はじめに
2025年5月8日、UiPathはHealing Agent (以下はHAと略称いたします)の一般提供を開始しました。
HA はAI を活用した機能であり、インテリジェントで動的な自己修復を UI ベースのオートメーションに実現します。UiPath Robot、Orchestrator、Studio にわたる数々のエクスペリエンスに対応しています。
HA に関する機能紹介は、UiPath AIエージェント活用ガイド ~ Healing Agentの魅力とは?をご参考ください。
HA による修復はジョブ単位のみ有効です。推奨事項に従ってワークフローを改修しないと、次回の実行で再びHA が起動されるため、課金されますし、処理時間も長くなってしまいます。本記事は、推奨事項を記載するデバッグファイルをStudioに適用する方法を紹介します。
検証用対象サイト
本記事は、HA 機能を検証するために、RPAChallengeを利用しています。
デベロッパーツールで「Submit」のボタンのバリューを「提出」に変更し、HAの動作を確認します。
デバッグファイルとは?
デバッグファイルは、HA の修復過程を詳細に記載しています。どのアクティビティビにおいて、どのセレクターがうまくいかなかったか、修復で利用した技術、修復の信頼度といった情報は、ここで確認できます。HA により修復されたジョブのログページで、デバッグファイルをダウンロードできます。
このページで、引っかかった要素のスクリーンショットおよび失敗・修復後のセレクターが確認できます。
ジョブのログページは、あくまでも簡単な情報しか記載しないので、詳細情報は、「デバッグファイルをダウンロードして↓」ボタンを押し、ローカル環境で確認しましょう。
上記ボタンを押すと、healing-agent-data-xxx.zipがダウンロードされます。解凍してUiaのフォルダに、デバッグ情報を記載するJsonファイルがあります。整形すると、さまざまな詳細内容を確認できます。
①どのアクティビティビが失敗しましたか?
"RuntimeInfo": {
"WorkflowInstanceId": "2652232d-176f-4ed9-88ca-24b9014fb522",
"WorkflowFileName": "Main.xaml",
"WorkflowFilePath": "\\Main.xaml",
"ActivityId": "1.4",
"ActivityTypeName": "UiPath.UIAutomationNext.Activities.NClick",
"ActivityDisplayName": "クリック 'Submit'",
"ActivityRefId": "NClick_1",
"IsFromCodedWf": false,
"CollectionTime": 5250557172460522000,
"JobId": "cdae4354-e255-46d5-b6d9-d116f84b005a",
"ProcessName": "Healing_Agent_Test1",
"ProcessVersion": "1.0.1",
"TenantName": "defaulttenant",
"TenantId": "154405",
"FolderId": 1809927,
"FolderName": "XXX",
"OrganizationId": "83c7112a-d53f-4b24-81a3-589ef263739d",
"Timestamp": 638871154033134700,
"ProjectId": "bc1b5382-5d90-4d74-8e3f-1f064ed07a93"
},
②どのセレクターが失敗しましたか?
"FailedTarget": {
"BrowserURL": "rpachallenge.com",
"ScopeSelector": "<html app='chrome.exe' title='Rpa Challenge' />",
"IsResponsive": false,
"Version": "V4",
"InformativeScreenshot": "61fa95c7e2973a164488e6c5d8b910de.png",
"WaitForReady": "None",
"SelectionStrategy": "Default",
"Visibility": "Interactive",
"Guid": "ea668f2e-cdbb-4b71-ac93-61bf25ad9b20",
"FuzzyPartialSelector": "<webctrl tag='INPUT' type='submit' class='btn uiColorButton' aaname='Submit' check:text='Submit' />",
"FuzzyAccuracy": 0.5,
"FuzzyMatches": 100,
"DesignTimeRectangle": {
"X": 584,
"Y": 648,
"Width": 116,
"Height": 36
},
③試した修復メソッド
"RetryCount": 1,
"RecoverySuccessful": true,
"RecoveryInfo": [
{
"RecoveredTarget": {
"DetectionId": "d579b093-7d89-4de4-9d69-81d2bfcdf5fc",
"InferMethod": [
"Semantic",
"AncestryFuzzySearch",
"FuzzySearch"
],
"TargetStatus": "Unique"
}
}
],
④修復の信頼度はどのくらいですか
"Selector": "<webctrl tag='INPUT' type='submit' class='btn uiColorButton' aaname='提出' check:text='提出' />",
"Text": "提出",
"Score": 0.5625
デバッグファイルの適用方法
デバッグファイルを適用するには、2つの方法があります。
①Orchestrator の [Healing Agent] パネルから「Studioを開く」をクリックしてStudioに遷移する方法です。
②手動でデバッグファイルをインポートする方法です。
それぞれ利用の最低バージョンがあるため、以下の表を参照してください。
①は非常に簡単なため、説明を省略しますが、2025.0.157 (Enterprise Cloud 版) という新しいStudioバージョンが必要なのでご注意ください。
本記事は②の方法を説明します(筆者のStudioバージョンは24.10.9です)。
Studio でのデバッグ ファイルの手動インポート
Studioの手動インポートは、[Autopilot] パネルで実施します。「Autopilot」の開き方は、以下の通りです。
Studio画面の右下には、「Autopilot」のタグがあるので、それをクリックすると、「Autopilot」パネルが開きます。
ただし、Development.json ファイルの編集が前提なので、編集しなければ、以下の画面のように、インポートボタンが表示されません。
編集方法は、Studio-install-path>/Profiles/Development.json ファイルを開き、EnableAiRobot プロパティを true に設定します。
具体的に、①Studioを閉じた状態でJsonファイルを開いて、Ctrl+Fで「EnableAiRobot」を検索
②falseをtrueに変更して保存
③Studioを起動し、改修対象のワークフローを開いて、[Autopilot] パネルに遷移しますと「デバッグファイルをインポート」ボタンが出てきます。
④ボタンを押してデバッグファイルをインポートします。ここでダウンロードしてきたzipファイルをそのままインポートするため、ご注意ください。
⑤Studioで適用します。
インポートすると、ジョブログページのHAタグと似たような画面が表示され、ターゲットのほうで元のセレクターと推奨のセレクターが記載されています。
「Apply」を押したら、新しいセレクターが適用されました。スクリーンショットまで更新してくれるとは!玉に瑕なのは、クリックアクティビティの名前はSubmitのままですね。
おわりに
以上は、デバッグファイルの読み方および適用に関する話でした。どうですか、想像以上容易に操作できるでしょう。ぜひこの新機能を試してみてください!












