はじめに
AlteryxのWeekly Challenge #275 を使って、
「書店販売」のデータ分析をしてみました!
Alteryxを使った売上データ分析の実践例をご紹介します。
テーマは、ある書店における 「2024年3月〜5月に終了するのそれぞれの6ヶ月間の売上分析」 です。
✅ 各期間における総売上冊数
✅ その期間でもっとも売れた書籍(人気書籍Top1)
これらをAlteryxで集計・抽出していきます!
分析の目的
書店では、「最近どんな本が売れているのか?」「売上は増えているのか?」を把握することが、在庫戦略や販促計画にとって非常に重要です。
今回は以下の2点を Alteryx で効率的に抽出・可視化します
Q.各6ヶ月間の総販売冊数は?
Q.その期間で最も売れた書籍(Top1)は?
使用データと主な指標
<使用データ>
・Book_Sales.csv(売上データ)
・期間データ(分析対象月・期間)
※ 上記はデータの一部抜粋。
使用ツールと処理概要(Alteryx)
<使用ツール>
・Input Data:データの読み込み
・Formula:売上日・期間開始日・終了日を日付型に変換
・Append Fields:すべての売上データ分析期間を結合(クロス結合)
・Filter:売上日が対象期間内にあるレコードのみを抽出
・Summarize:月ごと・書籍タイトルごとに販売数を集計
・Sort:月単位で販売数の多い順に並び替え
・Sample:各月で販売数1位の書籍(Top1)を抽出
分析結果
月(報告基準) | 分析期間 | 総販売数(冊) | 最も売れた書籍 | 販売数(冊) |
---|---|---|---|---|
2024-03 | 2023/10/01 ~ 2024/03/31 | 29,175 | The Corrections | 3,689 |
2024-04 | 2023/11/01 ~ 2024/04/30 | 30,441 | The Great Gatsby | 3,873 |
2024-05 | 2023/12/01 ~ 2024/05/31 | 31,398 | Lord of the Flies | 3,993 |
考察
📊 売上推移:
2024-03:29,175 冊
2024-04:30,441 冊(+1,266 冊)
2024-05:31,398 冊(+957 冊)
3ヶ月間で緩やかな増加傾向が見られ、年明け以降の需要回復やプロモーション効果が示唆される。
📚 書籍の多様性: 各月のTop書籍が異なり、読者の関心や時期的要因(例:学校課題・文学賞・メディア露出)が影響している可能性が高い。
🏫「Lord of the Flies」のような学校教材定番作品が5月に急伸している点から、学期末の課題需要が影響した可能性。
📘 上位書籍の傾向: いずれも古典的文学作品であり、ブランド力のあるタイトルが売上に強く寄与している。
分析の工夫・改善点
・期間のクロス結合とフィルタリング
複数の分析期間を全売上データとクロス結合し、対象期間内のデータだけを抽出することで、一度のワークフローで複数期間の比較分析を可能にしました。
これにより繰り返し処理を減らし、効率的に分析が行えた。
・トップ書籍の抽出方法
Sort と Sample ツールを使って、各期間内での販売数上位1件を抽出。
複数トップ候補がいる場合は今後、条件追加(例えば出版年や著者名)も検討できる。
・期間設定の柔軟性向上のために、動的な期間設定(例:パラメータ入力)を導入し、分析の自動化を図る。
・売上の地域別・店舗別集計やジャンル別分析も加えることで、より深い販売戦略の立案が可能。
・売上の季節変動やキャンペーン効果を加味した時系列分析の導入。
おわりに
・本分析により、Alteryxを活用した期間別売上動向の可視化と、人気書籍の傾向把握が実現できた。
・分析期間の設定(主計期間の取り方)には一定の難しさがあり、分析目的やデータの特性に応じた柔軟な判断が求められた。
・定量的根拠に基づき、販売戦略・在庫計画・マーケティング施策などへの応用が期待される。