Android の BindService のアプリを Delphi で作ってみた

「Android の StartService のアプリを Delphi で作ってみた」を書いたので、もうひとつの BindService も書かないと

BindService は StartService と同様にアプリによって開始されます
BindService でサービスに接続して、UnBindService でサービスとの接続を解除します
StartService が自身で停止するのと違い、BindService の場合は、他から使われている限り実行し続け、誰からも使われなくなったら、サービスを破棄します
参考: Android Developer - Service

どんなアプリを作るの？

Android の StartService のアプリを Delphi で作ってみた で作ったアプリ・サービスを修正・拡張します
修正・拡張するので、メインのアプリにサービスを登録する作業を再度行なう必要はありません
修正・拡張の内容ですが

• メイン側のアプリは BindService のボタンを押すとサービスを開始し、BindService でそのサービスに接続します
• メイン側のアプリは UnBindService のボタンを押すと、サービスとの接続を解除します
• サービス側は、BindService の機能を追加しますが、やることは同じで通知を行ないます
• サービス側では解除＝サービス停止とします

メイン側の画面の拡張

ボタンを１個、新しく配置するだけの簡単なお仕事
分かりやすいように、「BindService」「UnBindService」と Text プロパティを変更

メイン側の動作の拡張

「BindService」のボタンのクリックイベントを次のように修正します

procedure TForm1.Button1Click(Sender: TObject);
begin
  // Service 起動
  if mService = nil then begin
    mService := TLocalServiceConnection.Create;
    mService.StartService('Project2');
  end;

  // Service に Bind
  mService.BindService('Project2', 0);
end;

「UnBindService」のボタンのクリックイベントを次のように記述します

procedure TForm1.Button2Click(Sender: TObject);
begin
  if mService <> nil then begin
    mService.UnbindService;  // Service との接続解除
    mService := nil;
  end;
end;

サービス側の拡張

DM(TDM) に新たに OnBind イベントと、OnUnBind イベントを追加

OnStartCommand イベントのコードを次のように修正します

function TDM.AndroidServiceStartCommand(const Sender: TObject; const Intent: JIntent; Flags, StartId: Integer): Integer;
begin
  // サービスの開始
  // StartService は result を返す
  Result := TJService.JavaClass.START_STICKY;
end;

OnBind イベントのコードを次のように記述します

function TDM.AndroidServiceBind(const Sender: TObject; const AnIntent: JIntent): JIBinder;
var
  mNotice: TNotification;
begin

  // BindService として通知の実行
  mNotice := NotificationCenter1.CreateNotification;
  mNotice.Title := 'BindService通知';
  mNotice.AlertBody := 'メッシャアーッ';
  NotificationCenter1.PresentNotification(mNotice);
  mNotice.DisposeOf;

  // IBinder オブジェクトを戻り値として返す
  Result := GetBinder;
end;

OnUnBind イベントのコードを次のように記述します

function TDM.AndroidServiceUnBind(const Sender: TObject; const AnIntent: JIntent): Boolean;
begin
// このサンプルでは解除＝停止
// サービスの停止
  JavaService.stopService(AnIntent);
  Result := False;
end;

動かしてみる

まずはアプリ起動（この画面を撮っていなかったのに後から気付いたため、この画面ショットだけ時系列がズレていますw）

BindService をタップするとサービスが起動し、そのサービスに接続して「通知」が行なわれます

通知内容

UnBindService をタップするとサービスとの接続を解除して、サービスを停止します

BindService のボタンを続けて２回タップしても通知は１つだけです
これは、まだ Bind が解除されていないので OnBind イベントが発生しないのです
UnBindService のボタンをタップしてから、BindService のボタンをタップすると、OnBind イベントが発生し通知が行なわれます

参考

BindService のライフサイクル
Android Developer より

あとがき

Delphi で Android サービスを作る際に 4 つの選択

• ローカルサービス
• インテントローカルサービス
• リモートサービス
• インテントリモートサービス

が出てきます

「ローカル」と「リモート」の違いは、
ローカル - そのアプリだけで使用できる private のサービス
リモート - public であり、他のアプリからアクセスすることができる
です

「インテントxxxxサービス」は、サービスで IntentService を使用したい場合に選択します
IntentService はバッググラウンドで特定のタスクを実行し、ワーカスレッドでタスクキューを受け取り順に処理します
サービスの停止はキュー内の作業が全て終わったときに自動的に行なわれるので、明示的に停止する必要はありません