はじめに
こんにちは、Datadog Japan で Sales Engineer をしている AoTo です。
この記事は AoTo Advent Calendar 2023 8日目の記事です。
2023年12月8日(金) Google Cloud 公式ユーザー会の Jagu'e'r の全体イベント、「Jagu'e'r Park Winter 2023」が開催されました。1
昨年、一昨年と引き続き開催された Jagu'e'r Award のピッチ大会に今年はついに参加し、コミュニティに対する熱い思いをぶつけてきたので、その内容を共有します🔥
技術コミュニティに入って変わったこと
前職時代 CCoE に所属していたこともあり、通称「CCoE本」と呼ばれる『DXを成功に導くクラウド活用推進ガイド CCoEベストプラクティス』を読んだことが Jagu'e'r との出会いでした。今自分が仕事でやっていることは何なんだろう、同じような悩みを持った人はいないか、そうした思いで単身 Jagu'e'r に乗り込みました。
初めて参加したのは、Jagu'e'r の花形でもある CCoE 研究分科会でした。CCoE 研究分科会は、CCoE Class Room という形での活動を行っていました。CCoE Class Room の内容について、第一回ブログを引用してみます。
CCoE(Cloud Center of Excellence)の在り方を研究する「CCoE 研究分科会」では、CCoEに関するベストプラクティスを議論し、情報の発信を行っています。
私達は、CCoEについて実践者・知見者に自らの悩みを相談し、解決策を導くことができる環境づくりを目指しています。
そこで、このコアメンバーとCCoEの在り方を自由に議論することのできるスペースを定期的に設けることにしました。それが「CCoE Class Room」です。
私が初参加したのは第7回でした。ブログを確認するとばっちり初参加企業に前職の名前が書いてあります…笑
こうしたコミュニティに会社名と実名を明かして参加したことはなく、さらには JAWS などでは聴衆としての参加経験しかなかったため、Jagu'e'r の人と人の近さと熱にとても驚いたのを覚えています。
ここで CCoE について深く知り、自分の活動は独立組織型に近いこと、そして CCoE として胸を張って活動するにはまだまだ障壁が大きいことを知りました。前職は会社組織自体が大きく、全社の CCoE として活動するには認められない部分が多かったように思います。
ここで CCoE について学び、クラウド利活用を進めるためにはまず自分自身がクラウドのスペシャリストとして変革を起こす必要がある、と考えるようになりました。これが自分に起きた最初の変化です。
コミュニティ活動に参加して変わったこと
これを機に技術系分科会にも積極的に参加するようになりました。主にデータ利活用分科会、クラウドネイティブ分科会に出没していたと思います。
ここで、エンタープライズコミュニティならではのぶっちゃけ話を交えて様々な現場の知見を知るようになりました。ちょうどこの頃から、本業でも Google Cloud のデータ基盤構築の企画・提案案件にアサインされ、社内でも有数の Google Cloud に詳しい人として少しずつ貢献ができるようになっていました。
実はあまり触れてきていなかったですが、ここに至るまでに AWS, Azure, Google Cloud の資格試験を毎週のように受験しており、いわゆる「資格マニア」として既に名前は知られている状態でした。しかし、「資格マニア」としての呼び名・認識は同時に「資格だけ無駄にあって、現場経験に乏しい人」というラベリングにもなっていました。2
これを払拭できたのは、経験がまだまだ少ない中でも実際の知見を共有しあっている技術コミュニティで、先人たちの生の声を聞ける機会がたくさんあったのも大きな要因です。
この後は数は少ないですが Google Cloud をはじめとする実案件へのアサイン、資格取得の知見の共有、社内標準化ドキュメントの整備などを行い、ほんの数ヶ月で周囲の方々からの見る目が少しずつ変わって行く好循環を実感しました。これがコミュニティに参加したことによる次の変化でした。
コミュニティの前に立つようになって変わったこと
こうした経験と並行して、Jagu'e'r では デジタル・クラウド人材育成分科会のイベント「コミュニティで学ぼう!Google Cloud Study Jam by Jagu’e’r」に流れるように参加しました。
この頃は一方的に刺激は受けるものの、能動的に活動に参加したり登壇することはまだありませんでした。しかし、このイベントのランキングシステムに密かに刺激を受け、Google Cloud 認定資格コンプリート間近の実力を見せてやる、という思いで1人で燃えていたことを今でも覚えています。
このランキング結果の発表とイベント納めとして開催された結果報告イベントでは、参加者の LT を募集しており、上位に入っている自信があった自分はここで初めての外部登壇経験をすることになりました。3
ここではランキング形式でのイベントで受けた刺激やメンバーとの交流を機に、「コミュニティの力でラーニングピラミッドを大きくする!」というタイトルでお話ししました。この頃は既にコミュニティの良い影響を肌で感じており、最後のスライドではイベントへの参加やアウトプットを行うことを堂々と宣言していました笑
