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CUT Key Pocket (MISAWA)の紹介

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はじめに

私は片手用キーボードが好きです。

Cut Keyシリーズという、1990年代から2000年代初期にリリースされた、ミサワホームの加藤らが開発した、片手用キーボードがある[1][2][3]。

[1] 発行年: 1999年01月29日, テンキー型片手打鍵文字入力方式の実験と評価 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター, https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902141577707469

[2] 平成12年12月26日の記事, ニュースリリース|ミサワホーム:MisawaOnLine-CONTENTS, https://www.misawa.co.jp/corporate/news_release/misawa/pop-up/release-pages/2000_07_12/001226.html

[3] 片手でらくらく誰でもできるパソコン入力, 64p, 増田忠士, 日本経済新聞社, 1999年

FrogPadに代表される他の片手用キーボードと異なり、「テンキー型」「日本語入力に適している」「多重押し入力システム」といった特徴があり、少ないキーで、多数のキー入力をシンプルに行えるのが特徴である。[4]

[4] 片手用キーボード「CUT Key Pocket」は私の神器です!|ちっちょ@OI, https://note.com/chiho_oi/n/n72af100b7202

「MISAWA CUT Key VC-101」「CUT Key Pocket」などの製品がある。残念ながら、いずれの製品も現在入手困難である。そのため、CUT Keyの詳細について紹介した記事はない。

Cut Keyの動作がわかれば、自作キーボードや安価なプログラマブルキーボードでCut Keyの再現に役立つと考え、この記事で、Cut Key Pocketの動作を紹介することにした。

キー配置

日本語(ローマ字入力)と英語はアルファベットの出現頻度が似ている。
そのため、日本語が入力しやすいと、英語も自然と入力しやすくなるようだ。

・母音と子音を覚えやすく、ほぼ50音順にレイアウトした。
・半母音の「や行」と「わ行」を母音と子音の間に配列した。
・よく使う5つの母音と子音の清音は、普通に押して入力する。
・子音の濁音は分かりやすく、その清音を2回押して入力する。
・やや頻度の低い「ま行」と「わ行」も、2回押して入力する。
・日本語と英語は出現頻度が似て、ともに効率よく入力できる。
(引用 CUT Key Pocket クイックマニュアル)

覚えやすく打ちやすい文字入力
・CUT Key配列では、12個の文字キーに母音と子音とを分けてほぼ50音順に並べ、濁音を清音の隣に配置しています。
・また、最も出現頻度の高い5つの母音を1文字ずつ置き、子音を出現頻度の順に3文字ずつ並べてあるので、日本語も英語も極めて打鍵効率のよい入力ができます。
・各文字キーを1回打つと、そのキーの左端に書かれている文字が入力され、2回打つと2番目の文字が、3回打つと3番目の文字が入力されます。
(閲覧日2025/07月, CUT Key Desktop Gallery - わずか22キーのフルキーボード, http://katoshun.com/cutkey/)

hairetu_kihon.jpeg

jp_en_freq.jpeg

CUT Key Pocketの配列
pocket_hairetu.jpeg

Cut Key VC101の配列
IMG_0836.jpeg

(CUT Key VC-101取扱マニュアル)

入力方法

「多重押し」と「レイヤー」との併用

通常のキーボードでは100以上のキーでアルファベット、記号、数字等を表現する。

Cut Keyは「多重押し」と「レイヤー」との併用により、少ないキー(12キー+修飾キー他)でほぼフルキーボードを表現をしている。

多重押しシステム

nyuryoku.jpeg

上記の説明の通りなのですが、「ywx」キーを例にして改めて説明します。

ボタンを1回押すと「y」が入力される。

ボタンをもう一度押すと「y」が削除され「w」が入力される。

ボタンをもう一度押すと「w」が削除され「x」が入力される。

レイヤーシステム

「Enter」はレイヤーキーを兼ねている。単独で押すと「Enter」として働く。Enterキーをおしながら、他のキーをおすと、記号レイヤーキーとしてはたらき、キーの右上に刻印されている文字(記号)が入力される。

「Space/変換」キーもEnterキーと同様である。Spaceキーは数字レイヤーキーを兼ねる。

Enterを押しながら、「ywx」キーを押すと「/」が入力される。
Enterを押しながら、もう一度キーを押すと「%」が入力される。
Enterを押しながら、もう一度キーを押すと「|」が入力される。

