Spring Bootで実装を進めていたところ、Date型の値が想定値-9時間となってしまいました。
その際に確認＆対応したことのまとめです。

環境

OS：Windows10
IDE：Eclipse2020-03
Java：11
MySQL：5.7
Spring Boot：2.3.2

前提事項

日本標準時に設定するものとします。

確認内容

1. DBのタイムゾーンの設定確認

対象の値がDB由来の場合は、まず、DBの設定が正しくできているか確認しましょう。
以下ように、show variablesコマンドを実行します。

実行コマンド＆結果


> show variables like '%time_zone%';
+------------------+------------+
| Variable_name    | Value      |
+------------------+------------+
| system_time_zone | UTC        |
| time_zone        | Asia/Tokyo |
+------------------+------------+

日本標準時の場合は、time_zoneがAsia/Tokyoに設定されているはずです。
（defaultの場合は、system_time_zoneの値が参照されます。）
異なっている場合は設定ファイルmy.cnfの内容を以下のように変更しましょう。

/etc/my.cnf

[mysqld]
default-time-zone = 'Asia/Tokyo'

設定が完了したら、以下のコマンドを実行して、日本標準時で現在時刻が取得できることを確認します。

現在時刻確認コマンド

select now();

2. アプリケーションサーバーのタイムゾーンの設定確認

対象の値がDB由来でない場合、もしくは、DBの設定に問題がなかった場合はアプリケーションサーバーのタイムゾーンを確認しましょう。
一番手っ取り早い方法は例えば以下のようなコードを追記し、コンソールにサーバーの現在時刻を出力させる方法です。

現在時刻出力コード

System.out.println("現在の時刻は" + new Date() + "です。");

上記によって、想定の結果が得られない場合は、環境変数への設定を行います。

(1) Eclipseを使ってプロジェクト起動する場合

以下の手順でサーバーのタイムゾーンを設定します。

① Eclipseのメニューバーにて、「実行」（①） > 「実行構成」（②）を選択。

② Spring Boot アプリケーションの対象のアプリを選択し（①）、引数タブにて（②）VM引数欄に「-Duser.timezone=JST」と記載し（③）、「適用」を押下（④）

(2) サーバー上で起動する場合

jarファイルと同じ階層に、「jarファイルの名前.conf」という名前で設定ファイルを作成し、設定内容を記述。
jarファイルの名前がhoge.jarの場合は以下の通り。

hoge.conf

JAVA_OPTS="-Duser.timezone=Asia/Tokyo";

設定が完了したら、再起動して、時間が正しく設定されているか確認しましょう。

3. アプリケーションプロパティーファイルのJackson時刻設定の確認

上記1, 2でも想定の結果が得られなかった場合はアプリケーションプロパティーファイルに以下の記述を追加してみましょう。

application.yml

spring:
  jackson:
    dateFormat: yyyy-MM-dd HH:mm:ss
    time-zone: Asia/Tokyo

dateFormatの部分は任意。
表示させたい形式を記述します。

余談ですが、ソースコードで個別に形式変更することも可能！
例えば以下のように記述すると、「yyyy/MM/dd」形式になります。

@JsonFormat(pattern = "yyyy/MM/dd")
private Date createdAt;

終わりに

最初何が原因で時間がズレてるのかわからず、とても困惑しました。
順番に確認することで原因までたどりつけました！

他にも時間がズレる要素ありましたら、ぜひ教えてください！

参考

1. DBのタイムゾーンの設定確認

2. アプリケーションサーバーのタイムゾーンの設定確認

3. アプリケーションプロパティーファイルのJackson時刻設定の確認