こうした熱い思いに目をつけていただき、人材育成分科会の運営に入らないかとお声掛けいただき、二つ返事で運営に参加させていただきました。こうして、コミュニティでの繋がりを広げ、外部活動をする幅を広げ始めたのが続いての変化でした。
コミュニティに貢献して変わったこと
コミュニティでの活動は主に人材育成分科会の運営メンバーとしての内容が多かったですが、経験の浅い自分にもいろいろと任せようという文化があり、イベントの開催をはじめとするコミュニティへの貢献がすぐに実現できました。
さらに、前述の運営参加と同時に、コミュニティマネージャーからお声掛けいただき Google Cloud 公式イベントである Google Cloud でクラウド二刀流エンジニアを目指すための「早わかり集中技術講座」通称「二刀流イベント」への登壇を実現させていただきました。
この企画段階から少しずつ、コミュニティと同じように本職でも活躍したいという思いが芽生え始めていました。それに反して、本職での立場は OJT を終えたばかりの若者であり、自身が貢献できることは限りなく少なかったように思います。
その半面、Jagu'e'r では継続的に挑戦をする機会があり、その結果としてメンバーから刺激を受け認めていただける場があることで、このコミュニティに属している限り怖いものはない、と再認識し転職を志しました。4
こうした経緯で初めての公式イベント登壇を前職の最終日とし、現職でのキャリアをスタートすることにしました。コミュニティを通じて自身のキャリアを切り開いた経験は間違いなく、人生の方向性を変えた大きな変化でした。
深くコミュニティに関わって変わったこと
転職後も積極的にコミュニティ活動を続け、2023年は Jagu'e'r を中心としつつも幅広い活動を行うことができるようになりました。これは、コミュニティを通して登壇をしたり様々なメンバーと交流することで自分のマインドが変わったことが大きかったです。
深くコミュニティに関わっていくと同時に、Jagu'e'r を軸足にして活動の幅を広げることによって俯瞰的にコミュニティを見ることができるようになり、Jagu'e'r のあり方や立ち位置を考えることが増えていきました。
活動内容は2023年の技術コミュニティ活動を振り返るで触れていますが、この他に Jagu'e'r の内部では人材育成分科会の分科会オーナーとして、コミュニティ内での最大規模を誇る参加者・運営数である人材育成分科会の方向性を考える立場になりました。
他にも分科会に依らない活動として、Google Cloud の年次イベントである Google Cloud Next に合わせて行う現地参加者 Meetup や recap イベントを企画段階から立ち上げ、実現することができました。
このような形で、コミュニティをより良くしたい・良い影響を広げたいと思うようになったのが最近の変化です。
これから
Jagu'e'r は日本の Google Cloud 公式ユーザー会として現在は参加企業数:800社以上・参加者数:3000名以上を誇る大規模な技術コミュニティです。しかし、現在は参加者数と比較して積極的に活動に参加しているメンバーの比率は減少しているように思います。
自分の目標はただ規模が大きい・人が多いだけではなく、自分の技術活動の中心としたくなるような「帰って来れる場所」を提供することです。
現在、参加者の多くは Jagu'e'r を数あるコミュニティの1つとして捉えていますが、公式イベントとの連動や分科会を超えたイベント開催によってより魅力的なコミュニティとして変化をさせていきたいと強く思っています。
「自分の人生や価値観を変えてくれた技術コミュニティを、参加者に良い変化をもたらす魅力的なコミュニティに変えていく」これが私がこれからもコミュニティ活動を続けていく原動力となります。
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Jagu'e'r は Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise の通称で、Jaguar をもじって Enterprise の 'e' を入れたものになります。名前の通り、エンタープライズコミュニティであり、Google Cloud と NDA を締結している・できる企業のメンバーが参加する会員制の技術コミュニティです。 ↩
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この反応は当然ではあるものの、社会人経験も浅い中で自分の努力が認められないことは辛かった記憶があります。 ↩
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結果は何とも言えない第3位でした。 ↩
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転職活動はコミュニティとは一切関係なく、独力で行いました。転職先の第一条件として、技術コミュニティと継続的に関われることがありました。 ↩