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Pythonで作る簡単植物通知システム Raspberry Pi + 水分センサ + Messaging API

Last updated at Posted at 2018-03-06

はじめに

もうすぐ:cherry_blossom::cherry_blossom:ですね。
Raspberry Piと水分センサを使用して植物の水分を検知し、乾いている場合はMessaging APIで通知する仕組みを作りました。

本記事はRaspberry Piと水分センサを使用して、Messaging APIで通知する簡単レシピ:four_leaf_clover:です。

構成

仕組み

水分センサを植物に取り付けてアナログ電圧を取得します。取得したアナログデータをデジタルデータに変換させて、しきい値で条件分岐を行い水分が少なかったら、Messaging APIで通知します。

Raspberry PiのGPIO端子はアナログデータの入力ができないため、デジタルデータに変換させてあげる必要があります。

今回はI2CデバイスとしてTexas Instruments社製のA/Dコンバーター「ADS1015」を使用します。また、その他のA/Dコンバーターとしては、「MCP3800」とかがよくRaspberry Piとの組み合わせで使われています。

ADS1015は、12ビットのデータに変換するため4096の数値まで扱えます

概要図

LINEAPI.png

  • 部品一覧
部品 値段 備考
ブレッドボード   270 1個 
ジャンパー線(オス-メス)    330 4本 
ジャンパー線(オス)    350 7本 
抵抗1w10kΩ    200 1個 
ADS1015使用12ビット4チャンネルADコンバータ        1,280 1個 
GROVE - 水分センサ      580 1個 
合計3,010円
  • 使用ソフト
名前 備考
Python3   インストール済み
Adafruit_ADS1X15   GitHubより取得
Messaging API   Developer Trial(※)
(※)Messaging APIを検証用途で無料使用する場合は、「Developer Trial」または「フリー」プランより選択することができます。違いとしては「Developer Trial」の場合プッシュメッセージと応答メッセージが両方使えます。詳細については公式のプラン・料金をご確認ください。

はんだ付け

ADS1015を使用する場合はブレッドボードに取り付けるため、はんだ付けが必要です。
写真 2018-03-06 22 40 35.jpg

配線

Fritzingで作成した図になります。
※GROVE - 水分センサのパーツは見つからなかったので他のパーツを使用。

スクリーンショット 2018-03-06 01.15.11.png

Messaging API

Messaging APIはLINEが公開しているAPIです。

スクリーンショット 2018-03-07 01.30.23.png

Messaging APIはプッシュメッセージと応答メッセージがありますが、本記事のプログラムはプッシュメッセージを使ってRaspberry Piから通知します。

プッシュメッセージと応答メッセージ

プッシュメッセージとは、任意のタイミングでユーザーに送信するメッセージです。応答メッセージとは、ユーザーからのメッセージに対して応答するメッセージです。

前提条件

Messaging APIを使用するためにはLINEアカウントが必要です。
※また、PCでコンソールログインする場合は、LINEのアカウント設定で「ログイン許可」が有効になっている必要があります。

チャネルの作成

まずはじめに、コンソールにログインを行います。
クイックスタートを参考にしチャネルを作成します。なお、初回ログイン時のみ、LINE Developersコンソールで開発者アカウントを作成します。

スクリーンショット 2018-03-06 22.49.29.png

LINEプラットフォームを利用するには、アプリがチャネルにリンクされていなければなりません。チャネルを作成すると、固有のチャネルIDが識別用に発行されます。チャネルには、名前、説明文、およびアイコン画像が必要です。

実装

前提条件

ライブラリ準備

※Pythonの環境変数に注意
RaspbianのPython(デフォルト)は「/usr/bin/python」のシンボリックリンクで2.7のPythonになっているため、Python3を使用する場合はPython3を指定するなど考慮が必要です。

  • Pythonの環境変数確認(2.7系)
    $ which python
  • Pythonの環境変数確認(3系)
    $ which python3

