LLM/AGI/ASI
1-1 LLM(大規模言語モデル)=「超強力な予測変換」
文章の“つづき”を高精度に予想して出力するモデル。
できること:文章作成、要約、翻訳、コード補助、対話など言語タスクに強い。
できないこと:世界の仕組みを本当に理解して、主体的に目的を立て、長期計画を自律実行すること(単体では困難)。
たとえ:超高性能な予測変換+百科事典を丸ごと暗記した即興作家。
※ ChatGPTのような現行モデルは、基本的にこのLLMに属する**弱いAI(Narrow AI)**です。特定領域(文章・会話)では人間を上回ることがあるが、汎用の“何でも屋”ではありません。
1-2 AGI(汎用人工知能)=「なんでも屋の頭脳」
特定分野に限らず、幅広い課題に自律的に適応できる知能。
できること:状況把握→目的設定→計画→実行→学習の一連のループを、人間並みにこなす。
たとえ:優秀な現場監督。料理・掃除・引っ越し手配・役所手続き・旅程最適化を、状況を見て自分で段取りする人。
1-3 ASI(人工超知能)=「人間を桁違いに超える頭脳」
AGIが自己改良を繰り返し、人間の最優秀者をはるかに上回るレベルに到達した段階。
できること:科学発見、政策設計、危機管理、文明運営などで人類を圧倒。速度・正確さ・遠見性が桁違い。
たとえ:人間:魚=ASI:人間、のような理解不能な差。
2. LLMとAGIの“本質的な違い”を直感で掴む
2-1 道具 vs 代理人
LLM=道具:聞かれたら答える、指示されたら生成する。
AGI=代理人:状況を読み、目的を解釈し、自分で段取りして動く。
2-2 例:あなたが「海外出張の準備をまるごと頼む」場合
LLM:航空券候補を出し、メール文案を作り、持ち物リストを作成…と指示ごとに力を発揮。ただし全体管理はあなた。
AGI:予算制約やビザ条件、時差、会議相手の都合まで自動で調整し、必要な予約や書類提出を期限内に完遂。あなたは承認だけ。
2-3 例:引っ越し
LLM:挨拶文、業者比較表、チェックリストの作成などを支援。
AGI:物件選び→契約→電気ガス→粗大ごみ→学校転入→家財配置まで一気通貫で進める。“段取り力”が本質差。
3. AGIの先にあるASI:なぜ人間の“賢さ”が価値を失うのか
3-1 速度とスケールの暴力
科学の仮説検証、都市インフラ最適化、疫学モデル、金融リスク制御…。
人間が年単位で悩む問題を、ASIは秒〜分でシミュレーションし、実装案まで提示する。
3-2 結果:神のような知能の前では人間同士のIQ差は“誤差”になる
ASIと人間の差が“魚と人間”級になると、人間同士の知能差は実務的に意味を持たない。
人間:魚 = ASI:人間
人間:魚 = 1年後のASI : ASI
人間の数万倍、数億倍の知能は、人間にとって全知全能の神のように見える可能性が高い。
感覚としては、神様と語り合っている様なもの。