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この記事はラクスパートナーズ Advent Calendar 2025 7 日目の記事です。

弊社ではビアバッシュという軽食をつまみながら有志による 5 分 LT を聞く交流イベントがあります。
実際の様子

かれこれ 10 年以上在籍していることもあり、ぼくが登壇した回数はもう覚えていません。
今やすっかり「ビアバッシュおじさん」として名を馳せています。

そんなビアバッシュおじさんが 10 年のビアバッシュ生活で見出した発表のコツを紹介しようと思います。
ありがちな 5 分 LT と普段の LT で意識していることをまとめます。
弊社のビアバッシュに限らずカジュアル寄りの LT でも参考になるかもしれません。

ありがちな 5 分 LT

はじめにあらかじめ断っておきますが、これから書くことはあくまでぼくの実体験ベースの「こんな発表やっちゃったなぁ」という話であり、普段 LT 発表をしている方を腐す意図は一切ありません。
LT 発表している方は全員尊く思いリスペクトしています。

テーマがちょっとマニアック

「せっかく人前で発表するなら……」とテーマ選びで気合を入れすぎてしまうパターン。
例えば、

  • 使用者が極端に少ないミドルウェア・プログラミング言語・マネージドサービスなどの話
  • 特定の業界知識や大学レベルの数学・統計学など高度な前提知識がないと理解できない話

こういったリスナー側にとって馴染みの薄いテーマは内容が想像しにくく、反応が薄くなりがちです。

詳細に話しすぎる

↑と似たニュアンスですが、ある程度馴染みがあるワードだとしても聞いてもらうからにはちゃんと理解して帰ってほしいという親切心から、

  • 今日のお題を理解するには前提知識としてこれが必要だな
  • あ、でもこの前提知識はさらに前提としてこの知識も必要で……(以下略

といった具合にライトニングで収まらないサンダーボルトくらいのインパクトの大長編に仕上がるパターン。

普段の LT で意識していること

数回 LT 経験を重ねないとほぼ今挙げたパターンの発表になります。(なりました)
なんて言ったってテーマ選びをミスると、ぼくですらいまだにこういった発表をすることがあるのだから。

ここからはビアバッシュでぼくが LT をするときに心がけているポイントを「心構え」「技術」の 2 つに分けてご紹介します。

心構え編

5 分は思っているより短い。本当に短い

前に出てしゃべってみるとわかりますが、5 分は非常に短いです。
何なら自己紹介やまとめなどのスライドを入れると本編は実質 3~4 分くらいかもしれません。
この発表時間では前提知識を共有する枠はほぼありません。

あるテーマについて LT 発表しようと思ったのなら、おそらくあなたはそのテーマに対して業務や個人開発で長い時間を費やしてきたことと思います。
それだけの時間をかけて習得したことは 5 分で理解可能でしょうか?
きっと「否」です。ぼくらの仕事は技術職であり、技術は思考と試行によってのみ身につきます。

ぼくはビアバッシュの LT は発表テーマに対する「理解を促す講義」ではなく「興味を持ってもらうきっかけ」くらいの温度感で発表しています。

ビアバッシュはエンタメ(Not 教育)

「理解を促す」のが「教育」、「興味を持ってもらう」のが「エンタメ」と仮に定義します。
具体例として伝わりやすいかは怪しいですが、Youtubeなどで大学レベルの数学・統計学を解説するのが「教育」、時事ネタや話題の書籍を噛み砕いて解説するのが「エンタメ」といったニュアンスです。

この定義に従うとしたらビアバッシュは「エンタメ」に分類されると個人的には思っています。

そして、エンタメであるビアバッシュの LT は特有のシチュエーションのもとで聞かれています。
それは

  • リスナーの職種・経歴・LT を聞く温度感などがバラバラ
  • 軽食を食べながら
  • お酒を飲みながら
  • 周りの人と歓談しながら

など「均一な層のリスナーが LT を聞くことに全集中」ではなく「色々な人がながら聞き」というシチュエーションです。

発表者側としてはながら聞きされているという前提に沿った発表をすることでリスナーがハッピーになれる UX を提供できそうな気がします。

技術編

では、心構えをどうやって実現していくかの実践例をいくつか紹介します。

スライド 1 枚で完結

リスナーは基本的にながら聞きしているというのは前述の通り。
ながら聞きだとスライドを最初から最後まで通しで見ていない可能性が当然あります。

ので、ひとつの話題が複数スライドにまたがってしまうことはなるべく避けて、どのスライド 1 枚を見ても『何かがわかった気になれる』資料作り・発表の組み立てを意識しています。

イメージとしてはよく言われている「1 スライド 1 メッセージ」です。

発表のフォーマット化

毎回アドリブに近い形で話したいことを思いついたまま資料にまとめて発表すると 5 分に収まったり、オーバーしたりとムラッ気が出てしまいます。
あらかじめ発表のフォーマットを作ってしまい、発表内容をフォーマットにあてはめていくことを意識するとある程度安定して 5 分に収めることができます。
ぼくが実際に使っているフォーマットは以下の通りです。

  • 自己紹介:1 枚(1分)
  • 今日のテーマと選んだ理由:1 枚(30秒)
  • 本編:3 枚程度(2~3分)
  • まとめ:1 枚(30秒)

詳細は質疑応答で

この方法はちょっと抜け穴的な手法ですが、LT 発表の本編ではあえて詳しいことは話さずに「質問を誘い出す余白」を何個か埋めておくことで質疑応答の時間を使って発表テーマに関する深堀り解説をするという手法があります。
この手法は自分の意図通りに質問してもらえるかがリスナー依存になってしまいますが、うまくハマるとテーマをより深く話すことができたり、発表者とリスナーの双方向コミュニケーションのような発表になったりと発表の質を上げることが可能です。

例えば「○○の便利な使い方」というテーマなら、

  • 本編では「一番メジャーな 1 パターン+メリット」だけ話す
  • 他の使い方や細かい設定はあえてスライドに書かず、
    「他にもパターンがあるので、気になる人は質疑で聞いてください」

というように「ここは突っ込まれたら話そう」という余白を仕込んでおく、みたいなイメージです。

まとめ

ぼくが普段 LT をするときに意識していることをまとめてみました。

LT 発表は慣れるまで準備が少し大変ですが、回数を重ねるごとにどんどん上手くなっていくことが実感できる活動だと思っています。
LT 準備をすることで「知識の整理」や「言語能力の向上」も見込めて、これらはお客様先での報連相や顔合わせのときに自分を売り込む能力にも繋がります。

一度身についた能力は一生物です! 是非 LT 発表に挑戦してみてください!

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