データ分析
それは収集した大量の情報から、
人間が解読可能なよう情報を要約する行為だ。
思い込みを捨てて事実を見よう
私は現在、データ分析を生業にしている。
正確にはデータサイエンティストという職業になるので、システム周りを担当することもある。
この仕事を志したきっかけに「FACTFULNESS」という本が大きく影響している。
この本のタイトル、ファクトフルネスとは「先入観や思い込みを捨てて、事実(データ)に基づいて世界を見よう」と言う意味で、
著者のハンス・ロスリング氏が作った造語だ。
話が少し脱線するが、このハンス氏は本当に愉快でおもしろいひとだ。彼のTEDトークの演説は最高なのでぜひ見てみてほしい。
たとえ高学歴な人でも先入観があり、世界の真実に関する簡単なクイズに対してチンパンジー以下の正答率だと笑って語るシーンが私のお気に入りだ。
この本からは本当に多くを学んだ。
特に以下の2点は常に私の心に残っている。
•データを基に事実を捉えることの重要性
•先入観や思い込みで物事を捉えることの危険性
人間が抱える思い込みは、ときに本能からきてしまうことがあり非常に厄介だ。
世界人口のうち極度の貧困にある人は何割か?
ここで1つ具体例をあげよう。
<質問>
世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年間でどう変わっただろうか?
A. 約2倍になった
B. あまり変わっていない
C. 半分になった
この問いの答えは、本ブログの1番下に書いた。
ここでは人間のネガティブ本能がかき立てられ、不正解者が多く見られる。
それはまさにテレビ番組でショッキングなトピックを扱うと視聴率が良くなるので、そのような内容ばかり報道するこの世の中が証明している。
それらのニュースや記事やテレビ番組を視聴することで、我々人間はいとも簡単に世界は悪くなっていると勘違いしてしまうのだ。
データが真実を教えてくれる
データ分析をしていると、しばしばよく期待を裏切られる。
もちろんそれは良いことだ。
絶対にこれが原因だ!って思っていたのだが、データはそれを物語っていない。
むしろ別の(本来の)原因を教えてくれたりする。
その瞬間、私は「またやられた!」と楽しくなってしまう。なぜならそれは自分の思い込みに気づくことができた証拠だから。
この思想には、知ったかぶりもプライドも忖度も何も役に立たない。
だからこそ「曇りなき眼」で見定めることができるのだ。
※曇りなき眼はもののけ姫に出てくる言葉です。
数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う
データ分析には注意点がある。
それは都合の良いデータだけを選んだり、グラフの目盛りを操作して過大評価を得ようとする輩がいると言うことだ。
時には無知がゆえに、悪気なくやってしまう人もいるのでさらに注意が必要だ。
こちらの記事の画像です。
このグラフは典型的なNGパターンだ。
グラフの原点は原則、0でなければならない。
しかしこれは差を誇張させるために、故意に原点がいじられている。
このように嘘つきが数字を悪用するパターンを知っておくと、騙されにくくなる。
データ分析の素養があると、武器になるだけでなくこのように盾にもなりうるのだ。
データ分析がもたらす価値をまとめる
最後にタイトルに記載したデータ分析がもたらす価値をまとめておこう。
①主観ではなく事実を基に物事を捉えられる
②根拠が明確になり、他者への説明が楽になる
③今まで思いつかなかった視点が得られる
④人間の本能を悪用するメディアから身を守れる
⑤数字を悪用する嘘つきから身を守れる
■とりわけビジネスの場で生きる価値
⑥最も効率よく意思決定できる
⑦パーソナルデータを活用して個別化した施策をうてる
⑧施策の効果検証ができる
⑨過去のデータを活用して未来を予測できる
⑩データドリブンな経営で競争優位性を得られる
おそらく全部は挙げられていないと思うが、
こんなところだろうか。
後半の⑥〜⑩は説明足らずでイメージが湧かないと思うが、1つ1つ解説すると長くなってしまうので今回は省略させていただく。
データ分析は適切な活用によって、多くの分野で大きな価値を生み出すことは間違いない。
私はこのデータの価値を「自然と人間の共存」に生かしていくのが人生のテーマだ。
国境を越えてグローバルな取り組みを促す。
そんな仕事ができるよう邁進していきたい。
質問の答えは以下です。
C. 半分になった