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Libraのコンセンサスアルゴリズム

Last updated at Posted at 2019-09-02

0. Libraとは

GAFAの一角を成す「Facebook」を中心とした「Libra協会」によって発行が予定されている暗号通貨。グローバルで使える統一通貨をブロックチェーンで実現することを目標にしている。
「Libra協会」のメンバーとしては、ebay、Spotify、Uber、MasterCard、coinbase、a16z、Booking Holdingsなどが参画を表明している。

https://libra.org/ja-JP/

1. コンセンサスアルゴリズムとは

発生した取引を妥当なものとして承認するためのアルゴリズム。
ブロックチェーンなどのP2Pネットワークでは、不正な取引を防ぐための仕組みとして実装され、PoW、PoS、PoI といったものが有名。

PoW : proof-of-work   暗号通貨bitcoin、Ethereumで利用
PoS : proof-of-stake
PoI : proof-of-importance   暗号通貨NEMで利用

2. Libraのコンセンスサスアルゴリズム

2.1.LibraBFT

Libraでは、自らのコンサセスアルゴリズムをLibraBFT(Libra Byzantine Fault Tolerance)と呼ぶ。
Hotstuffというコンセンサスアルゴリズムをベースにして発展させたとのこと。1

The Libra Blockchain
5 Byzantine Fault Tolerant Consensus
https://developers.libra.org/docs/assets/papers/the-libra-blockchain.pdf

2.2.コンセンサスの流れ

  1. 参加するノードからリーダが選ばれ、リーダがトランザクションからなるブロックを提案する。
  2. リーダはそのブロックを、他の選ばれたノード(バリデータ)に送る。
  3. 受け取ったバリデータは、ブロックの妥当性を確認し、問題がなければ承認する。
  4. リーダはバリデータから承認を確認し、過半数の承認を得た場合、チェーンを更新する
  5. 過半数から承認を得られなかった場合、チェーンは更新されずに次のブロックが次のリーダによって提案される。

現時点のLibraBFTはコンソーシアム型2のブロックチェーンでの利用を前提にしており、コンセンサスアルゴリズムに参加するノードは、Libra協会によって選ばれたメンバーに限られる。

2.3.LibraBFTの特長

次の長所が見込まれている。

  • ビットコインのPoWに比べて電力の消費が少ない。
  • ビットコインのPoWに比べて承認までの時間が短い
  • 他のコンソーシアム型のコンセンサスアルゴリズム(PBTF3)に比べて、バリデータが増えた場合でも通信負荷が小さい。

3.参考

この記事では以下を参照させていただきました。ありがとうございました。

HotStuff: the Consensus Protocol Behind Facebook’s LibraBFT

https://medium.com/ontologynetwork/hotstuff-the-consensus-protocol-behind-facebooks-librabft-a5503680b151

論文翻訳: HotStuff: BFT Consensus in the Lens of Blockchain

https://hazm.at/mox/distributed-system/algorithm/transaction/hotstuff/hotstuff-bft-consensus-in-the-lens-of-blockchain/index.html

コンソーシアム型ブロックチェーンで使用できる合意形成アルゴリズム「PBFT」

https://gaiax-blockchain.com/pbft

フィナンシェ第2回社内ブロックチェーン勉強会 〜Libra編〜

https://www.wantedly.com/companies/company_8586948/post_articles/176026

Libra BFTコンセンサス・アルゴリズムの解説

http://lifeforearth.com/?p=8477


  1. 「HotStuff」は、2018年にVMWareResarchによって提案された、コンソーシアム型のブロックチェーンに向けたアルゴリズム。バリデータが増えた場合においても、通信負荷が抑制されるような仕組みを持つ。 

  2. 「コンソーシアム型」とは、組織で定めた特定ノードだけが参加できる形のブロックチェーン。ビットコインのように不特定多数のノードが参加可能なブロックチェーンは「パブリック型」という。「コンソーシアム型」を「許可型(permissioned)」、パブリック型を「非許可型(permissionless)」と呼ぶ場合もある。 

  3. 「PBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)」とは、コンソーシアム型の代表的なコンセンサスアルゴリズムのひとつ。リーダと他のバリデータの多数決によってコンセンサスをはかる仕組みを持ち、LibraBTFやHotStuffに影響を与えている。 

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