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Azureの次のステップ:PaaSと自動化を使った高度な運用術

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前回の記事では、AzureのPaaSとAutomation アカウントを活用した基本的な使い方をご紹介しました。今回は、それを一歩進めて、AzureのPaaSとAutomationを活用した高度な運用術や具体的な応用事例を掘り下げていきます。

高度なPaaS活用術

1. Azure API ManagementとLogic Appsの統合

Azure API Managementは、APIの公開、保護、管理を行うためのサービスです。これをLogic Appsと組み合わせることで、APIのワークフローを自動化できます。

ユースケース
APIリクエストのバリデーション: 受信データをLogic Appsで事前処理し、APIバックエンドに渡す。
エラー処理の自動化: APIの失敗リクエストをAzure Blob Storageにログ保存。
実践例: データ検証フローの構築
Azure API ManagementでAPIを公開。
Logic Appsをトリガーに設定し、データを検証。
問題があれば通知(例: TeamsやSlackに送信)。

2. Azure Event GridとFunctionsによるイベント駆動型アーキテクチャ

Azure Event Gridは、リソース間のイベントを連携させるためのサービスです。これをFunctionsと組み合わせると、イベントドリブンなシステムを簡単に構築できます。

ユースケース
ストレージへのファイルアップロードをトリガーに画像処理を実行。
IoTデバイスのデータをリアルタイムで処理。
実践例: ファイルアップロードイベントの処理
Azure Blob Storageに新しいファイルが追加されるたびにEvent Gridがトリガー。
Azure Functionsがそのファイルを処理(例: 画像のリサイズ)。
サンプルコード: Event GridとFunctionsの連携

javascript
module.exports = async function (context, eventGridEvent) {
context.log('Event received:', eventGridEvent);
// イベントデータを処理
};

3. Azure Cosmos DBとPaaSサービスの連携

Azure Cosmos DBは、グローバル分散型のNoSQLデータベースです。これをPaaSと組み合わせることで、スケーラブルなアプリケーションを構築できます。

応用例
Functionsと連携: Cosmos DBに新しいデータが追加された際に、Functionsをトリガーとして処理を実行。
Logic Appsと連携: Cosmos DBからデータを取得し、別のシステムに送信。
実践例: Cosmos DBのデータ変更検知と通知
Cosmos DBの変更フィードを利用してデータ更新を検知。
Functionsをトリガーとして実行し、変更内容をTeamsで通知。

自動化の次のステップ:複雑なワークフローの構築

1. Hybrid Runbook Workerでオンプレミス環境を自動化

Azure AutomationのHybrid Runbook Workerを利用すると、オンプレミスのリソースを管理するRunbookを実行できます。

ユースケース
オンプレミスサーバーのパッチ管理。
ネットワーク機器の設定変更。
実践例: オンプレミスサーバーのバックアップ

Hybrid Runbook Workerをセットアップ。
Runbookでバックアップタスクを作成。
スケジュール設定で定期的に実行。

2. 複数サービスをまたぐ自動化フロー

Logic AppsとAutomation Runbookを連携することで、Azure内外のサービスを横断した自動化が可能です。

シナリオ例: サーバーレスCI/CDパイプライン
Azure DevOpsでコードがプッシュされたらLogic Appsをトリガー。
Automation Runbookで環境をプロビジョニング。
Azure Functionsでアプリケーションをビルド・デプロイ。

運用をよりスマートにするツール連携

1. Azure MonitorとAutomationの連携

Azure Monitorでリソースのメトリクスやログを監視し、特定条件をトリガーにAutomation Runbookを実行できます。

実践例: 高負荷時のスケールアウト
Azure MonitorでCPU使用率を監視。
CPU使用率が80%を超えた場合にRunbookでVMを追加スケール。

2. Power BIによる運用データの可視化

Logic Appsでデータを収集し、Power BIに送信することで運用データの可視化が可能です。

ユースケース
仮想マシンの稼働状況をダッシュボード化。
セキュリティイベントのトレンドをリアルタイム監視。

ベストプラクティス:自動化とPaaSを組み合わせるポイント

1.小規模な自動化から始める

初めは単純なRunbookやLogic Appsフローを構築し、徐々に複雑なワークフローに拡張。

2.ログと監視を統合

Azure MonitorやLog Analyticsを活用し、自動化の実行結果やエラーをトラブルシュートしやすくする。

3.Infrastructure as Code(IaC)の採用

Azure Resource Manager(ARM)テンプレートやTerraformを活用し、リソースのデプロイと自動化をコードで管理。

4.セキュリティを優先

Automation アカウントのRun Asアカウントの適切なロール割り当てや、SecretsのKey Vault管理を徹底する。

まとめ

AzureのPaaSとAutomation アカウントを活用すれば、複雑なワークフローやマルチサービスを横断した運用の自動化が可能です。本記事では以下を重点的に紹介しました:

PaaSサービス(API Management、Event Grid、Cosmos DB)の応用。
自動化の進化(Hybrid Runbook Workerや複数サービス連携)。
Azure MonitorやPower BIによるスマートな運用。
これらを駆使して、運用を効率化し、開発やビジネスにより集中できる環境を整えてみてください!

さらに高度な設計や運用ノウハウを学びたい方は、以下の公式ドキュメントをチェックしてください:

https://learn.microsoft.com/ja-jp/training/azure/
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/?product=popular

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