中とのことなので、今後に期待ですね。

(2023/11/12)Bing Chatと呼んだら怒られたので(苦笑)、Bing Chat → BingのChatモードに変更しました。

image.png

参考

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