チーム開発をしていると、こういう場面に遭遇しませんか?
- レビューが雑だけど、誰も言わない
- MTGで毎回話が脱線する
- 一部の人だけ負荷が高い
- 期限を守らない人がいる
- コミュニケーションが微妙にキツい
でも、どれも「即死級の問題」ではない。
だから放置される。
そして気づくと、チームの空気がじわじわ悪くなっている。
最近、「チームって大きな失敗で壊れるというより、“未処理の違和感” の蓄積で壊れるのでは?」と思うようになったので、その話を書きます。
いちメンバーは他メンバーに注意しづらい
これはかなり自然なことだと思っています。
例えば、
- 「それ、やめた方がいいと思います」
- 「レビューちゃんと見てほしいです」
- 「その言い方キツいです」
みたいなことって、普通に言いづらいんですよね。
なぜなら、注意にはコストがあるからです。
注意すると起きうること
- 空気が悪くなる
- 関係性が悪化する
- 面倒な人だと思われる
- 逆ギレされる
- 自分が損する
なので、人は基本的にこう考えます。
「まあ、自分が我慢すればいいか…」
これ自体は悪意ではなく、かなり合理的です。
でも、この「小さい我慢」がチームに蓄積していきます。
じゃあリーダーが注意するべき?
個人的には、基本 YES だと思っています。
ただ、ここで重要なのは、
リーダーも別に注意したくない
ということ。
たまに、
- 「リーダーなんだからちゃんと注意して」
- 「マネージャーなんだから言えるでしょ」
みたいに思われがちですが、別にそんなことはないです。
リーダーも普通に気まずい。
むしろ、
- 相手のモチベ低下
- 関係悪化
- チーム空気の悪化
- 最悪、退職
みたいな影響まで考える必要があるので、心理負荷はむしろ大きいまである。
それでも放置すると、チームは壊れる
ここが一番重要。
チーム崩壊って、何か大事件で起きるとは限らない。
むしろ多いのは「静かな崩壊」だと思っています。
例えばこんな流れ。
小さい違和感が放置される
↓
周囲が「まあいいか」を覚える
↓
真面目な人ほど疲弊する
↓
何も言わない人が得をする
↓
不満が裏で流通する
↓
信頼が少しずつ消える
↓
ある日、人が辞める
怖いのは、この状態って表面上かなり平和に見えること。
表立った衝突はない。
でも内部では、少しずつ信頼残高が減っている。
リーダーの役割は「違和感を処理すること」なのかもしれない
最近思うのは、リーダーシップって
- 一番技術力が高い
- 一番仕事ができる
- 一番厳しい
ことではなく、
「未処理の違和感」を処理する能力
なのでは?ということ。
しかも、やり方は別に一つじゃない。
方法1: 直接フィードバックする
一番わかりやすい方法。
ただ、ここで重要なのは「人格否定」にしないこと。
❌ 「なんでできてないの?」
⭕ 「期待値とズレてるので合わせたい」
みたいに、
- 人を責める
ではなく - 認識差分を扱う
方が機能しやすい気がしています。
方法2: 「人前で注意しない」
これ、かなり重要だと思っています。
フィードバックって、
「何を言うか」だけじゃなく
「どこで言うか」
もめちゃくちゃ大事。
同じ内容でも、
- 1on1で言う
のと、 - 全員いるMTGやSlackで言う
のでは、受け取られ方がかなり違う。
人前の注意は「改善」より「防御」を生みやすい
人は、人前で否定されると、
「問題を改善するモード」
より先に、
「自分を守るモード」
に入りやすい。
すると、
- 言い訳が増える
- 論点がズレる
- 素直に受け取れない
- 関係性が悪化する
が起きやすい。
結果として、
“改善” より “対立” が発生する。
もちろん例外はある
例えば、
- ハラスメント
- 他人への攻撃
- 会議進行妨害
- 明らかなルール違反
みたいに、
その場で止める必要があるケース。
ただその場合でも、
- 人格否定しない
- 「場を制御する」ことに集中する
- 詳細は後で個別に話す
がかなり重要。
方法3: 仕組みに変換する
個人的には、これが一番強いケースも多い。
例えば、
- レビュー基準を明文化する
- Done の定義を決める
- MTGルールを決める
- PRテンプレートを作る
など。
つまり、
個人の頑張りに依存しない
状態に持っていく。
チーム運営がうまい人って、「注意が必要な状況」を減らすのが上手い印象があります。
方法3: 小さいうちに扱う
問題って腐るんですよね。
小さい時に言えば5分で済むことが、
放置すると、
- 感情が乗る
- 周囲を巻き込む
- 「なんで今さら?」になる
ので、一気に難易度が上がる。
だから「小さい違和感を早めに拾う」はかなり重要。
「優しいリーダー」が長期的には危険なこともある
これも難しいところ。
短期的には、注意しない方が平和です。
でも長期では、
- 真面目な人が損する
- 基準が壊れる
- 声を上げる人が減る
- チームへの信頼が減る
という問題が起きる。
つまり、
摩擦を避け続けた結果、もっと大きな摩擦を生む
ことがある。
まとめ
チームって、派手な失敗より、
「誰も処理しなかった違和感」
で壊れることが多い気がしています。
だからリーダーに必要なのは、
- 強さ
- 威圧感
- 根性
というより、
- 摩擦を制御する
- 問題を小さいうちに扱う
- 個人攻撃にしない
- 仕組みに変換する
- 相手の尊厳を守る
みたいな技術なのかもしれません。
そして多分、それは「才能」より「スキル」に近いんです。