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LLMでテーブルデータを読み取るアプローチ

Last updated at Posted at 2024-04-25

ChatGPTやAzure OpenAI Service等のLLMのプロンプトで扱えるデータは一般的には文字列のみで、通常はExcelで作成したようなテーブルデータをそのまま読み取ることはできません。

しかし、テーブルデータをMarkdownやHTML形式の文字に変換することによりLLMが内容を理解することができます。

今回は、上記2つの形式を扱ったテーブルデータの読み取りについてご紹介します。

※本記事で利用したモデルはAzure OpenAI Serviceのgpt-35-turboとなります

Markdown形式

まずはMarkdownを活用したテーブルデータの読み取りについてご紹介します。

Markdownとは簡単な記号でリスト・リンク・テーブル等を表現する記法で、QiitaなどのブログやVisual Studio Codeなどのエディタ等でサポートされています。

Markdown形式の場合、後述のHTMLと比べて文字数が少ないためトークン数が節約できます。

試しに、以下のテーブルを読み取らせてみます。

テーブルデータ

  • テーブルイメージ

    1.png

  • Markdown

    | 部署 | 東京本社 | 横浜支社 | 大阪支社 |
    | - | - | - | - |
    | 開発部 | 50 | 20 | 25 |
    | 営業部 | 30 | 15 | 20 |
    | 経理部 | 20 | 10 | 15 |
    

回答結果

2.png

どちらの質問も適切に回答できているため、Markdown形式で記述した文字をテーブルとして理解できていますね。

HTML形式

次に、HTMLのTableタグを活用したテーブルデータの読み取りについてご紹介します。

HTMLを読み取る強みとしては、複数セルを統合しているようなデータ(colspanrowspan)に関しても読み取ることもできます。

試しに、以下のテーブルを読み取らせてみます。

テーブルデータ

  • テーブルイメージ

    3.png

  • HTML

    <table border="1">
    <tr>
        <th>部署</th>
        <th>性別</th>
        <th>東京本社</th>
        <th>横浜支社</th>
        <th>大阪支社</th>
    </tr>
    <tr>
        <td rowspan="2">開発部</td>
        <td>男性</td>
        <td>30</td>
        <td>10</td>
        <td>15</td>
    </tr>
    <tr>
        <td>女性</td>
        <td>20</td>
        <td>10</td>
        <td>10</td>
    </tr>
    <tr>
        <td rowspan="2">営業部</td>
        <td>男性</td>
        <td>20</td>
        <td>10</td>
        <td>15</td>
    </tr>
    <tr>
        <td>女性</td>
        <td>10</td>
        <td>5</td>
        <td>5</td>
    </tr>
    <tr>
        <td rowspan="2">経理部</td>
        <td>男性</td>
        <td>15</td>
        <td>5</td>
        <td>10</td>
    </tr>
    <tr>
        <td>女性</td>
        <td>5</td>
        <td>5</td>
        <td>5</td>
    </tr>
    </table>
    

回答結果

4.png

5.png

Markdown形式での結果同様に、HTMLで記載された文字をのテーブルとして理解できています。

さらに、複数セルを統合した情報(今回の例では部署情報)も読み取れています。

まとめ

LLMでは、MarkdownやHTML形式に変換することでテーブルデータを読み取ることができます。

今回扱ったテーブルデータ程度であればどちらでも精度は大きく変わりませんが、トークン数を節約したいのであればMarkdown、複数セルを統合したテーブルを扱いたい場合はHTMLが適していると思います。

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