ADS1015の導入

Adafruit社よりADS1015のライブラリがGitHubで公開されているので、クローンしてインストールします。

  • ADS1015をクローン
    $ git clone https://github.com/adafruit/Adafruit_Python_ADS1x15.git
  • ディレクトリを移動
    $ cd Adafruit_Python_ADS1x15/
  • セットアップスクリプトを実行
    $ sudo python3 setup.py install

※ADS1015は「smbus」ライブラリを使用するが、最新のRaspbianを使用する場合は最初から含まれているので導入不要

line-bot-sdk-pythonの導入

Messaging API SDKとして各種ライブララリをpipでインストールします。

  • pip3でインストール
    $ pip3 install line-bot-sdk
  • インストール確認
    $ ls -l /home/pi/.local/lib/python3.5/site-packages/

プログラム(Python)

#! /usr/bin/env python3
# _*_ coding: utf-8 _*_

# ADS1015の関数を読み込む
import time, signal, sys
import Adafruit_ADS1x15

# Messaging APIのパスを通す
sys.path.append('/home/pi/.local/lib/python3.5/site-packages/')

# Messaging APIのモジュールをインポート
from linebot import LineBotApi
from linebot.models import TextSendMessage
from linebot.exceptions import LineBotApiError

# channel access tokenを指定
line_bot_api = LineBotApi('<channel access token>')

# user IDとプッシュメッセージを指定
def message1():
    try:
      line_bot_api.push_message('<to>', TextSendMessage(text='お水ください'))
    except LineBotApiError as e:
    # error handle
      print("Error occurred")

# 計測の範囲を指定(1を指定した場合は-4.096Vから4.96Vまで計測可能)
GAIN = 1

abc = Adafruit_ADS1x15.ADS1015()

while True:
    volts = abc.read_adc(0, gain=GAIN)
    if volts >= 100:
       print( "State with moistured : " + str(volts) + "V" )
    elif volts < 100 and volts >= 1:
       print( "Condition with reduced moisture : " + str(volts) + "V" )
    else:
       print( "No moisture condition : " + str(volts) + "V")
       message1()
       break
    time.sleep(1)

※実際に運用するときは「time.sleep(N)」でNの値を調整したり、cronで定期的に動かすのがよさそうです。

実験

簡単植物通知システムの完成です:musical_note:
写真 2018-03-07 0 33 18.jpg

本プログラムの実行例になります。

  • プログラムの実行
    # ./moisture.py

  • 植物の水分がある状態
    スクリーンショット 2018-03-07 00.14.42.png

  • 植物の水分がない状態(検証のため、わざと水分センサを抜く)
    スクリーンショット 2018-03-07 00.36.35.png

  • 水分センサで0を検知するとLINEにプッシュ通知が発信される

写真 2018-03-07 0 15 14.png

応答メッセージ

自動応答メッセージを使えば、植物とあいさつしたりちょっとした会話ができます。

Channel基本設定ページより自動応答メッセージの「設定はこちら」をクリックします。
スクリーンショット 2018-03-07 00.48.02.png

自動応答メッセージのページが表示されるので、こちらで設定ができます。
スクリーンショット 2018-03-07 07.00.51.png

おはようと話しかけると、設定したメッセージを返してくれます。
写真 2018-03-07 6 36 28.png

さいごに

Raspberry Pi + 水分センサ + Messaging API = 面白い

電子工作は面白いです。はんだ付けから電子回路、Python、API、各種ライブラリ等色々学習できます。また、自分で作って想定した通りに動いたときはいいですね。

本プログラムもまだまだ改良の余地があるので、改善して色々やってみたいと思います。

  • 気になること
    Messaging APIのモジュールインポートが少し長い
    →timeコマンドで計測すると、プログラム実行時の読み込みで2秒弱ぐらいかかっています。単純にMessaging API使うだけだったら、サンプルにあるようなcurlコマンドでスクリプトにした方が早かったです。あとで調べてみよう。

参考

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