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もう学校のおたよりを読まなくていい。AIがプリントを予定に変える

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Last updated at Posted at 2026-08-15

もう学校のおたよりを読まなくていい。AIがプリントを予定に変える

はじめに

学校から配られるプリントには、行事の日程、提出期限、持ち物など、保護者にとって重要な情報が多く含まれています。

しかし、プリントを受け取った後には、内容を読み取って予定を確認したり、カレンダーに登録したり、必要な持ち物や提出物を整理したりする作業があります。

私たちは、こうした「学校から届いた情報を受け取った後の情報処理」をAIに任せられないかと考え、このプロダクトを開発しています。

学校から配布されたPDFやプリントをWebアプリにアップロードすると、AIが内容を読み取り、予定や締切、持ち物などの情報を抽出します。さらにGoogle Calendarと連携することで、抽出した予定をカレンダーへ登録します。これにより保護者が手作業で予定を入力する負担を減らすことを目指しています。

学校からのプリント
        ↓
       AI
        ↓
予定・締切・持ち物などを抽出
        ↓
    Backendで検証・判定
	    ↓
Google Calendarへ登録

なぜこのサービスを作ったのか

私たちは、AIを使ってコーディングや開発を行う中で、AIエージェントが人間に代わってさまざまなデジタル操作を行えるようになっていることに着目しました。

そこで、

AIでデジタル操作を簡単にするのではなく、そもそもその操作自体を人間の生活から減らせないか

という発想から、今回のサービスを考えました。

学校と保護者の連絡についても、デジタル化そのものを目的にするのではなく、保護者が情報を受け取った後に行っている作業を減らすことに着目しました。

LINEヤフーが2025年に実施した「学校と保護者の連絡に関する実態調査」では、学校と保護者の連絡におけるデジタル化率は、教員41%、保護者46%にとどまっています。

また、学校と保護者の双方が困っていることとして、「子どもがプリントを保護者に渡し忘れること」や「学校からの電話に出られないこと」などが挙げられています。さらに、複数の連絡手段を利用している人のうち、1つのアプリ・ツールに統一することを希望する割合は、教員87%、保護者89%でした。

こうした調査結果に加え、私たち自身のヒアリングからも、

  • 学校と保護者の間で複数の連絡手段が使われている
  • 連絡手段をまとめてほしいというニーズがある
  • プリントの渡し忘れや情報の見落としがある

といった課題を確認しました。

そこで私たちは、保護者にとって負担なのは学校から届いた情報を見ることだけではなく、その後の予定登録・持ち物整理・家族共有などの「情報処理」にもあるのではないか、と考えました。

この仮説をもとに、まずは

プリント/PDF
 ↓
AIが予定・締切・持ち物を抽出
 ↓
Backendで検証・判定
 ↓
Google Calendarへ登録
 ↓
必要な情報だけを保護者に届ける

という流れをMVPとして開発しています。

サービスの概要

学校から配布されたプリントをWebアプリにアップロードすると、AIがその内容を解析し、予定や締切などの情報を抽出します。

例えば、学校から「来週の遠足についてのお知らせ」が届いた場合、保護者がプリントを最初から読み込んで予定をカレンダーへ入力するのではなく、AIが必要な情報を整理し、Google Calendarへの登録につなげることを目指します。

これにより、保護者は学校から届いた情報を確認するための作業を減らし、必要な情報だけを受け取れるようにします。

システム構成・技術スタック

本システムでは、認証・アカウント管理を行うBackendと、
PDF解析・AI処理を行うBackendを分けて構成しています。

PDF / 学校プリント

React / TypeScript Frontend

Node.js Backend

OrcaRouter経由でLLMへPDFを送信

Strict Structured Outputで
予定・締切・持ち物・必要行動を構造化

BackendでAction Decision
(AUTO_CREATE / CONFIRM_REQUIRED / BLOCKED)

Frontendで候補表示

Google OAuth経由でGoogle Calendarへ登録

主な技術スタックは以下です。

  • Frontend:React / TypeScript / Vite
  • 認証・アカウント管理Backend:Go
  • AI・PDF解析Backend:Node.js
  • AI:OrcaRouter / OpenAI SDK互換Responses API
  • Database:PostgreSQL(Supabase)
  • Authentication:Supabase Auth
  • Calendar連携:Google Calendar API / Google OAuth 2.0

DB設計

サービスでは、アカウント情報やアカウントの状態、外部サービスとの連携情報などを管理するためのデータベースを設計しています。

ER図

Account Management Ecosystem-2026-08-15-033025.png

現在は、認証に関する情報、アカウント情報、アカウント状態の履歴、Google Calendarとの連携情報などを管理する構成になっています。

AIによる情報処理

今回のシステムでは、LLMにすべての判断を任せない設計にしています。

AIが担当するのは、学校プリントの内容を読み取り、
予定、締切、持ち物、提出物、必要な行動などを
決められたJSON Schemaに沿って構造化する部分です。

その後、Backend側で抽出結果を検証し、
各予定候補を以下の3段階に分類します。

  • AUTO_CREATE:十分に確実なため自動登録可能
  • CONFIRM_REQUIRED:ユーザー確認が必要
  • BLOCKED:曖昧または信頼度が低いため登録不可

例えば「9月4日 10:00」のように明確な予定は登録候補にできますが、
「9月上旬」「来週」「月末」「9月4日頃」のような曖昧な表現は、
AIが具体的な日付を推測しても自動登録しません。

これにより、AIの柔軟な情報抽出能力を活かしながら、
実際のシステム操作についてはBackend側で安全に制御しています。

開発での工夫・苦労した点

最も意識したのは、「AIにどこまで任せるか」です。

学校プリントには、
「来週」「9月上旬」「○日頃」といった曖昧な日時表現が多く含まれます。

LLMはこうした表現から具体的な日付を推測できますが、
その推測をそのままGoogle Calendarへの登録に使うと、
誤った予定を自動作成する危険があります。

そこで、AIには情報の抽出と構造化だけを担当させ、
「実際にカレンダーへ登録してよいか」はBackend側のルールで判断する設計にしました。 つまりAIにすべての判断を任せるのではなく、AIが得意な「情報の抽出」と、システム側で行う「処理の判断」を分けることを意識した設計になっています。

また、LLMの出力形式を自由文にせず、
Strict Structured Outputを利用してJSON Schemaに固定することで、
FrontendやBackendから安定して扱えるようにしています。

AIの能力を最大限使いつつ、
重要な操作についてはシステム側で決定権を持たせることが、
今回の実装で最も工夫した点です。

現在の開発状況

現在、チームでは以下の機能を実装しました。

  • AIによる学校プリントの情報抽出

  • Backendでの抽出結果の処理

  • Frontendでの情報表示

  • データベースの設計・実装

  • 認証機能

  • Google Calendar用データ生成

今後は、各機能をさらに連携させ、実際のプリントを用いた検証や、Google Calendarへの登録までを含めた一連の体験を完成させていく予定です。

まとめ・今後の展望

私たちは、学校から保護者に届く情報をAIで整理することで、保護者がその後に行っている予定登録や情報整理などの作業を減らすことを目指しています。

今後は実際のプリントを用いた検証を行い、

「予定登録を楽にする」だけでなく、「AIでデジタル操作を簡単にするのではなく、その操作自体を生活から減らす」

というコンセプトのもとで学校からの連絡を受け取った後の負担をどこまで減らせるかを検証していきます。

参考文献


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