Virtuozzo Japanのソリューションエンジニアです。
最近、BroadcomによるVMwareの買収で業界が大きく揺れ動いており、弊社にも多くの問い合わせが寄せられています。その中で、驚くほど多くの方が「Virtuozzoってまだあるの?」と言われることがあります。
実は、Virtuozzoは消えていません。それどころか、進化を続け、新たな技術を取り入れながらクラウド、仮想化、コンテナ技術を推進しています。本記事では、Virtuozzoの歴史と現在の進化について紹介し、「今のVirtuozzoが何を提供しているのか?」をお伝えします。
💡 Virtuozzoの起源と歴史
Virtuozzoの歴史は1997年に遡ります。当時は SWsoft という名前で、仮想化技術を開発する企業としてスタートしました。その後、2000年に 世界初の商用コンテナ型仮想化技術 を開発し、2005年には OpenVZ としてオープンソース化。コンテナ技術の先駆者としての地位を確立しました。2015年、SWsoft(後のParallels)から独立し、Virtuozzoは単独の企業として再出発しました。
おそらく、「Virtuozzo」と聞くと、多くの方がOpenVZやParallelsを思い浮かべるでしょう。実は、それ以来、クラウドやコンテナ、仮想化の分野で技術革新を続けています。
🚀 2010年代に消えた? 実は進化していました!
2010年代後半、多くの人がVirtuozzoの存在を忘れてしまったのは事実かもしれません。しかし、その間も着実に進化を遂げていました。特に 2021年にはJelasticとOnAppを統合 し、クラウド基盤の提供範囲を拡大しました。
- OnApp: IaaS、プライベートクラウド、CDNを提供するクラウドプラットフォーム
- Jelastic: コンテナ技術をベースにしたPaaS(Platform as a Service)を提供するクラウドプラットフォーム
この2つの技術を取り込み、Virtuozzoは クラウドネイティブな仮想化&コンテナプラットフォーム へと進化しました。
また、バックアップやセキュリティのプロAcronis社とも姉妹会社の関係にあります。Acronis社に対して、数年前からOpenStackを最適化した仮想化基盤と独自の仮想ストレージを提供し続けています。これは、現在のAcronis Cyber Infrastructureというソリューションになっています。実は中身が、Virtuozzoが開発したVirtuozzo Hybrid InfrastructureというHCI構成のIaaS基盤です。
🔥 Virtuozzoの現在:進化した仮想化 & クラウド
現在のVirtuozzoは、単なる仮想化ソフトウェアの提供にとどまらず、Linux OSかた、IaaS、PaaS、クラウドネイティブな環境構築に適した製品を提供しています。
✅ Virtuozzo Hybrid Infrastructure (VHI)
OpenStackを最適化にしたハイパーコンバージドインフラ(HCI)と仮想化を統合したオールインワンプラットフォーム。VMwareの代替としても注目されています。弊社の最も戦略的な製品になっています。VHIについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
✅ Virtuozzo Hybrid Server (VHS)
OpenVZ仮想化技術を採用し、クラウドサービスプロバイダー向けの強力なコンテナ仮想化環境を提供しています。また、KVMのハイパーバイザーもついていますので、VMの作成も可能になっています。技術スタックがすこし古いですが、その抜群の安定性と効率性で日本でも支持層多く得られている状況です。
✅ Virtuozzo Application Platform (旧Jelastic)
VMware Tanzu, Redhat Openshiftと同じカテゴリに入るPaaS製品です。コンテナ技術を活用しています。Docker、Kubernetes、Java、PHP、Node.js などの開発・本番環境を簡単に構築可能です。マルチクラウドとBilling機能もサポートしていますので、様々なビジネス形態に対応しています。
✅ Virtuozzo Storage
分散ストレージ技術を活用し、高可用性とスケーラビリティを備えたストレージソリューション。S3オブジェクトストレージは高いパフォーマンスを持ち、ビッグデータやストレージサービスの基盤として注目されています。
✅ vzLinux
CentOSと互換性のあるLinuxとして注目されていますが、積極的な研究開発が行われていません。
💭 まとめ:Virtuozzoは未来へ
Virtuozzoは コンテナ仮想化の先駆者 として生まれ、現在では クラウドインフラ全体をカバーする技術 へと進化しました。
「2010年代に消えた」と思われがちですが、実際にはVHI、VAPが VMware代替の選択肢 としても注目されるほど成長しています。
今後も、Virtuozzoはクラウド&仮想化業界の新たな選択肢として進化を続けます。ぜひ、この機会にVirtuozzoの最新技術に触れてみてください! 💡✨