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macOS(Apple シリコン)でVirtualBoxを使用する方法

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はじめに

2024年9月9日、Changelog for VirtualBox 7.1の通りにVirtualBoxの新しいメジャーバージョンである7.1.0がリリースされました。

この7.1.0のリリースでは、ついにAppleシリコンなどArmベースのアーキテクチャに対する仮想化がサポートされました。:tada:

Appleは、2020年後期に発売された一部のモデルについて、Macに搭載するIntelプロセッサーをAppleシリコンのプロセッサーに移行しています。そのため、Apple M1以降のMacでVirtualBoxの代わりとしてUTMの利用やRosettaを使用することで、Intel用のアプリケーションを動かしている人も少なくはないと思います。

本記事では待ちに待ったmacOS(Apple シリコン)でVirtualBoxを使用する方法について記載しています。

VirtualBox

VirtualBox 7.1.0では、IPv6をサポートする新しいNATエンジンなど様々な機能が追加されています。

スクリーンショット 2024-10-14 20.01.13.png

アプリケーションのロゴやUIについても現代的なデザイン及び直感的なインターフェースに進化しました。

スクリーンショット 2024-10-13 21.27.34.png

Experience Levelとして、BasicとExpertの2つのレベルを選択できます。Basicは、限られた数の設定とツールのみが表示されます。このレベルは、Oracle VirtualBoxを初めて使用するユーザーに適しています。Expertについては、利用可能なすべての設定とツールが表示されます。このレベルは、仮想マシンの設定をより細かく制御する必要がある経験豊富なユーザーに適しています。

  • Basic
    スクリーンショット 2024-10-13 21.27.55.png

  • Expert
    スクリーンショット 2024-10-13 21.28.02.png

VirtualBoxのダウンロード

VirtualBoxのDownload VirtualBoxから最新のアプリケーションをダウンロードできます。OracleのOracle VM VirtualBoxからもダウンロードできますが、バージョンが古いため、ご注意ください。

Apple シリコンのパッケージはmacOS / Apple Silicon hostsを選択します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.02.07.png

macOSのアーキテクチャは、ターミナルからuname -mコマンドを実行することで確認できます。例えば、以下の様な出力の場合はarmベースであるApple シリコンであることが分かります。

arm64

サポートしているアーキテクチャ

DocumentationのUser GuideのFirst Steps - Host and Guest CombinationsよりVirtualBoxで使用可能なホストとゲスト(VM)プラットフォームの組み合わせについて確認できます。

macOS(Apple シリコン)で動作するゲストOSについては、Arm64のみがサポートされます。

従って仮想マシン作成時に、Intel系のアーキテクチャのisoファイルを選択して起動した場合、以下の様なエラーが発生するため、起動はできません。

スクリーンショット 2024-10-13 13.17.35.png

仮想マシンの構築

本記事のMacBook Proの環境は以下の通りです。

チップ:Apple M3
macOS:Sequoia 15.0.1
VirtualBox:macOS / Apple Silicon hosts

Experience LevelはExpertレベルを選択し、自動インストールを用いて構築する手順を以下に記載しています。

自動インストールは、7.0.0で追加された機能です。自動インストールを選択することで、インストールプロセスを合理化します。また、7.1以降では自動インストールのカスタマイズ性が向上しています。

Ubuntu

Ubuntu ServerのARM版は、Ubuntu Server for ARMからダウンロードできます。

スクリーンショット 2024-10-13 23.56.01.png

上記isoファイルをダウンロード後、VirtualBoxのアプリケーションを起動して「新規(N)」を押します。

スクリーンショット 2024-10-13 21.48.30.png

「名前とオペレーティングシステム」を選択して「名前」に仮想マシンの名前を入力します。また「ISOイメージ」を指定します。

スクリーンショット 2024-10-13 21.49.00.png

自動インストールを行わなずに手動でインストールを行う場合は「自動インストールをスキップ」にチェックを入れます。

スクリーンショット 2024-10-13 23.20.09.png

「自動インストール」から「ユーザー名」「とパスワード」が変更できます。

スクリーンショット 2024-10-13 21.49.10.png

デフォルトの場合は、以下のユーザー名と、パスワードが指定されています。

ユーザー名:vboxuser
パスワード:changeme

「ハードウェア」の「メインメモリー」と「プロセッサー」を任意の値に変更します。

スクリーンショット 2024-10-13 21.49.27.png

「ハードディスク」はデフォルトで問題なければ「完了」を押します。

スクリーンショット 2024-10-13 21.49.38.png

自動的にインストールが始まります。

スクリーンショット 2024-10-13 21.51.08.png

インストール完了後、ログイン画面が表示されます。

スクリーンショット 2024-10-13 21.54.30.png

自動インストールを行なった場合は、ユーザー名にvboxuser、パスワードにchangemeを入力します。

スクリーンショット 2024-10-13 22.01.33.png

ubuntuの場合、ルートユーザーに変更したい場合はsudo suコマンドでルートユーザーに昇格できます。

Debian

debianのisoイメージは、Download Debianのページからダウンロードできます。

通常のisoイメージの場合は、ミラーサイトから選択します。ミニマムでインストールしたい場合は「small installation image」を選択します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.48.45.png

ubutu同様に仮想マシン作成時に「名前」と「ISOイメージ」を変更するのみで簡単に作成できます。

スクリーンショット 2024-10-13 23.33.12.png

debianの場合、デフォルトの状態だとsudoコマンドは使用できないため、suコマンドでルートユーザーに昇格できます。なお、自動インストールの場合、ルートユーザーのパスワードは、インストール時に作成するユーザーと同じパスワードになります。

Fedora

Download Fedora Server 40からisoイメージをダウンロードできます。

FedoraのARM版は「For ARM® aarch64 systems」を選択します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.49.07.png

本記事執筆時点ではfedoraの自動インストールができないため、手動でインストールするにあたって「起動」から「通常起動」を選択します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.54.56.png

GRUBメニューから一番上の「*Install Fedora 40」を選択します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.55.30.png

インストール時に使用する言語は「日本語」を選択して画面右下の「続行」を押します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.56.43.png

以下の様な画面が表示されるため、必要に応じて各項目を設定します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.56.52.png

「インストール先」はハードディスクを選択して「完了」を押します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.57.02.png

「rootアカウント」のデフォルトは「rootアカウントを無効化(D)」が選択されているため、有効化したい場合は「rootアカウントを有効化(E)」を選択します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.57.19.png

「ユーザーの作成」では、一般ユーザーを作成します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.57.43.png

「インストールの開始」を押します。

スクリーンショット 2024-10-13 23.57.51.png

インストールが開始されます。

スクリーンショット 2024-10-13 23.57.56.png

インストール完了後「システムの再起動」を押します。

スクリーンショット 2024-10-14 0.01.39.png

インストール時に作成した一般ユーザーでログインします。

スクリーンショット 2024-10-14 0.03.41.png

おわりに

少し見ない間にVirtualBoxの進化に驚きました。

またmacOSでVirtualBoxが利用できることに感謝します。

参考

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