はじめに
1969年出版、1970年に日本語訳出版の本書は、官僚的組織論の本質をついている。
これを避ける手段として、若いうちに上長が必要とする研修を受けさせて視野を広げ、昇進の基準として既に上長レベルの活躍ができているか、という仕組みを導入していた組織も見てきた。
しかし現実には、多数の組織でピーターの高原に辿り着いた人々が溢れている。
ポイント
ピーターの法則
『階層社会にあっては、その構成員は(各自の器量に応じて)それぞれ無能のレベルに達する傾向がある』
- 昇進すべき階級が十分にある階層社会の構成員(たとえば企業の従業員、公務員、軍人、共産主義体制)は、責任を果たしていく能力のある地位から、それができなくなる地位へと昇進させられる。
- 一回か二回昇進して、新しい地位でも引き続き有能レベルを維持する人は多い。しかし、新しい地位にあって有能であるということは、昇進させられる可能性が残っていることだ。その結果、最後の昇進はどうしても有能レベルから無能レベルへの昇進とならざるを得ない。
- 時がたつに従って、階層社会のすべてのポストは、その責任を全うしえない従業員によって占められる傾向がある
- 仕事は、まだ無能のレベルに達していない従業員によって遂行される。
昇進
- すでに無能に達している上長者が、有能の基準を決め、そして彼らのその基準で選ばれたものが昇進していく。
問い
- その人物は現在も役立つことをしているか?
「・・・、わからない」なら、すでに無能レベルに達している。
ピーターの高原、終着駅症候群
- 無能だ・・・だが、怠けものではない。活動的に見えるし、自分でも働いていると思い込んでいる。しかし、有益なことはほとんと達成されない。
無能の数理
- 無能プラス無能は、依然として無能である。
創造的無能
- 最終的昇進を避け、職業人として、また個人として健康と幸福を守る道は、創造的無能になることである。
- 自分はすでに無能レベルに達したという印象を操作すること。
書誌情報
- 書籍名:ピーターの法則 創造的無能のすすめ
- 著者:L.J.ピーター,R.ハル
- 出版社:ダイヤモンド社
- ISBN:4-478-76000-4
参考
- Youtubeで「ピーターの法則」で調べると、たくさん出てきます。10分程度で解説してくれるので、まずはそれを2~3、見てみることをおすすめします。