修飾キー + 通常キーの挙動

12個のキーでアルファベット、日本語の50音を表現する。その12個のキーを「コの字型」に囲むように機能キーが配置されている。

shift + 通常キー

sfiftを押しながら「ywx」キーを押すと「Y」、
sfiftを押したままもう一度「ywx」を押すと、「Y」が削除され、「W」が入力される、
sfiftを押したままもう一度押すと、「W」が削除され、「X」が入力される。

ctrl + 通常キー

sfiftの場合と異なり、ctrlキーを放上した際に入力される。

つまり、ctrlを押しながら「y」を押下し、「y」を放上しても、その時点では入力されない。

ctrl + xを入力する場合は、ctrlを押したまま、「ywx」を3回押して、ctrlを放上する。

altキーもctrlと同様で、altを離した時にキー入力される。

縦長の機体

片手用キーボードで有名な「FrogPad」や「Matias Half-Keyboard」「TWIDDLER」は横長である。一方、Cut Keyは電卓やテンキーのような縦長の形状である。

工夫されている点

Cut Key VC-101とその改良型であるCut Key Pocketとを比較すると、Cut Key Pocketはむしろキー数が増えている。おそらく、カーソルキー、数字 英字 記号 かなキーは独立させた方が、効率が良いということなのであろう。

利点

説明書や以下の参考文献に書かれていることだが、学習コストが低い、片手指一本でも打てる、英語も高効率で打てるなど。

(片手でらくらく誰でもできるパソコン入力, 64p, 増田忠士, 日本経済新聞社, 1999年)
(閲覧日2025/07月, CUT Key Desktop Gallery - わずか22キーのフルキーボード, http://katoshun.com/cutkey/)

不利な点

・command (super) キーがない(Ctrlキーにcommadキーのシンボルがかかれているが、実際にはctrlキーである)。

・shiftキーの挙動は上記の如くなので、「shift + 記号」で打てないパターンがある。

・多重押しをする場合、間にバックスペースが入るので、タイピングゲームで遊びづらい。

・Cut Keyの説明には、入力速度もそれなりにでるとあるが、実際には速度がでづらい。(反面、一定の速度までは容易に到達できる)。

今後の展望

・自作キーボード界隈では、フルキーボードを少ないキーで表現する場合、レイヤーシステムで実装しているようである。Cut Keyのようにレイヤーシステム+多重押しのような、複数の入力方法の併用も考えるとよいかもしれない。

・修飾キーはどのレイヤーからでもアクセスできることが望ましい。

・space、back space、enterへはアクセスがよいことが望ましい。

・「英数」、「かな」のような、ローマ字入力と直接入力を切り替えるキーもあった方が良いと思われる(トグルではなくて!)。

・独断ではあるが、キーの優先順位をつけると以下の通り。

必須

・aからzの26個の文字、
・32個の記号( ! = " $ # - % + & * @ ' ; , : ^ . / ? \ ` _ | ~ ( ) < > [ ] { } )
・0から9の10個の数字、
・修飾キー4個(sfift、ctrl、alt、super)、
・カーソルキー(上下左右)、
・その他(ecsape、tab)

必須ではない(あると便利)

home、end、UpPage、DownPage

必須ではない(なくても良い)

del、ファンクションキー、Fnキー

不要

メディアコントロールキー

不要2

ins、caps lock、num lock

・上記を踏まえて、速度を出すための片手キーボードの構成を考える。

 速度を早くするにはホームポジションが必要。

 片手(4本指)でホームポジションに置くと、その時点で4列必要になる。
片手Dvorak配列から指の可動域を推測すると、4本指(第2指から第5指)縦方向(行方向)は4行が限界。親指を入れると5行が限界と推測される。

 一方、4本指(第2指から第5指)の横方向(列方向)の可動域は広い。

 Cut keyのように12キーでアルファベットを表現し、その12キーを囲むようにして「修飾キー」や「かな」「英数」「back space」「space」などは配置する。

 上記を満たすには、おそらく30キーほど必要(例:4行x6列=24キー)。

 そして、約30キーでフルキーボード(おおよそ109キー)を表現するのに必要なレイヤーは、少なくとも3つか4つと推測される。

ただし、修飾キーは各レイヤーで必要なので、必要なレイヤー数は少し多めの4つか5つと推測する。

 配列の覚えやすさという点から、アルファベット、記号、数字、カーソルはレイヤーを分けた方がよい。Cut Key Pocketでもカーソルキーは独立させていた。

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