#0. Libraとは
GAFAの一角を成す「Facebook」を中心とした「Libra協会」によって発行が予定されている暗号通貨。グローバルで使える統一通貨をブロックチェーンで実現することを目標にしている。
「Libra協会」のメンバーとしては、ebay、Spotify、Uber、MasterCard、coinbase、a16z、Booking Holdingsなどが参画を表明している。
#1. コンセンサスアルゴリズムとは
発生した取引を妥当なものとして承認するためのアルゴリズム。
ブロックチェーンなどのP2Pネットワークでは、不正な取引を防ぐための仕組みとして実装され、PoW、PoS、PoI といったものが有名。
PoW : proof-of-work 暗号通貨bitcoin、Ethereumで利用
PoS : proof-of-stake
PoI : proof-of-importance 暗号通貨NEMで利用
#2. Libraのコンセンスサスアルゴリズム
###2.1.LibraBFT
Libraでは、自らのコンサセスアルゴリズムをLibraBFT(Libra Byzantine Fault Tolerance)と呼ぶ。
Hotstuffというコンセンサスアルゴリズムをベースにして発展させたとのこと。1
The Libra Blockchain
5 Byzantine Fault Tolerant Consensus
https://developers.libra.org/docs/assets/papers/the-libra-blockchain.pdf
###2.2.コンセンサスの流れ
- 参加するノードからリーダが選ばれ、リーダがトランザクションからなるブロックを提案する。
- リーダはそのブロックを、他の選ばれたノード(バリデータ)に送る。
- 受け取ったバリデータは、ブロックの妥当性を確認し、問題がなければ承認する。
- リーダはバリデータから承認を確認し、過半数の承認を得た場合、チェーンを更新する
- 過半数から承認を得られなかった場合、チェーンは更新されずに次のブロックが次のリーダによって提案される。
現時点のLibraBFTはコンソーシアム型2のブロックチェーンでの利用を前提にしており、コンセンサスアルゴリズムに参加するノードは、Libra協会によって選ばれたメンバーに限られる。
###2.3.LibraBFTの特長
次の長所が見込まれている。
- ビットコインのPoWに比べて電力の消費が少ない。
- ビットコインのPoWに比べて承認までの時間が短い
- 他のコンソーシアム型のコンセンサスアルゴリズム(PBTF3)に比べて、バリデータが増えた場合でも通信負荷が小さい。
#3.参考
この記事では以下を参照させていただきました。ありがとうございました。
######HotStuff: the Consensus Protocol Behind Facebook’s LibraBFT
######論文翻訳: HotStuff: BFT Consensus in the Lens of Blockchain
######コンソーシアム型ブロックチェーンで使用できる合意形成アルゴリズム「PBFT」
######フィナンシェ第2回社内ブロックチェーン勉強会 〜Libra編〜
https://www.wantedly.com/companies/company_8586948/post_articles/176026
######Libra BFTコンセンサス・アルゴリズムの解説
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「HotStuff」は、2018年にVMWareResarchによって提案された、コンソーシアム型のブロックチェーンに向けたアルゴリズム。バリデータが増えた場合においても、通信負荷が抑制されるような仕組みを持つ。 ↩
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「コンソーシアム型」とは、組織で定めた特定ノードだけが参加できる形のブロックチェーン。ビットコインのように不特定多数のノードが参加可能なブロックチェーンは「パブリック型」という。「コンソーシアム型」を「許可型(permissioned)」、パブリック型を「非許可型(permissionless)」と呼ぶ場合もある。 ↩
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「PBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)」とは、コンソーシアム型の代表的なコンセンサスアルゴリズムのひとつ。リーダと他のバリデータの多数決によってコンセンサスをはかる仕組みを持ち、LibraBTFやHotStuffに影響を与えている。 ↩